1. TOP>
  2. AI・人工知能
  3. 富士通、野村證券にデータ品質向上に向けた革新的な分析用のAIを導入

富士通、野村證券にデータ品質向上に向けた革新的な分析用のAIを導入

  • feedy

富士通株式会社(本社:神奈川県川崎市 代表取締役社長:田中達也)は、野村證券株式会社(本社:東京都中央区 代表執行役社長:森田敏夫)に、実際のデータとAI(機械学習技術)を用いた自律的な分析アプローチで”いつもと違う”状態を見つけることにより、従来の品質担保手法ではデータ品質確保に限界があった領域について、さらなるデータ品質の向上が可能な分析用のAIを提供したことを発表した。

野村證券のIT部門では、目まぐるしい証券ビジネスの環境の変化に応じて、高品質かつタイムリーなシステム対応が求められており、証券システムの処理以外にも、各種手入力業務や社内事務処理など日々記録、保存されていくデータの品質についても継続的な向上が求められている。
従来のデータの品質担保手法では、入力時の人為的なミスや、いつもと違うデータの発生傾向を把握することに限界があった。

野村證券と同社は過去のデータの発生傾向や頻度に着目し、共同で実証を行い、富士通研究所が開発した機械学習要素技術と高速化技術を用いて、データを投入するだけで、事前の予習を行うことなくデータの正常パターンと、”いつもと違う”(アノマリ)パターンに分類し、自律的に分析を行えるかどうかを検証した。
野村證券では、この実証結果を踏まえて、これらの技術をベースとしたデータ分析用のAIを導入予定である。

大量業務データ確認作業の大幅効率化

これまで、大量の業務データは人手による全件確認が難しく、通常のシステムチェックでは網羅しきれないケースがあり、野村證券様での実証では、分析用のAIを適用することにより、数千万~数億件規模のレコードから、数十件程度をいつもと違うパターンに分類でき、そのうちの数件は有識者でも気づくことができなかったパターンとして新たに発見することができた。
分析用のAIは、日々の”いつもと違う”パターンを高速に検知できるため、大幅な作業効率化を実現でき、検知した内容の中から新たな気づきを有識者のノウハウとして蓄積することで、継続的にデータ品質および分析精度の向上が見込める。

パターン分析による効率的・網羅的なテストケースの抽出

これまで、システムのテストを行う際のテストケースの作成は、有識者のノウハウに依存せざるを得ませんでしたが、分析用のAIを適用することにより、日々発生している業務データを自律的に学習させ、新たなデータパターンをテストケースに反映することが可能となった。
業務的に必要性の高いデータパターンを網羅的に抽出できると同時に、不要なデータパターンを省いて効率的なテスト検証が可能になったため、テスト品質・生産性の向上に貢献できる。