独立に際しては2人の部下を誘い入れた。この陣容が同社の強みである。渋谷氏と同様に2人も現場経験者で、ホールでのアルバイトから始まり、現金取り扱いの役職者・店長・エリアマネージャーなどの職位を経験している。ホール経営の機微に通じ、理論先行のコンサルタントとは一線を画しているのだ。
渋谷氏は「当社のメンバーは現場を知っているので、クライアントの状況に応じた現実的なサポートができます」と自負する。
事業内容はおもに経営・営業支援と人財育成支援である。
経営・営業支援の対象は
①新規物件の調達・投資回収までの提案
②遊技顧客分析・近隣店調査・営業数値予測・工事費用予算計画作成
③オープン関連営業計画・オープン機種計画・オープン前販促
④機種構成チェック・営業力強化
⑤機械購入サポート・中古機調整。
一方、人財育成支援では、法務、計数管理、ホール経営、職場風土改善、店長候補育成、職位別研修、女性活躍推進、障害者雇用、リスク管理などをサポートしている。
パチンコホール業界は一部の大手を除けば「適切は言い方ではないかもしれませんが、どんぶり勘定から脱し切れていません」(渋谷氏)。同社がクライアントに対して、まず実施するのは経費使途の改善である。ホール経営の“三大経費”である人件費、機械設置費、広告宣伝費で経費の60%近く占めるが、たとえば年間経費が10億円の場合、その経費を投じて12~13億円を回収できるのかどうか。この観点から経費使途を改善している。
経済ジャーナリスト
小野 貴史