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フィンテックは世界のあり方を変える-ブロックチェーンがもたらす新たな時代 FGC共同代表:トニー・エバンス氏 インタビュー後編

Fintech Global Consultants Co-Founder Tony Evans

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Tony Evans FGC

来日後も金融業界を突き進むエバンス氏だが、キングスリー氏との出会いにより、新たなアイディアを共有していった。今から4年前の2015年、エバンス氏とキングスリー氏は共に、Fintech Global Consultants という金融のコンサルティング会社を立ち上げ、ブロックチェーンやフィンテックの社会導入を支援する一大プロジェクトを始める。そこには2人が共通して持つ、他者に還元するという強い信念があった。

全ては人を助けるということ

エバンス氏:
ブロックチェーンはお金や情報の支配権を個人に移管するものです。どのような人でもその利点を享受できます。私は金融業界で、誰しも経済の巡りを受けられるよう動きたいのです。
自分たちだけでなく、みんなで豊かさを得なければなりません。そして豊かさを得たら、それを他者に分けなければなりません。全ては人を助けるということです。それが私たちの信念であり、情熱がある所以です。

エバンス氏とキングスリー氏は共に、人々をいかに助けながらビジネスの成功を達成するかということを激論したのだろう。その結果、2015年にブロックチェーンビジネスをメインに据えた Fintech Global Consultants (以下、FGC)という会社を設立するに至った。

Fintech Global Consultants の設立

Fintech Global Consultants

エバンス氏:
FGCはキングスリーと私で設立したブロックチェーン及びフィンテックの導入支援を行う会社です。個人及び企業へのアドバイス業が主で、現在世界82カ国に6,400人以上の個人顧客、24社以上の法人顧客、東京・ソウル・ロンドン・ロサンゼルス等に支店があります。ブロックチェーンをどのように構築しビジネスとして展開するか、といったコンサルティングをしています。

金融業界に従事しながら、なぜブロックチェーンに?

エバンス氏:
ブロックチェーンのことは5年程前から知りました。キングスリーと出張を繰り返す中で、多くの人がブロックチェーンにより利益とチャンスを得ているということを知り、この技術の普及がどれだけ世の中を変えていくかということを目の当たりにしました。
そこからキングスリーと研究を始めましたが、当時ブロックチェーン業界はまだまだ幼児期で、情報も限られていました。業界が発展すると共に、我々のノウハウも蓄積されていきました。その頃ちょうど日本での普及も顕著になってきましたね。

ブロックチェーンは人々に平等な機会をもたらす

エバンス氏:
ブロックチェーンはおもしろく、エキサイティングだと感じます。
まず、大きなチャンス、変化の機会だと思います。どのような時代も、特定の業界が社会を変えます。我々の時はそれはインターネットでした。ブロックチェーンは新たなインターネットだと言って良いでしょう。人はいつも、あれをやれば良かった、これをやれば良かったと言いますが、つまりはやらなければならないのです。機会を得ようとしなかったら、機会を逃してしまいます。
ブロックチェーンはビジネスの面で大きな好機ですが、ユーザーの視点からもゲームチェンジャーになると思います。ブロックチェーンは情報やお金の支配権をネットワークの参加者に帰属させ、強固な民主主義をもたらします。銀行口座を持てない人でもスマートフォン一つでお金のやり取りが可能となり、人々に平等な機会をもたらします。これは今までの金融システムでは全くできなかったことであり、私も金融の専門家として、この技術の普及は大変重要なことであると感じています。

Tony Evans at Blockchain Conference

ブロックチェーンカンファレンスで登壇するエバンス氏(右から2番目)とキングスリー氏(中央)

Fintech Global Consultants はグローバルでありローカルである

エバンス氏:
FGCの特徴は、国際的なコンサルティング会社であるということです。人は一つの領域において専門的になろうとします。例えば、イギリスや日本にフォーカスしようとします。しかしインターネットは世界を小さくしています。我々は各国のパートナーと提携して、一つの地域に限らない、グローバルなビジネス展開を進めています。

人々はテクノロジーに注目しがちですが、我々は同時に古い伝統も重んじています。つまり、”人、ファイナンス、導入”といった部分です。
テクノロジーは人より早く進化します。携帯電話に関する最近の研究では、電話をするという行為は使用頻度でいうと6番目だそうです。1番目はインターネット、2番目はメール、3番目は写真、といった具合です。携帯電話が作られた当初は、その目的は話すためでしたが、今は話すという行為が変わっています。つまり、我々人間の進歩は技術よりも遅いのです。FGCは、このギャップを埋める架け橋になります。そして、テクノロジーの意味するところを人々に伝えます。なぜなら人々はその中身を知らないため、技術革新を恐るからです。我々は正しい理解をもたらすべくアドバイスやガイダンスを提供し、新たな市場に人々が参入しやすくします。

記者:FGCは法人顧客だけでなく、個人顧客も重視するグローバル企業なのですね。

エバンス氏:
一つ、キングスリーと私が共有している強い信念があります。それは、人に与えるということです。我々は他者のことを考えます。それがこの会社の大きな信念です。

記者:FGCが日本を拠点としている理由は何ですか?

エバンス氏:
それは我々が日本に住んでいるからですが、日本は暗号通貨やブロックチェーンの普及が進んでおり、世界でも最も導入されている国の一つです。
日本では、多くの外資系企業が参入しては撤退しますが、我々はここにいます。我々は日本で投資をして、ビジネスを展開しており、日本に繋がっています。言葉で飾るのは容易いことですが、行動は遥かに大きな意味を持ちます。これが我々の姿です。

ブロックチェーンは社会を民主化する

ブロックチェーンの普及により、世界はもっと自動化され、迅速化されるでしょう。インターネットは世界を小さく、パワフルなものにしました。私はブロックチェーンをインターネット2.0と呼んでいますが、これは物事をもっと”人々によるもの”にするでしょう。インターネットでは大企業がネットワークを所有し、情報をコントロールしてきました。ブロックチェーンでは人々が情報を管理し、その展開を決定し、利益も共有します。これは富を浸透させる上でとてもパワフルな方法です。物事を単純化し、容易に実行できるようにするからです。

記者:テクノロジーは社会をどう作り変えると思われますか?

エバンス氏:
社会はもっと”包括的”になるでしょう。起業家精神を持つ人が増えると思います。
しかし私が懸念することは、現実世界を生きる人が減るのではないかということです。今でも、多くの人がスマートフォンに没頭しています。例えばレストランで、おじいさんとお孫さんが座っているとします。しかしお孫さんはスマートフォンに没頭しています。これは良い光景ではありませんが、社会はこのように変化しています。

記者:未来の社会は良くなると思われますか?

エバンス氏:
それは難しい質問です。答えは出せませんが、社会とは今日の私たちの姿によって形作られるものです。日々の選択によって作られるもので、今日良いことは明日悪いことになるかもしれません。しかし同時にそれは、明日の社会はこれまでになかったものであることを証明します。未来の企業たちにパワフルなツールを与えてくれるでしょう。そこは私が楽しみにしている部分です。
私は楽観主義者でもあります。人類全体で見ると我々は決して後退することはないと信じています。なので、最終的に社会は良くなっていくのではないかと思います。

Tony Evans FGC

新事業「Blockchain Desk」を発足

FGCの新しい事業として、Blockchain Desk を発足しました。我々は様々なWebサービス(IT系ニュースメディア、ICOやSTOのリスティング、OTCのプラットフォーム等)を買収しており、ブロックチェーン及び先進技術を扱う一大プラットフォームを作っています。これを「Blockchain Desk」と命名しており、これまで培ってきたFGCの様々な専門性を一つのデジタルプラットフォームに組み込みます。
Blockchain Desk では、ICOやSTOを通じて企業に資金調達の場を提供する他、マーケティングや技術構築におけるアドバイザーの派遣、流動性の確保も行い、ブロックチェーンという新たな市場へのアクセスを提供します。個人のユーザーにおいては、ブロックチェーンやフィンテックに関する学びの場を提供します。人々はブロックチェーンに投資してみたいものの、得体が知れないことによる恐怖心があります。そこで我々は専門家が構成する各種オンラインコースや有料記事を提供し、ビギナーから上級者まで、人々のあらゆるニーズに応えたいと考えています。
しかし、Blockchain Desk の大きなパートはチャリティです。我々は他者に還元するということに大きな使命感を持っています。Blockchain Desk の収益の一部はチャリティに寄付します。
Blockchain Desk はオンライン上で、可能な限りサービスを自動化させるため、24時間回り続けるビジネスとなり、我々により良い収益性をもたらします。人間は素晴らしい生き物ですが、夜は眠らなければなりません。デジタル化により24時間ビジネスが回り続けることで、お金を生み、投資家達を満足させ、チャリティをサポートすることができ、ビジネスをさらに成長させることでもっと多くの人々を助けることができます。FGCの次のステップと言えますね。

多くの人に参加してもらい、経済を好転させたい

エバンス氏:
この絶好の機会に、より多くの人にブロックチェーンに関わってもらいたいです。
「上げ潮は全ての船を持ち上げる」という諺があります。海面が上がれば、全ての船が上昇するということですね。これが我々が信じていることです。多くの人を助ければ、さらに良い循環が起こります。これが我々の考えていることで、情熱がある所以です。

人を助けることに悪い側面なんてありません。多くの人を助けるに越したことはないのです。
人々を支援することで、次の起業家たちを生み出すことができます。彼らは私たちのことを覚えていて、いつか戻ってきてもくれるでしょう。私たちはそういう文化を創りたいのです。みんなで学び、お金を得て、互いの事業を助け合っていく。コミュニティやグループとして仕事をすることは、こうしたことを後押しします。
多くの人が1人でいます。我々はそういう人たちを巻き込みたいのです。

Tony Evans FGC

チャリティ活動は人生の命題

金融業界の第一線を歩み続けるエバンス氏だが、それと同じくらいチャリティ活動にも精を出す。エバンス氏にとってチャリティ活動は仕事と切り離せないものであり、人生の命題として取り組んでいることだ。こうした考え方をどのように実行に移しているのか、エバンス氏に聞いてみた。

記者:トニーさんは若い頃から多くのチャリティに関わっておられると聞きます。なぜチャリティ活動を支援されるのか教えていただけますか?

エバンス氏:
英国では、恵まれない者を支援するというのは若い世代にも染み込んでいる文化です。助けなければいけないのです。そのことに関する特別な授業があるわけではありません。皆、教会の活動や政府のプログラム、親や家族が行う活動を通じて、その事実を学びます。時間、お金、リソース、なんでも駆使して人を助けなければならないのです。

エバンス氏は私財を投入するだけでなく、会社の収益の一部をチャリティに寄付するというシステムも構築している。これは彼にとって特別なことではなく、自然な行いだという。実際にはどのようなチャリティを支援されているのかを聞いた。

エバンス氏:
多くのチャリティに関わっていますが、例えば Run For The Cure という、乳ガンをサポートする日本のチャリティでは理事も務めています。Shine on Kids というチャリティでは、ガンや白血病に苦しむ子ども達に緩和ケアを提供しています。Refugee International は難民に衣類や食料、奨学金等を提供しており、キングスリーから説明があると思いますがアフリカはナイジェリアで支援しているチャリティもあります。

記者:多くのチャリティに関わっておられるのですね。日本でのチャリティ活動は英国のそれと大きく異なりますか?

エバンス氏:
全ての文化は異なります。全ての文化は各々の習慣があり、日本と英国も異なります。そのため、私はここでなにかをジャッジすることはありませんが、私が見るに、人は他者を助けるとき、大義に捧げています。人は人であり、互いを助ける生き物です。

エバンス氏のご実家は英国はウェールズの貴族であり、富める者として、恵まれない者たちを代々支援してきたという歴史があるそうだ。多くを持つ立場にあるからこそ、人を助けなければならないという事実をまじまじと見てこられたのだろう。そんなエバンス氏のこれからの夢や目標を聞いた。

人の役に立てる人生にしたい

記者:トニーさんの夢や目標を教えていただけますか?

エバンス氏:
人生はとても短いものです。死んでも何も持って行けません。しかしレガシーを遺すことで、後世に思い出してもらえます。ここ東京には六本木ヒルズがありますが、森さんが亡くなられた後でも彼は思い出されます。アメリカにはJPモルガンやロックフェラーといった人たちがおり、彼らの名前はどこでも聞きます。未来のためにレガシーを遺したいのです。良い行いで思い出してもらえる人たちは少ないですが、それが我々のやろうとしていることです。
我々は人に還元できるビジネスを作りたいです。他のビジネスを助けられるビジネスです。なぜなら助けたら、思い出されるからです。私はこれを、友達、ブラザー、みんなでやりたいです。楽しくやりたいですね。人生は短いものですから、良い方法でこれを行いたいです。

日本は世界の先端にいる

エバンス氏:
世界は小さくなっています。そしてブロックチェーンは大きなチャンスです。この機会を恐れないでほしいです。インターネットは文化を変えました。そして日本はインターネットの先進地域です。日本人は既に世界の先端にいます。あなたの進むべき方向を進み続ければ、社会は花開くでしょう。ブロックチェーン業界において、世界中がアジアと日本に注目しています。日本は世界で唯一、ビットコインを法定通貨と同じレベルで規制している国です。世界を先導するのです。
先ほど、なぜ私が日本にいるのかと聞きましたね?私が日本で学んだことの一つは、日本はなにかをやると決めると、その道を突き進みます。私はこの部分が好きです。日本はブロックチェーンを受け入れ、発展させようとしています。
日本で影にいる必要はありません。あなたがもし世界とビジネスをしたいと思っているなら、そのために私たちはここにいます。共に一歩を踏み出して、世の中を変えていきましょう。

筆者まとめ

いかがだっただろうか。若くして大志を抱き、気鋭の金融マンとして突き進みながら、人を助けるという最も尊い想いを行動に移すトニー・エバンス氏。金融がもたらすものは人の生活に直結する。ブロックチェーンやチャリティ活動は業界を変える上での彼の大きな原動力なのだろう。
エバンス氏が思い描いている、共に助け合いながら発展する社会。このシンプルで大切な青写真を、私たちも今一度考えてみたい。

Tony Evans FGC

インタビュアー
Light Sudo
Dan Lundqvist

前編はこちら >> 世界の人々へ金融革命を!ブロックチェーンで人を繋ぐ FGC共同代表:トニー・エバンス氏|