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外食専門のM&Aサービス「NOREN」を通じて、業界に変革を吹き込んでいきたい

株式会社KSG 執行役員/Director 中塚 進悟

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外食・飲食のM&Aとは、「のれん」を後世につないでいくこと

「のれん」とは、ブランドです。
「のれん」とは、会計上の企業価値でもあります。
想いの詰まったのれんをたたむのはもったいない。
その想い、KSGがつなぎます。

のれんが傷ついたのであれば、それを繕う。
のれんをたたむぐらいなら、その価値を活かせる会社につなぐ。
そうして、のれんは価値を高めながら、後世に受け継がれていく。

KSGが「のれんの仲人」になります。

これは、M&Aアドバイザリーや企業再生などの事業を手掛ける株式会社KSG(東京都港区、代表取締役・眞藤 健一氏)が、新たに立ち上げた外食専門M&Aサービス「NOREN」の事業理念だ。「のれんをつなぐ」という言葉に、従来からのM&Aのイメージを打破しようとするKSGの強い意志・覚悟を感じる。これを書き上げたのは、新サービスの発起人であり運営責任者でもある中塚 進悟氏。業界で大きな話題になったコンセプト居酒屋の事業譲渡やラーメンチェーンの株式譲渡など、外食業界でビッグディールを次々と成約させ旋風をもたらしてきた、外食業界を代表する若手M&Aアドバイザーだ。

「私自身、新サービスのネーミングやコンセプトを頭がちぎれるくらい考えました。100以上のアイディアを出し、その中から我々がこれまでクライアント様から評価されてきた特徴・強みに絞る「引き算」をしていきました。とことん突き詰めた結果、『のれんをつなぐ』という言葉にたどり着いたのです。言葉が降ってきた瞬間、「これだ」と思いましたね。数百年続く伝統の中に、無数の人の想いが込められていて、後世に残していくべき文化。どこかレトロ感があり、それでいて「今っぽい」。外食業界のトレンドにも合っている。さらに、M&Aに関わる会計上の企業価値を表す言葉でもある。まさに、私が理想とするM&A「古き良きを新しく」の世界観。これってカッコ良いなと感じました。

すぐに事業理念とベースコンセプトに着手し、一晩で書き上げました。それからWEBサイトや各種ツールの作成に入っていったのですが、これがまた相当に苦労しました(笑)ただ私の中では、『のれんをつなぐ』と言う言葉に辿りついた時点で、すでに5合目まで登っていた感覚がありました」

「NOREN」は、KSGでは初となる業界特化型のM&Aサービス。中塚氏が、それをリリースしたいと思った意図はどこにあったのであろうか。

「私はこれまで、『外食企業にM&Aという経営手段を提供したい』という想いで取り組んできました。弊社なら家主交渉や飲食店の実態に合った価値算定もできるため、これまで数多くのオーナー様にご依頼頂いてきました。皆さん沢山の悩みをお持ちなのですが、友達は多くても、自社の数字をさらけ出して相談できる相手がいない。本当にそういうマーケットだと気付き、少しでも貢献できればと考えました。オーナー様が経営判断に困った時、真っ先に思い浮かべる相談相手。その第一人者になろうと決意しました。」

もう一点、中塚氏が挙げたのは、飲食店ビジネスそのものが持つ業態特性に対するアンチテーゼともいえる。

「立ち上げやすく閉め易いという課題を持つ飲食ビジネスを、世代を超えて続くものにしたい。様々な方の力を借りて業態を世に送り出したからには、少しでも長く続けていく責任がある。日々頑張っている従業員はもちろん、ステークホルダーや常連様もいるのに、オーナーだけの都合で簡単に終わらせていいものじゃない。

これって単純に「オーナーのM&A」だけを考えていたら、おざなりになる部分。NORENが目指すM&Aは、例えオーナーが変わったとしても、会社・事業・人をつないでいく『業態のM&A』です。」

NORENがメインに提供していくのは、外食専門のM&Aコンサルティングサービスだ。具体的には、売手、買手双方にとって最大の価値となるシナジーを創出するための価値算定、ストラクチャーの策定、各種契約先との交渉支援、会社・事業譲渡の手続き代行などを通じて、M&Aの実現をサポートしていく。また、今後は店舗リーシングやファイナンス支援など、NORENブランドを多角的に広げていく予定だ。

 

飲食店のM&Aを成功へと導く、NORENならではの3つの優位性

そうしたサービスを支えるNORENならではの強み、優位性はどこにあるのだろうか。中塚氏は以下の三点を強調する。

「まず一点目は、不動産に関する専門性です。これは飲食店のM&Aにおいて非常に重要なファクターです。私たちは不動産免許と専門的なチームを有しています。家主との交渉の矢面に立てるM&Aアドバイザリー会社は他にはなかなかありません。実はここが最もディールブレイクしやすい部分です。二点目は、豊富な実績と多様なストラクチャーを持っていることです。単純な株式・事業譲渡ではなく、会社分割、株式交換、SPC(特別目的会社)を用いたかなりドラスティックなストラクチャーも組み立ててきました。売って終わりではなく、売り主が売却後も見守っていくという契約も組み立てました。これは、買い手にとってものすごく安心感になっています。三点目は、外食M&Aのプロならではの企業価値算定手法です。いまM&A業界には画一的な計算式で出されたバリエーションが横行しています。それでは、実態の価値にそぐわず、マーケットプライスがいびつになりがちです。財務だけでなく、業態や立地、スタッフなどのポテンシャルや成長性といった価値を正しく評価する人がなかなかいないと分かりました。NORENが目指すのは、売手、買手双方にとって最大の価値となる算定に基づくM&A。我々がその先頭を走っていく覚悟です」

 

“攻めのM&Aアドバイザー”を目指す中塚氏の原点とは

KSGが培ってきた強みをより際立たせ、外食・飲食業界に攻めのM&Aを仕掛けていこうとしている中塚氏だが、そもそもM&Aアドバイザーを目指したきっかけは何であったのかが気になる。

「作家の真山仁氏が執筆した『ハゲタカ』の小説とNHKで放送されたドラマが大好きで、DVDも刷り切れるほど見ました。100回は見てますね(笑)。重要な場面の台詞はほとんど覚えているくらいです。主人公・鷲津雅彦が大きな挫折を経て成長していくストーリーに興奮しましたし、それぞれの登場人物に光と影の部分が存在するのも印象的でした。これって人間の心理を反映しているなと感じました。『ハゲタカ』を通じて、企業がどう成長していくのか、時には破綻したり、そこからV字回復していく様に強い興味を持ちました。作品に出合った当時は血気盛んな大学生で『成り上がってやろう』という気持ちを持っていました。その頃に出会ったのがKSGの代表・眞藤だったんです。色々想いを伝えた時に『俺が面倒を見てやる』と言われ、『この人についていこう』と決心しました」

KSGに入社以来、中塚氏がM&Aアドバイザーとして貫いてきたポリシーが二つあるという。それは今でも変わっていない。

「一つは、企業のオーナー様に言いにくいことを言ってくることです。ダメなことはダメとはっきり言って差し上げる。これができないとアドバイザーとしての資格はないと考えています。耳障りの良い言葉で仕事は取れるかもしれませんが、結局ディールが成立しなかったということがよくあります。これでは、オーナーさんも不幸です。もう一つは売り手、買い手のシナジーを本当の意味で考えてあげることです。お互いにとってWin-WinでなければM&A後もうまくいかない。ここを考えて提案できることが僕らの価値ですし、そのシナジーを最大限引き出せることがM&Aアドバイザーの存在意義であると思っています」

M&Aにより価値ある企業づくり、地方の活性化に挑む

中塚氏は現在34歳。同世代の、主に30~40代の主要な飲食店経営者とも日々親交を深めるなか、NORENを通じて今後何を実現していきたいのであろうか。

「M&Aという選択肢を全国の飲食店オーナーに伝えていきたいですね。正しく評価されるお店が増えてくると店の作り方から変わってくるはずです。企業の作り方も変わります。IPOを目指すにしろ、非上場のまま企業価値を高めていくにしろ、それぞれに合ったやり方がある。それをお伝えし、カタチにしていくご支援をしたいと思っています。もう一点は、食とM&Aを通して地方を活性化させたいですね。実は、M&Aは地方の方がポテンシャルがあるんです。地方の良いものを都心に発信していく。都心の良いものを地方に発信していく。その両方に、M&Aは有効な手法ですから。実際、地方には有力企業、知られざる優良企業が沢山あります。人知れず埋もれさせるのはもったい無さすぎます」

ベンチャー経営者とも肩肘張らずにM&Aを語り合い、模索したい

中塚氏は、NORENの存在を知ってもらうために、いわゆる『第五世代』と呼ばれる20~30代の若手ベンチャー経営者にも積極的に会っていきたいという。今すぐM&Aをする、しないに関わらず、今後どうすれば会社を伸ばしていけるかも、本音ベースで語りたいと語る。

「資金に困っているとか。どうやって会社を経営していけば良いのか。こういうリソースが足りていないとか、色々なお困りごとがあると思います。組織再編、ファイナンス、不動産など、M&Aの周辺にあることであれば、僕らはご相談を受けられます。ディールとして進まない限り費用も頂きません。全国どこへでも行きますよ。その際には、変に構えないで頂きたい。肩の力を抜くくらいでちょうど良いんです。私はあくまで、本音で話せる相手でいたいと思います。M&Aのプロである以上に「困った時の相談相手」というポジショニングは外したくありません。その方が、飲食オーナーさんも安心して相談いただけるのではないかと思っています」

自らが“のれんの仲人”となり、外食業界の変革を目指す中塚氏。その挑戦の行方にこれからも注目していきたい。