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特集 新素材

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【独占取材】TBM、ラクスルで新素材LIMEXの新製品を販売開始

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石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず、紙やプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役:山﨑敦義)は、印刷ECサービスを手がけるラクスル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:松本恭攝)のECサイト内において、3月13日よりLIMEXの名刺、そして4月以降(予定)、LIMEXの新製品(フライヤー、ポスター)の販売を開始する事を発表した。

TBMは、2015年に、新素材LIMEXを生産する第1号プラント(宮城県白石市)を完成。2016年、シリコンバレーの3大アクセラレーターの1つである、Plug and Playにおいて年間を通して、「世の中に最も社会的影響を与える企業-ソーシャルインパクトアワード」を受賞。東京大学とのライフサイクルアセスメントに関する共同研究を進めながら、LIMEX製品の実用化に向けて、大手事業会社と共同開発等のパートナーシップを進めてきた。

一方、ラクスルは、ファブレス型ネット印刷「ラクスル」を展開。印刷会社の非稼働時間や遊休資産を活用する“シェアリングエコノミー”のビジネスを推進している。
本コラボレーションの経緯としては、シェアリングという共通の概念の元、その製品やサービスの新規性・革新性の認知及び顧客体験の価値の向上を図り、LIMEX製品の普及を進めていく両社の方向性が一致したことに由来している。
LIMEX製の名刺(3月13日)を発売、フライヤー、ポスターは、4月以降の販売開始予定となる。

ラクスルの LIMEX 特集ページ
https://raksul.com/campaign/limex/

通常このような業務提携は、企業の経営陣によるトップダウンの推進が一般的である。しかし、今回の提携は、発案から一貫して現場の若手社員同士にて進行され決定されたという。
ベンチャータイムスでは、今回の珍しいケースで、業務提携に携わった両社の実行責任者に、対談インタビューという形で取材を行った。

■人物紹介

株式会社TBM 経営企画室マネージャー 河野氏
外資系コンサル会社を経て、2016年TBMへ入社

ラクスル株式会社 マーケティング部 高城氏
外資系コンサル会社を経て、2015年ラクスルへ入社

ラクスル株式会社 マーケティング部 柏木氏
大手金融会社を経て、2015年ラクスルへ入社

■今回の業務提携の背景について教えてください。

TBM河野氏: 我々は、「水、木、石油などの有限資源をどのように守っていくか」という一つの答えとして、「石灰石を使って素材革命を起こす」というコンセプトの元、事業活動を行っております。上記のコンセプトをベースとした上で、事業としてどう成り立たせるか、どのようにLIMEX製品を拡販していくかという点が当社の課題でありました。
経営企画室の私のミッションも、どのアプリケーションを用いて、売上に変えていくのか、事業をいかに早く成長させるかという最良の手段を日々模索しておりました。そんな状況の中、社内のメンバー、取引先様とのやり取りの中で、UI・UX、そしてカスタマーサポートに優れているラクスルさんの名前が挙がることが多く、業務提携を踏まえ、ラクスルさんにLIMEXの説明をさせて頂いたのがきっかけです。

■実際に、LIMEXの説明を受けた印象はいかがでしたか?

ラクスル高城氏: 初めてLIMEXを触った時の特殊な触り心地に、すぐに「普通の紙じゃないな」と感じました。そして、その独特の感触に、大きな可能性を感じ、すぐに紙に一番詳しい柏木に、LIMEXを紹介しました。

ラクスル柏木氏: 高城にLIMEXを触らせてもらった時に、純粋に素敵な紙だと思いましたね。今まで当社は、集客やポスティングなどのサービスの利便性でお客様に価値を感じてもらうことをベースとしていましたが、印刷商品や紙自体に価値を感じてもらうこともできればいいなという想いと、その課題解決の難しさを感じていました。しかし、この紙ならそれができると直感的に感じました。

■事業提携の狙いは?

ラクスル高城氏: 今までの当社の事業提携は、事業継続性を高める取組みにフォーカスしてきました。いかに効率良く事業を継続するかという点にリソースを割いてきましたが、一方で、我々のサービス価値そのものを高める取組みをしないといけないなと。
また、我々の持つ知見をお客様に「提案」という形で届けることができていなかったという想いが個人的にあったのですが、今回の提携は、課題とプロダクトが一致しているので、達成感も大きいです。

TBM河野氏: 35万もの中小企業顧客を持つラクスルさんと提携することで、効率的に拡販できるのは大きいですね。今までの当社が対象とするお客様は大企業が多かったのですが、中小企業の方々に、LIMEXの価値を問うことができるのは、非常に楽しみです。
以前、旅館のお客様からLIMEXを発注頂いたのですが、選択した理由を聞くと、メニューを耐水パウチする手間に対して人的リソースを割けないということで、多少高くても防水のLIMEXを選択して頂いたということがありました。パウチする必要がなく、小ロットで発注できるLIMEXは、中小の飲食関連の方々にも貢献できると思います。

ラクスル高城氏: そういう意味では、今までお応えできなかった当社のお客様の要望にも応えることができますね。

ラクスル柏木氏: そうですね。飲食店のメニューは、季節ごとに変わるので、小ロットでの対応が可能なLIMEXを取り入れることは、当社のお客様に大きく貢献できると思います。

ラクスル高城氏: 納期という点でもメリットがあります。現状、小ロットのパウチなどの加工ニーズに関しては、機械より人力での加工の方が早いというケースもあり、加工と印刷が同一でない場合が少なからずあります。結果、納期が2,3日延びてしまいます。LIMEXの導入により、その2,3日の延びがなくなり、防水ニーズのお客様に、LIMEXの選択肢をお客様へ提示できることは、大きな価値提供につながると思います。

■今後の展開について教えてください

ラクスル柏木氏: LIMEXは厚みを調整するだけで、プラスチックのような使い方もできたり、高級紙のような使い方ができたりと可変性がある。お客様にニーズに応えながら展開を考えていきたいと思います。

ラクスル高城氏: 特殊紙のニーズは10%程度ですが、LIMEXの導入により、潜在的なニーズにも応えられるので、特殊紙の比率は高まっていく可能性は十分にあります。ただ、今は、具体的な売上の目標よりも、LIMEXの認知を強化していきたいですね。

TBM河野氏: 現状、耐水を活かした用途に力を入れているので、ラクスルさんのお客様のニーズを取り入れながら、特に、飲食業界の領域を強化していきたいと思います。

インタビュアー:最後に、今回の提携は、現場の方同士が中心となって、最後の詰めの部分まで進められたということで、非常に素晴らしい事例であると思います。今後こういったボトムアップによる提携が活発化することで、業界全体も盛り上がっていくと思います。今回の経験を踏まえて、ベンチャー業界で働く人へメッセージをお願いします。

ラクスル柏木氏: 時に大きな絵であっても、こういうことをやりたいんだと発言することで、それが価値のあることであれば、助けてくれる人が社内、社外で絶対にいます。常に、本質的な価値、中長期的にお客様に選んでいただける価値は何か、を考えて実行したことが業務提携に繋がったと思います。「本質的な価値を考える」こと、「発言する」ということがベンチャーで働く上で重要だと思います。

ラクスル高城氏: 日々の業務に忙殺されると、タスクが終わったことに満足しがちです。ですので、我々は何を目指しているのか、我々のコアコンピタンスは何かを常に振り返るようにしています。それらがぶれなければ、誰がやるのか、誰とやるのかが見えてきます。こういった定量的に図れない部分を、マインドに刻むことが、ベンチャー企業では大事であると思います。

TBM河野氏: 自分が生み出す仕事が、会社にとっていかにクリティカルなことであるかを常に自問自答しています。その中で優先順位を付けて、日々の業務に取り組むようにしています。そして、やりっぱなしでなく、必ず振り返るということが重要ですね。

今後もベンチャーらしい型にとらわれない業務提携・ニュースに期待したい。

インタビュアー:株式会社トラフィックラボ 代表取締役 清水彰人

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