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ゲーム感覚で行えるVRリハビリとは?【事例を5つ紹介】

  • feedy

この記事はLipronextからの転載です。

病気の治療において重要な役割を果たすリハビリテーション。

 

近年ではその方法も多様化しています。

 

その中でもリハビリにVRを導入する事例が顕著に増えています。リハビリにゲーム要素を取り入れ、リハビリそのものを楽しく行おうという取り組みです。

 

VRを用いたリハビリは、一般的に知られている障害箇所の機能回復はもちろんのこと、日常生活に必要な反復動作の実践、認知機能の回復、言語機能の回復といった、あらゆる目的に対して活用されています。

 

今回は、VRを活用した「ゲーム感覚で楽しめる新しいリハビリ」について5つの事例をご紹介します。

VRリハビリをゲーム感覚にするメリットとは?

そもそも、なぜリハビリにゲーム要素が取り入れられているのでしょうか。

 

それは、リハビリは飽きや苦痛を伴うものだからです。

 

リハビリでは脳や体に動作を覚えさせるために反復動作を行います。反復動作は同じ動きの繰り返しとなるため患者にとっては飽きが来ます。自分にとって辛いと思われる動作であれば苦痛にさえ感じてしまいます。

 

こうした飽きや苦痛を無くすため、リハビリにゲーム要素を取り入れることは極めて重要です。患者自身が楽しみながらリハビリを行うことで主体性を促し、早期の機能回復を図ることが期待できるためです。

 

さらに、VRであればリハビリを受ける患者に応じて個々にプログラムを提供することができます。実施したリハビリ結果をデータとして保持することが出来るため、リハビリの進捗状況に応じて柔軟な対応が可能となるのです。

 

VR×リハビリの事例5選

 

mediVRカグラ

 

 

株式会社mediVRによって提供されている自力運動訓練装置です。

 

VRゴーグルを装着して仮想空間内の様々な観光地を散策します。実際に名所を訪れるような感覚を楽しみながら訓練を行います

 

観光地巡りを通した歩行訓練の他にも、腕の基本動作、反射動作を繰り返し行う訓練にも使用されます。

 

mediVRでは水戸黄門ゲームという反射的に印籠を差し出すコンテンツが提供されています。

 

腰に手を回し、悪者が出てきた時に印籠を取り出すというユニークなリハビリです。このリハビリによって、腕の動きを回復させるだけでなく反射神経を養うこともできます。

 

■mediVR公式サイトはこちら

 

リハまる

 

株式会社テクリコによって提供されているリハビリ用コンテンツです。

 

VRを使用したリハビリのうち、「理学療法」、「作業療法」、「ミラー療法」で使用するコンテンツを提供しています。それぞれ、「脳トレリハビリアプリ」、「身体を動かす!運動リハビリアプリ」、「ミラーリングアプリ」と呼ばれています。

 

「脳トレリハビリアプリ」では、空間上に表示された数字がどこにあるのか探します。

 

「身体を動かす!運動リハビリアプリ」は理学療法に基づくリハビリを行う際に使用されます。仮想空間上に舞い散る紙吹雪を手に持ったコップですくうことで上肢を動かし、障害がある箇所の回復に努めます。

 

「ミラーリングアプリ」は片麻痺を起こした上肢、下肢のリハビリに用います。通常、片麻痺のリハビリを行う場合には自分の上肢、下肢を鏡に映して行います。左右対称に同じ動きをしているか確認するためです。

 

指先、手首であれば卓上サイズの鏡で十分ですが、腕、足のリハビリを行う場合には大きな鏡が必要となります。体全体を映す必要があるからです。そのため、リハビリを行うためにはある程度のスペースが必要となります。時には専用の部屋を用意しなければならない場合もあります。

 

しかし、「ミラーリングアプリ」を用いればこうした大掛かりな設備は不要です。つまり、鏡が無い場所でもリハビリを行うことが可能となるのです。

 

■リハまる公式サイトはこちら

 

emou

 

 

株式会社ジョリーグッドが提供するVRリハビリ用コンテンツです。

 

このアプリケーションは発達障害者向けのリハビリに使用されています。ソーシャルスキルトレーニングを行う際にVRゴーグルを装着し、仮想空間内で人とのかかわり方、自分の身の回りのルールについて学習していきます。

 

ソーシャルスキルトレーニングでは自分が遭遇する場面の全体を見て物事を判断することが重要です。通常のトレーニングの場合、ロールプレイする相手は療法士だけになります。周囲の状況についてロールプレイできないという欠点があります。

 

しかし、VRであれば、仮想空間上で遭遇する場面全体を体験することができ、より実社会に近い形でトレーニングを行うことが出来ます。

 

なお、emouに関しては基礎的な学習の他、就労移行支援にも活用されています。

 

■emou公式サイトはこちら

 

MindMotion

 

 

MindMaze社によって提供されているリハビリテーション療養システムです。脳卒中により手足の運動機能が麻痺した患者に対して行われる「神経リハビリテーション」で活用されています。

 

MindMaze社からは「MindMotion PRO」、「MindMotion GO」という二種類のリハビリ用機器が提供されています。

 

この製品に関しては、VRゴーグルを装着するタイプとは違い、患者の手の部分をモーションキャプチャで取り込みモニターに仮想空間と手の動きを映し出すようになっています。こうすることで、療法士、患者双方が動きを確認しながらリハビリを行うことができます。

 

■MindMotion公式サイトはこちら

 

Floreo

 

 

Floreo社によって開発された、自閉症を持つ子供向けの教育用コンテンツです。VRゴーグルを装着しゲーム感覚で人とのかかわり方、生活上のルールを学びます。

 

特筆すべきはそのコンテンツの多さで、自閉症用プログラムは6モジュール存在し、1モジュールあたり5~6レッスンあります。合計すると34レッスンものコンテンツとなります。

 

各コンテンツはシチュエーション別に分かれています。例えば横断歩道での立ち振る舞い、学校での会話、教室でのルール、カフェテリアでの会話、外出時に警察官に声を掛けられたら、といった具合に具体的な場面を想定したレッスンを受けることが出来ます

 

■Floreo公式サイトはこちら

 

まとめ:VRを使用してリハビリを楽しく有意義なものへ

 

いかがだったでしょうか?

 

リハビリ分野においてもVRが活用されていることについておわかりいただけたかと思います。

 

こうした飽きの来ないゲーム感覚で行えるコンテンツは、今後益々増えていくものと予想されます。

 

日本におけるVRリハビリの現状を見ると、残念ながら欧米に比べると出遅れ感があることは否めません。しかしながら、近年では国内でもこうした取り組みが本格化しています。学術レベルのみならず企業レベルにおいてもハード、ソフト両面の研究、開発が急速に進んでいます。

 

さらに研究が進めば複数参加型のVRリハビリが登場するかもしれません。そうなれば患者、療養士のみならず、患者同士のコミュニケーションも可能となるでしょう。患者同士が励まし合うことでリハビリへのモチベーションが上がり、更なる相乗効果が期待できます。

 

今後のリハビリ分野へのVR活用に目が離せません。