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熱中の肖像

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大企業との提携、 IPOで信用獲得、 成長に弾みをつける / 熱中の肖像 インタビュー後編

株式会社クラウドワークス 代表取締役社長/CEO 吉田 浩一郎

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個人事業主の与信管理データベースの構築を目指す

新会社を起こすのに、吉田社長は残りの全財産をつぎ込んだというが、それだけでなく、外部から出資を募ることにして、投資家の元を行脚した。

「第1の創業のときは、自己資金と公的金融機関からの融資でまかないました。自分で好きなようにお金を使えますが、大きな欠点があります。それは、どうしても独りよがりの事業になってしまうことです。間違ったことをしても、自己批判して軌道修正するのが難しい。それに対して、投資家は、事業計画に納得しなければ出資しないし、事業内容を冷静に判断して、間違ったことをすれば、経営者に厳しく注文をつけてきます。お目付け役として、ありがたい存在なんです」

実は、クラウドソーシング事業に乗り出したのも、出資してくれたサイバーエージェントから、有望なITビジネスとして勧められたのがきっかけだったという。

吉田社長は、クラウドソーシングという生まれ立ての事業を育てるため、大企業との関係強化に力を注いだ。

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「日本のビジネス社会では、大企業の信用は絶大です。海の物か山の物かわからないベンチャーを確実に成功させたいなら、まず大企業からお墨付きを得ることですね」

サイバーエージェントをはじめ、電通、テレビ東京、ベネッセコーポレーションなどと矢継ぎ早に提携。名だたる大企業をクライアントとして取り込んだのもその一環だ。14年12月には、早くもマザーズ上場を果たしているが、「社会的信用を得るのが最大の目的でした」。とりわけ、伊藤忠商事グループが第三者割当増資に応じてくれたのが大きいという。それ以降、クラウドワークスの信用は一段と高まり、サイトの利用に弾みがついた。

現在、総契約額(会員が得た報酬の総計)は20億円規模だが、早期にこれを100億円規模まで拡大させるのが、吉田社長にとっての最大の目標だ。そこで、既存会員がより快適にサービスを利用していただくとともに、新規会員の獲得も目指し、10月には、タスク形式の仕事の手数料無料化に踏み切った。実は、クラウドワークスは上場以降も赤字が続いているのだが、出血覚悟で追加の先行投資をしている。それには壮大な狙いがあるからだ。

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「サイトに蓄積された個人事業主の業務経歴、クライアントからの評価といった情報を、データベース化したいんです。法人の与信管理には、登記簿や調査機関のデータベースなどが活用できますが、個人の与信管理ツールは今のところ、ないんですね。クラウドワークスのデータベースができれば、新しい社会インフラになると考えています」

吉田社長は、「上場はゴールではなく、通過点に過ぎない」と、自戒を込めて力説する。

「例えば、マザーズ上場企業は約200社ありますが、その中で時価総額が1000億円を超えている企業はたった2%だそうです。それなりの業績を挙げている企業も多いはずですが、社会からの評価は高くない、やるべきことが多いということです。僕の場合、上場してみたら、やるべきことが山のように見えてきてしまったのが実感ですね。光武帝(古代中国の皇帝)が言った『志ある者は事ついに成る』を座右の銘にしているのですが、企業は、経営者の志が小さければ、小さいままで終わってしまう。経営者は、大きな志を抱いて、まだ見ぬ高みを目指してチャレンジしなければならないと考えています」

インタビュアー:KSG ヴァイスプレジデント 後藤 哲侍

前編はこちら >> 最初の起業に失敗、「仕事で人の役に立とう」と再出発 / 熱中の肖像 インタビュー前編

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