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バッカスの横顔

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100年企業をめざす普遍的な価値 独自能力は“5大商品”の提供 / バッカスの横顔 インタビュー後編

株式会社ねぎしフードサービス 代表取締役社長 根岸榮治

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行動規範の文末に日付
該当日に言及して浸透図る

根岸氏が100年企業への基盤固めに向けて、本格的に行動を起こしたのは1997年からで、日本経営品質大賞の受賞企業を訪問して、経営方式のヒヤリングを重ねる。だが、BSE騒動への対処に数年を要し、ふたたび研究を始めたのは2005年。根岸氏は「100年企業への普遍的な価値」として、経営理念に基づく顧客本位、社員重視、独自能力、社会との調和、この4つの価値を抽出し、それぞれに同社の要素を当てはめた。

顧客本位=『親切という企業文化』、社員重視=『働く仲間の幸せ(人の成長、100年企業)』、独自能力=『ねぎしの5大商品(クオリティ、サービス、クレンリネス、ホスピタリティ、アトモスフィア)』、社会との調和=『おいしい味づくりで楽しい街づくり・日本のとろろ文化と日本の農業に貢献します』。

これらの価値を具現化した結果、同社は2011年度に日本経営品質大賞を受賞したのだった。

日本経営品質賞への挑戦を通じて根岸氏は「経営理念を社員に共有させたら、次にお客様と取引先に共有していただき、その次に地域社会に共有していただくことを学びました」と振り返る。共有化の手段として、同社が実践したのは仕組み化である。いくら朝礼などで経営理念を唱和したところで、浸透させる仕組みがなければ空回りしてしまう。

たとえば毎年、社員、パート、アルバイトなどが経営理念を振り返る「私と経営理念」と題する文集を発行し、2015年度には368人が執筆した。クレド集も活用している。

「ねぎし精神」と命名されたクレド集に記載された行動規範の文末に(7・22)(12・27)というように数字が付けられているが、この数字は日付で、該当する日になると従業員が当該の行動規範について一言ずつ話をしている。

PDCAのPから参加させて仕事を我が事として取り組ませる

「人は仕組みを通して成長するのです」と根岸氏は持論を述べるが、仕組みのひとつに各店舗に常設されたアンケートハガキの活用が挙げられる。このハガキには5大商品が5段階評価で集計され、店舗別満足度が公表されて、項目別に店舗がランキングされる。毎月2000通以上が回収され、「輝いていたスタッフ」として記入された個人に「親切賞」が授与され、その数は毎月450名に達している。

根岸氏は「アンケートをここまで有効に活用している飲食店はないのではないでしょうか」と自負する。集計項目ランキング表からは、全店舗の長所と課題が一目瞭然で、この表はそのまま改善ツールとしても活用できる。確かに実践に直結したアンケートである。

PDCAの運用も人を育てる仕組みに仕上げた。末端の社員をPから参加させて、仕事を「我が事」として取り組むように促し、Cではチェックでなくコミュニケーションを図っている。「我が事で取り組めば、たとえ失敗しても成長します」という。

同社の売上高は2015年度に68億100万円。「ねぎし」に次ぐ第二業態の開発も2017年春を目途に推進中で、やはり東京や横浜など限定したエリアに出店する方針だ。

同社の業態力を評価して、しばしばM&A仲介会社が大手外食チェーンによる買収を打診してくるが、根岸氏は「文化が違うので他社と同じ資本での経営は無理です」と打診への関心はまったくなく、面会にも応じていないという。

こうして数々の修羅場を経てきた根岸氏は、後につづく若手外食経営者には「人生80年とすれば、その間に、仕事を通じていかにして世のため人のために尽くすかを大事にしてほしい」と望んでいる。

インタビュアー:経済ジャーナリスト 小野 貴史

ライター:小野 貴史

前編はこちら >> 同一業態を同一地域に出店 富士山型経営で2位に3倍差

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