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富士フイルム再生医療ベンチャーのサイフューズ社へ390百万円出資

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富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:助野 健児)は、細胞を立体的に積層する技術を活用した再生医療製品の実用化を目指す、再生医療ベンチャーの株式会社サイフューズ (所在地:東京都文京区、代表取締役社長:川野 隆清)と、同社の第三者割当増資を引き受け、390百万円を出資する契約を締結した事を発表した。
11月10日に出資手続きを完了となる。また、今回の出資にあたり、同社と再生医療製品の開発・製造受託に関する業務提携契約も締結している。

今回の資本・業務提携により、サイフューズが開発した、細胞の積層化による立体組織の作製技術・ノウハウへのアクセス、さらにはその応用展開を図り、自社再生医療製品の研究開発を加速させていく。また、同社が開発を進めている再生医療製品の細胞培養のプロセス開発や立体組織の作製、薬事コンサルティングを受託し、再生医療製品の開発・製造受託事業を拡大させていく。

現在、細胞を活用した治療の実現に向けて、疾患に応じた最適な投与方法が検討され、その研究開発が進められている。なかでも、細胞から立体組織を作製して患者に移植する手法は、細胞のみの投与と比べて、より幅広い疾患で高い治療効果が期待できることから、立体組織の作製技術に対する関心が高まっている。

サイフューズは、生きた細胞を任意の形に積層し立体組織を作製する、独自のプラットフォーム技術を確立。すでに、本技術を自動化した三次元細胞積層システム機器「Regenova®」(細胞用3Dプリンター)を開発し、国内外のアカデミアを中心に販売している。また本技術を活用して、骨軟骨、血管、神経の領域で再生医療製品の開発を進めている。

富士フイルムは、写真フィルムで培ったコラーゲン技術を活用して、細胞培養に適した同社独自の足場材「リコンビナントペプチド(RCP)」を開発した。これまでに、「RCP」のマイクロサイズのペタロイド状微細片を用いて三次元細胞構造体「CellSaic(セルザイク)」(*1)を作製し、構造体内部の細胞の生存率を大幅に高めることに成功している。

富士フイルムは、今回の資本・業務提携を通じて、サイフューズの独自技術・ノウハウにアクセスし、自社の再生医療製品への応用展開を図っていく。

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以下、富士フィルム社より引用

具体的には、サイフューズが開発した、細胞の積層化による立体組織の作製技術・ノウハウを活用して、「セルザイク」を任意の形に積層し、より複雑な形状の立体組織を効率的に作製することに取り組むとともに、作製した立体組織を用いて自社再生医療製品の研究開発を加速させていきます。また、グループ会社で日本初の再生医療製品を開発・上市した株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下、J-TEC)で、サイフューズが開発を進める再生医療製品の開発・製造を受託し、事業拡大を進めていきます。

富士フイルムは、長年の写真フィルムの研究で培ってきた高機能素材技術やエンジニアリング技術と、J-TECの治療用細胞の生産技術、米国Cellular Dynamics International, Inc.(セルラー・ダイナミクス・インターナショナル)の世界トップのiPS細胞関連技術・ノウハウ、和光純薬工業の培地技術を融合し、自社再生医療製品の研究開発を加速させるとともに、再生医療製品の開発・製造受託や培地の事業拡大を図ることで、再生医療の産業化に貢献していきます。
*1 細胞と足場材を組み合わせた、モザイク状の三次元細胞構造体。Cell and Scaffold, forming Mosaicのcellと、Mosaicのsaicを合わせた造語。

<サイフューズ社の概要>
社名 株式会社サイフューズ
社長 川野 隆清
所在地 (本社) 東京都文京区本郷7-3-1東京大学アントレプレナープラザ
設立 2010年8月11日
資本金 100百万円
事業内容 再生医療製品の研究・開発・製造・販売