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世界初“3Dロボットビジョンシステム”開発・販売の三次元メディア、産業革新機構などから総額11億円の資金調達決定

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産業革新機構(以下「INCJ」)とスパークス・グループ※、及び三菱UFJキャピタルは、世界初の3Dロボットビジョンシステムを開発・販売する、三次元メディアの第三者割当増資を引き受け、新たな研究開発投資、販売体制強化など同社の今後の成長資金として、INCJが8億円、スパークスが2.5億円、三菱UFJキャピタルが5000万円を上限とする出資を行うことを決定した。

※スパークス・グループ株式会社が管理・運営する投資ファンド、未来創生ファンドから出資。

工場の生産現場でよく目にする、ばら積みされた加工対象物から一つずつピッキングする作業(ばら積みピッキング)は、これまで、既定の動きしかできないロボットでは対応できず、人手に頼らざるを得ませんでした。しかし、単純作業で労働負荷が高いことから、ロボットによる自動化へのニーズは長年高まっていました。

さらに、新興国における労働単価の上昇や製品ライフサイクルの短縮化による多品種・少量化に伴い、ばら積みピッキングの自動化ニーズは、今後より一層高まる傾向にあります。

立命館大学発の第1号ベンチャーである三次元メディアは、経済産業省サポーティングインダストリー※1事業の支援を受けて、2011年に世界で初めて産業用ロボットに取り付ける、3Dロボットビジョンシステム「TVS1.0」を開発・発売。当システムによって、事前に設定された動作しかできなかったロボットが、「目」と「脳」の機能を持つことで自動的に加工対象物の位置・姿勢を認識できるようになり、世界初の「ばら積みピッキング」の自動化を実現した。その後、NEDO※2の支援を受けて、独自開発アルゴリズムとハードウェアの組合せにより、従来のセンサーでは認識が困難であった黒色、半透明、光沢部品などに対する高精度かつ高速度な画像認識を可能としている。さらに2014年に開発・販売した「TVS3.0シリーズ」では、輪郭計測と点群計測を併用することでより安定した画像認識を実現している。

2016年3月現在、自動車業界や電機業界など産業界における販売台数は累計で130台超、生産ラインで実稼働している台数も30台を超え、急速に増加しています。

※1 サポーティングインダストリー事業:経済産業省による戦略的基盤技術高度化支援事業
※2 NEDO:国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

三次元メディアは、今回の出資を活用して量産化に向けた更なる技術開発および販売体制の強化を目指す。具体的には、2016年夏までに東京に研究開発拠点を開設し、2017年には知能ロボット研究所を開設する予定。同時に海外販売サービス体制を構築し、これらの事業を推進する人材採用にも注力する。将来的には、国内外のロボットメーカーと連携した新製品の開発、システムの小型軽量化、積極的な海外への展開なども見据えている。