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新規事業担当者必見!ビジネス分析フレームワーク「PEST分析」とは?事例を交えて紹介します。

  • feedy

新規事業を立案するにあたって、ただ闇雲に自己流で行うのではなく、フレームワークを用いて分析し、事業を成長できそうか否かを判断することはとても大切です。

今回は数あるフレームワークの中から、『PEST分析』という分析を紹介します。

この記事はBatteryからの引用です。

PEST分析とは?

PEST分析とは、世の中の流れを、

  1. 政治(Politics)
  2. 経済(Economy)
  3. 社会(Society)
  4. 技術(Technology)

という4つの視点から分析し、事業戦略や市場のニーズの把握を計る手法のことです。4つのワードの頭文字をとって、PEST分析と言われています。

一人一人の顧客の動向を分析したり、1サービスの細かいところを分析するような「ミクロ」な分析とは対照的に、PEST分析は、国の制度や全体的なマーケット市場を網羅的に見る「マクロ」なフレームワークと言ってもいいでしょう。

では、それぞれどのような視点を持って分析を行えばいいのでしょうか?

政治(Politics)

法律/条例を犯していないか、産業活動における規制は縮小(あるいは緩和)されているのか、海外に展開などを考える際に、展開先の国の政治情勢はどうなっているのか、などの政治にまつわる様々なことを分析することです。

例えば、インターネットに関する政府の認識は国によって違います。ITを使ったビジネスを事業としている企業が海外展開をする際に調べることは必須といっても過言ではないでしょう。

経済(Economy)

分析対象とする国・地域の経済成長率/金利/為替/消費動向/物価、などの情報をリサーチ/分析することです。

もちろん、これらも国ごとに違います。アイディアのところだけではなく、収益面を考える際に、国にまつわる経済の情報は必須になるでしょう。

社会(Society)

少し「P」の政治と似ているところもあるかもしれませんが、対象とする国/地域が信仰している宗教、食文化、人口が増加/減少しているのか、トレンド、社会問題、などを分析することです。

極端な例になりますが、豚肉のビジネスを海外展開する際に、豚肉を食べない宗教が国教となっている国についてリサーチする大切さは想像が付くと思います。

日本国内でも同じです。現在どのような社会問題が発生しているのかを分析する事は、自社のビジネスを加速させる大きな要因の一つになるでしょう。

技術(Technology)

どのような技術、特許、イノベーションが存在しているのか(最近でいうと、各国のAIの導入率/キャッシュレス普及率など)を分析することです。また、新技術への特許などの情報をリサーチすることも、こちらの「T」に含まれると言っていいでしょう。

PEST分析の実例

実際に生まれた事業をPEST分析してみたいと思います。

BuzzCast[株式会社メタップス]

金融×ITを軸とした様々な事業を展開している同社は、2015年10月に中国においてでオンライン上でのインフルエンサーを活用し、PRの促進を図ることを目的とした、「BuzzCast(バズキャスト)」の提供を開始しました。

同サービスは、ファッション/美容/健康などの各ジャンルで発進力のあるインフルエンサーをデータベース化させ、SNSや動画を用いてPRをする内容となっています。

現在中国では、インターネット利用者は6億8000万人、スマートファン経由でネットを利用するユーザーは5億6400万人に登ると言われており、SNS/オンライン動画の利用が若年層を中心に広がり、口コミが消費に大きな影響を持っています。

しかし、現在の日本企業は依然として国内を中心とした事業展開/マーケティングを行っている企業が多いというのが現状となっています。

上記の事実を汲み取った同社は、自社の中国にある子会社を通して培った技術や人脈を駆使し、今回のサービスをローンチする結果に至りました。

上記の事実をもとに、メタップス社のPEST分析を行うと、

P:中国政府のネット規制

今回の事例の中にはPにまつわる記述はありませんが、現在中国ではネットに対する規制が敷かれている状況であり、今後どのように変わっていくかは予想ができない状態です。

ゆえにしっかりと規制にまつわる政策の情報を仕入れ、法を犯さない確実な事業展開が求められるでしょう。

E:巨大なマーケット市場、日本の総人口より多いネットユーザー

中国は、言わずと知れた世界1位の人口という巨大なマーケット市場です。事実としてインターネット利用者は6億8000万人、スマートフォン経由でネットを利用するユーザーは5億6400万人であり、日本の人口より多い状態です。

S:中国における若者のSNS普及率、購入動機

現在中国では、若年層におけるSNS/オンライン動画の利用が拡大しており、口コミやインフルエンサーの発言や、勧める商品の影響がとても大きい状態となっています。

T:ECサイトの台頭、SNS活用した広告

中国だけではなく日本でも、広告の手法がデジタルにシフトしている傾向にあります。さらにリアル店舗ではなく、ECサイトなどを用いて商品の購入をする人も増えています。また、インフルエンサーマーケティングという、SNSの普及と共に新しいマーケケティング手法も生まれました。

このようにPEST分析をしてみると、今回のBuzzCastがいかにして事業を成長させてきたのかが見て取れます。

まとめ -グローバル展開で特に重要視されるPEST分析

もちろん日本国内でのビジネスにおけるPEST分析も大切ですが、今回の事例のように、越境ビジネスを行おうとする際は特にPEST分析が大切です。

仮に日本国内で根付いたビジネスの価値観を、そのまま宗教や経済成長率が違う他国に持っていったとしても、上手く行くことは難しいのかもしれません。スムーズにビジネスを行う為にも、事前準備としてPEST分析を行うことは大きな意味をもたらすでしょう。

引用

メタップス、中国でインフルエンサーネットワーク 「BuzzCast(バズキャスト)」を開始 インバウンド需要に備えた日本企業の中国でのマーケティングを支援[metaps]