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熱中の肖像

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グローバルオンライン旅行企業へ そしてソーシャルビジネスの実現へ / 熱中の肖像 インタビュー後編

株式会社アドベンチャー 代表取締役社長 中村俊一

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リピート率を向上させる秘訣は利便性を高めること

当然、歴代の支店長には業績向上の道筋が見えていたはずが、そのひとつに「skyticket」のリピート率が挙げられるだろう。既存顧客のリピート率が毎年向上していることで、営業黒字が担保されやすいという収益構造が出来上がっていたのだ。2016年6月期通期決算では営業利益26億8000万円の55%をリピーターが占めた。2016年7月にはユーザー数192万4155人のうち、リピーターが61・7%を占めるまでになった。

中村氏は「リピート率を向上させるポイントは利便性を高めることです」と語る。その施策として、マイページの充実、リピーター会員向けのクーポン発行、リピート率の高い広告媒体への出稿、旅行保険や国内レンタカーやLCC(64社)、海外Wi-Fiレンタルなど商品の多角化に取り組んできた。

さらに事業領域を選定したことも奏功した。他のオンライン旅行会社は利用回数と利幅から航空券よりも宿泊にウエイトを置き、大手旅行会社は航空券と宿泊をセット売りして客単価を上げようとしている。アドベンチャーは宿泊在庫の仕入能力が不十分と判断し、航空券に照準を定めたのだが、それ以上に大きいのは世界展開を視野に入れたことだ。

世界100カ国で事業展開しているエクスペディアに対して、まだ日本の旅行会社は世界展開におよんでいない。この現状に対して「すでにうちはほとんどの国のフライトを扱っているので、これからはマーケティングによって世界中の消費者に販売してゆくだけです。今期中に世界中でマーケティングを開始します。」(中村氏)という。

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アプリは通算100万ダウンロード突破
ソーシャル媒体を中心に若年層ユーザーの取り込みに成功

過去4年の「skyticket」の予約申込数を振り返ると、2013年6月に10万6000件だった。以降、15万2000件、28万8000件、64万件と勢い良く伸び続けている。この勢いを導いたのがツイッター、フェイスブック、ライン、インスタグラムなどの活用で、「skyticket」アプリは通算100万ダウンロードを突破した。

SNS活用の核は解析力である。解析ツールを駆使して商品別に入金率、粗利益率、リピート率などを分析するだけでなく、サイトもデザインを微妙に修正しながら申込率を解析し、あるいはタレントの顔写真掲載の有無による申込率の差異を解析している。中村氏は「うちが取り組んでいる解析作業は、米国企業では当たり前に浸透しています。日本でもコンビニエンスストアがそうであるように、どんな業界でも成長を続けている企業は解析に力を入れています」と強調する。

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アドベンチャーがめざすのは「地球最大の予約プラットフォーム」である。新サービスとして高速バス、カーシェアリング、クルーズ、遊休施設、ホテル、レストラン、ゴルフ場などの予約も検討中だ。当面の業績目標は、2020年に取扱高500億円を達成させること。その後はM&Aにも着手して事業規模を拡大し、2030年に取扱高1兆円をめざすという。

また、「2006年、ムハマド・ユヌスがマイクロクレジットによりノーベル平和賞を受賞し、ソーシャルビジネスで社会に貢献していることにとても感銘を受けました。これからはグローバルオンライン旅行会社としてだけではなく、社会的企業として、通常の企業では検討しないような事業でイノベーションを起こし、世界的なソーシャルビジネス企業としてアドベンチャーを拡大したい。」と中村氏は語る。

インタビュアー:経済ジャーナリスト 小野 貴史, KSG シニアコーディネーター 関 幸四郎

ライター:小野 貴史

前編はこちら >> 予約プラットフォームの世界展開めざす グローバルオンライン旅行会社→ソーシャルビジネスで夢の実現へ

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