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ワクワクで世界のQOLを最大化── 不動の〝軸〟を打ち据えて成長曲線を描く | 注目ベンチャーインタビュー インタビュー前編

株式会社和久環組

代表取締役 鎌田 友和

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  • 2015年11月13日

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中古物件とリノベーションを組み合せ
本当に暮らしたい生活空間を提供

「2013年6月に35歳で起業したとき、具体的にどんな事業をするのか、まだ決めてはいませんでした。頭の中にあったのは、ワクワクすることを創造して、それを世の中に届け、大勢の方々にワクワクしてもらうこと。そして、自分たちもワクワクしながら、さらなるワクワクを深掘りして新たに提供していく。そうしたサイクルを続けていく事は決めていました」

趣味のマラソンやサーフィンで体を鍛え、スポーツマンらしい精悍な顔立ちに笑みを浮かべながら語るのは、横浜に本社がある「和久環組」の鎌田友和社長だ。そうした鎌田社長の話を聞いていると、「それってどういうこと? 何だか面白そうだな」とワクワクした気持ちになってくるから不思議だ。

もう察しがついているかもしれないが、社名の「和久環組」は「ワクワク」と読む。「和」は「和を以て貴しとなす」の「和」。そして「久」は「永久」、「環」は「循環」、残る「組」は「組織」から取った。「ワクワクを創造することに共感・共鳴する仲間が集まって、お互いに理解・調和しながら、ワクワクを永久に循環させていく組織でありたい、という思いを込めて名付けました」と鎌田社長はいう。

具体的な事業を決めていなかったものの、鎌田社長には人をワクワクさせる事業を創造するしっかりとした土台があった。もともと起業を目指していた鎌田社長が2000年の大学卒業時に選んだ就職先が、横浜を拠点する総合不動産商社だった。

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「起業するためにはセールスの力を身に付ける必要があると考えてました。真の実力を養うのには、あえて売りにくいモノで挑戦したほうがいい。そして、一般消費者向けの商材で一番高いモノとして真っ先に浮かんできたのが不動産でした。当時、数ある不動産ベンチャーの中でも圧倒的な会社の勢いに圧倒され、横浜の不動産会社で共に成長することで経営者に求められる資質も磨けると考えました」と話す鎌田社長は、販売に携わるようになると瞬く間に頭角を現し、入社4年目にはトップセールスとなる。そして、28歳のときに、最年少支店長に就任。

実は、この28歳という年齢は、鎌田社長が当初のライフプランで起業の目標としていた時期だった。「しかし、自分の人生を賭けてまで成すべきことが見えていませんでした。不動産市況はとてもよく、不動産業会で独立するのなら応援するという人も多くいましたが、自分が起業の先に本当にやりたい事は何なのか?どこか違和感を感じていました。そこで、20代での起業は一端延期して、働きながら『一生の人生掛けて何のために起業するか』を模索し続けたのです」と鎌田社長はいう。

「ワクワク」──。それだけ聞くと軽い言葉のように思えるかもしれないが、鎌田社長がそうやって何年も思案を巡らす中で生まれた、思い入れが深いキーコンセプトなのだ。起業時に具体的な事業計画を持ち合わせていなかったのも、「飛ぶ鳥跡を濁さず」を実践し、前職の要職を滞りなく引き継げるようにすることに精一杯だったから。「ワクワク」という不動の〝軸〟を打ち据えた鎌田社長には、焦燥感など微塵もなく、それこそ「何をしようか」とワクワクしていたのだろう。

世界中の耳目を集める発明・発見は、何も突拍子もないアイデアから生まれるのではなく、目の前に存在する〝平凡〟なモノ同士の〝非凡〟な組み合わせによって生まれるものだといわれる。鎌田社長の場合、画期的な第1弾のワクワクは、フィールドにしてきた不動産市場における「中古物件」と「リノベーション」の組み合わせによって生み出された。

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「戦後、日本では官民揃って新築の持ち家政策を進めてきました。そこでは平均所得の人が買えるように、住宅の工業化が進み画一的で同じ外観、同じ間取り、同じ設備で、建築コストを下げる事が出来て、多くの方が持ち家を持つ事が出来るようになった。そして、それが当たり前と思ってきました。しかし、100人いれば100人それぞれ趣味や嗜好・価値観が異なるように、暮らし方だって100通りあるはずです。衣・食・住で一番高価な住宅が一番不自由なのはおかしい。だったら、人口減少時代を迎えて空き家問題が社会問題化され、市場に数多く出てくるようになった割安な中古物件を、自分たちが好きなように顧客を出発点としてリノベーションする事ができたら、毎日の暮らしの中にワクワクを提供することができると考えたわけです」

が、「言うは易く行うは難し」で、中古の好物件があっても、設計や仕様、見積もりの手間で1カ月近くもかかると、その間に他の人に買われてしまう。そこで、あらかじめ自然を感じられる「オーガニック」、北欧風の「ノルディック」など7つのデザイン案を用意して、リノベーションした空間をイメージしやすくしたうえに、築年数や建坪などの条件を入力すると見積もり金額とともに、住宅ローンを利用した場合の月々の返済額まで瞬時にわかる「BeatHOUSE」のサービスメニューを開発し、起業から3カ月後の9月に立ち上げた。

ただし、起業時の手持ち資金では、派手な広告宣伝は打てない。フェイスブックで自分たちの思いや日々の活動を伝えていく中で、翌月に60代の夫婦の茅ヶ崎にある中古戸建住宅の「仲介+リノベーション」が初の成約案件となった。それから徐々に口コミなどで認知され、「今年の7月には一時受注をストップして、『受注半年待ち』をお願いしていました。しかし、現在は人員増強・組織体制強化し、その問題は解消済みです」と鎌田社長は話す。

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インタビュアー:後藤哲侍

後編に続く

インタビュアー:KSG ヴァイスプレジデント 後藤 哲侍