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  4. 2350社・50万人以上を診断、 先行者利益で優位性をキープ | 『熱中の肖像』vol.24 株式会社リンクアンドモチベーション 小笹 芳央会長 前編

2350社・50万人以上を診断、先行者利益で優位性をキープ / 熱中の肖像インタビュー前編株式会社リンクアンドモチベーション
代表取締役会長 小笹 芳央

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4つの事業領域のワンストップ業態を確立

3年前のことだ。リンクアンドモチベーション出身のWEBコンサルティング社長を取材した折に「どんな会社だったか?」と尋ねたら、明快な答えが返ってきた。「圧倒的な課題解決力を持った会社。圧倒的な頭脳を持つ人たちが、圧倒的に泥臭いことをしていた」。

この社長は、語気を強めて「圧倒的な」を繰り返したのだった。

2000年に設立されたリンク社は8年後に東証一部に上場したが、この間に既存の人事・組織コンサルティング会社は、新規参入の同社に独走を許したように見えなくもない。大手から個人事務所まで群雄割拠の業界で、何が「圧倒的な」競争力を発揮したのだろか。

同社が開始したサービスは人材採用、育成、人事制度設計、組織風土改革の4領域である。会長の小笹芳央氏は「それぞれの分野に先行するプレーヤーはいたが、4つをすべて担うプレーヤーはいなかった」と振り返る。

4つをワンストップで提供する。いわばオンリーワンの業態を確立し、4つを束ねるための上位概念として「モチベーションエンジニアリング」を設定した。この概念は、たんにモチベーションを向上させるという表層的な趣旨ではない。

小笹氏によると、4分野のコンサルティングはそれぞれ目的化されていた。それにメスを入れて手段に位置づけ、4つを接続する上位の目的として「モチベーションカンパニー」を設定した。

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労働市場に適応できる“選ばれる会社”への手段

「これからの企業は社員に選ばれる企業にならなければならない。労働市場に適応できる企業にならなければならない。一般に企業は商品市場に向き合っているが、経済のソフト化・サービス化によって、人材に備わっているアイデアとか、ホスピタリティーとか、モチベーションなどが、商品市場での勝ち負けを決めるポイントになっている。これからは人材に選ばれる会社、つまりモチベーションカンパニーになろうと産業界に呼びかけ、それが受け入れられた。」

いかに革新的なビジネスモデルも、模倣や市況などで劣化する。人材に選ばれるかどうかが企業の盛衰に直結することは、とくに中小ベンチャー企業は嫌と言うほど経験している。この膨大なニーズに対して、同社が提供したソリューションの基幹技術は、設定した上位概念と同じくモチベーションエンジニアリングとネーミングされた。

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モチベーションエンジニアリングは社会学、行動経済学、経営学、心理学などを統合して開発した独自の技術で、個人や組織のモチベーション状態を可視化・指標化する診断技術、その診断結果に基づいてソリューションを提供する変革技術で構成されている。モチベーションエンジニアリングによって開発された商品は50アイテムを超え、導入先は、年間数億円の取引をする各業界のトップ企業から、取引額50~60万円のベンチャー企業まで多岐にわたる。

インタビュアー

株式会社KSG
眞藤 健一

経済ジャーナリスト
小野 貴史