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リアル店舗も展開!OBENTOを海外に広める! / 注目ベンチャーインタビュー後編株式会社塚田農場プラス
代表取締役社長 森尾 太一

  • feedy

MR向け試食会で食材の選定と調理方法を説明

弁当には全国の産地から厳選した食材を使用し、池袋の製造キッチンで、肉は炭火で一枚ずつ手焼きされ、鮭や銀ダラの西京漬けは手仕込みで、卵焼きも手焼きで調理されている。品揃えされているのは「ステーキ弁当」(2200円)、「ハンバーグ弁当」(1800円)、あるいは米の生産者名を付けた「謙太郎幕ノ内」(2000円)など約20アイテム。

さらに「おべんとラボ」は900~1500円のロケ弁当、1000円前後の会議用弁当、オフィスワーカーへの700~800円のランチ弁当と、主に4つの用途をカバーしている。すべて高価格弁当と同様に、厳選した産地直送の食材を使用して、調理は手作りだ。

こうした商品力に加え、マーケティングも同社の特徴である。医薬品メーカーに対して新作のリリース時などに試食会を開き、食材の生産方法からキッチンでの調理方法までのプロセスを情報提供し、MRが医師にも説明できるように促している。単に美味しいだけでなく、安心・安全について根拠にもとづく説明は、食生活の専門家でもある医師の関心を喚起するだろう。

BtoC事業へ エキュート品川 サウスにリアル店舗を出店

注文は主に電話で受け付けるが、受付担当者は通常のオペレーターではない。「コンシェルジュ」と呼び、エー・ピーカンパニーの店舗でキャリアを積んだ社員を配置している。コンシェルジュは店舗で培ったおもてなしを駆使しながら、前回の注文内容などを話題にして関係を深めている。

デリバリーにも工夫を凝らしている。デリバリーは外部委託しているが、営業担当者がみずから出向くケースもあり、ここでMRとの関係を強化している。その成果として、注文が営業担当者の携帯電話に直接入ることもあるという。

今後は、高価格の弁当を購入する機会が多い業種として、銀行、証券会社、保険会社、コンサルティング会社、会議ホールなどを開拓する方針だ。15年12月2日にはリアル店舗も出店した。エキュート品川 サウスに「塚田農場OBENTO&DELI」を出店し、「BtoCにも参入して『塚田農場の弁当』というブランドを広めてゆく」(森尾氏)という。

海外展開も視野に入れ、ニューヨーク、パリ、シンガポールなどでオフィス向け需要を狙う構想だ。森尾氏は「ビジネスマンがランチタイムにテイクアウトする料理はあまり美味しくない。OBENTOという言葉は海外でも知られているので、弁当の宅配などを考えている」と抱負を述べる。

これも「食のあるべき姿を追求する」というミッションの普及である。

インタビュアー

株式会社KSG
細川 和人