これまで事業用クレジットカードの利用機会がなかった個人事業主や中小企業が「freee カード」を利用することによって、経費精算や仕入れなど現金取引のキャッシュレス化につながり、バックオフィス業務の効率化や経営状況の可視化を実現する。なお、クラウド会計ソフト運営会社による提携クレジットカードの発行は業界初の取組み(注1となる。事業用クレジットカードの発行手続きは煩雑で時間がかかるだけでなく、申込時に設立年数を条件にするケースもあることから、開業直後の個人事業主や新設法人にとって発行自体が困難なケースは少なくない。そこで、freee株式会社とライフカード株式会社は2017年3月に業務提携を開始し、国内初で法人登記や開業申請データを活用した事業用クレジットカードの申込施策を実施してきた(注2。一方で、日本は新設当初に限らず、中小企業や個人事業主向けの事業用クレジットカードの普及率(注3は低いのが現状である。その原因として、大企業に比べて財務データを正確かつリアルタイムに作成することができず、クレジットカード会社の審査に必要な情報を集める手段がなく、信用力の低さからカードの発行自体が困難であることが挙げられる。加えて、日本の中小企業や個人事業主が事業用クレジットカードを保有していない理由(注3に、「特に理由はない」「勧誘を受けたことがない」「存在を知らなかった」など事業用クレジットカードに対する知名度の低さも課題となっている。以上の結果、経費精算や仕入れの際に現金取引がメインの決済手段になり、世界的に見ても日本のスモールビジネスのキャッシュレス化が遅れている(注4一因と考えられ、現金取引による会計データの記録・転記作業が頻繁に発生するなどバックオフィス業務の生産性の低さにつながっていた。このような問題点を解決するため、free株式会社eとライフカード株式会社は「クラウド会計ソフト freee」上の会計データを、(ユーザーの同意に基づき)ライフカードの審査資料に提供することで、個人事業主や中小企業の従業員向けに事業用クレジットカードを導入しやすい仕組みを導入した「freeeカード」を共同で開発した。注1:2017年7月 同社調べ注2:同社プレスリリース https://corp.freee.co.jp/news/lifecard_0302-6080.html注3:ビザ・ワールドワイド http://www.visa.co.jp/aboutvisa/mediacenter/NR_JP_081216.html注4:経済産業省「FinTech ビジョンについて」の「キャッシュレス決済比率」 http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/pdf/20170508001_2.pdf