そんな人にとって、クラウドファンディングは非常に画期的なシステムです。
このクラウドファンディングによって、本来実現が困難とされていたアイデアが埋もれてしまうことなく、実現可能になった例はいくつもあります。
市場規模が拡大して最近では新聞社がクラウドファンディングの運営を実践している事例も増えてきました。
しかし、クラウドファンディングはまだいくつかの課題を抱えています。
今回は、これまでご紹介してきたクラウドファンディングのデメリットとして問題点・利用する際の注意点をまとめていきたいと思います。
事業のスタートアップにおいて、資金調達にかかる時間は非常に重要ですが、クラウドファンディングでの資金調達では目標金額に達するまでの時間が読めません。
創業融資が約1か月で融資実行されるのに比べて、クラウドファンディングでは何か月もかかる場合もあります。
そのため、クラウドファンディングでの資金調達を考える場合、
①資金調達にかかる時間を見込んで、計画性を持ったプロジェクトにすること。
②全ての資金をクラウドファンディングで集めようとするのではなく、あくまでも資金の一部を調達するための手段として用いること。
この2点に注意していただくことが重要です。
クラウドファンディングによって資金調達に成功し、いざ企画を実行したとしても、プロジェクトそのものが失敗することはあります。
そのため、出資を募る起案者は、資金調達までの計画だけでなく、資金調達後のプロジェクト計画も綿密に立てておかなければなりません。
アイディアが評価されても技術的に可能でなければ失敗する事例もあります
水中での呼吸が可能に!?クラウドファンディングで失敗した実現不可能だった夢の製品たち
また失敗した場合には返金するといった対応も必要になる場合があります。
クラウドファンディングでは、実現していないアイデアをネット上で公開してしまうため、資金調達前にアイデアが盗用されてしまうリスクがあります。
開発を進めている最中に、他の誰かに特許を取得されてしまっていたというような事態を防ぐためにも、自分のアイデアをどう守るか、予め考えておく必要があります。
クラウドファンディングに情報を公開する前に、特許を出願しておくことは、アイデア盗用を防ぐ手段として非常に有効です。
特許の申請を面倒に思う方や、よくわからないという方もいらっしゃると思いますが、クラウドファンディングサービスの中には、kibidangoのように特許に関する手続きをサポートしてくれるものもあります。炎上させないコツが重要になってきます。
クラウドファンディングで出資をした側にとって、自分のお金をどう運用されるかは非常に気になるところです。
資金を集めたものの、思った通りに企画が動いていかないということもクラウドファンディングではよくあります。
プロジェクト実施期間内にきちんと製品が完成しないことや、思っていたよりも製品が売れないということもあります。中には、事業を始める気は元々なく、クラウドファンディングを利用して、集まったお金を持ち逃げする者もいます。
実績もなく無名であっても、事業を始められるのがクラウドファンディングの魅力ではありますが、注意しなければならない点でもあります。出資先が本当に信頼できる相手かどうかきちんと見極めなければなりません。
出資金が目標金額に達し、企画が実行されたとしても、上手くいかずに失敗する可能性もあります。
そういった際に、「失敗したのなら、出資したお金をそのまま返してほしい」というのは基本的に不可能です。投資型や融資型のクラウドファンディングでも、出資者への返済が滞り、貸し倒れや元本割れが起こる可能性があります。
そのため、出資を検討する際には、そのプロジェクトにおける保証や担保の有無/サイトの利用規約などをしっかり確認しておくことが重要です。
また、クラウドファンディングで詐欺が発生したケースも紹介しています。
投資型クラウドファンディングにおいて、投資期間は固定であり、その期間中の売却や解約はできません。
また投資型の中の株式型では、スタートアップ企業の株はなかなか売れないことも多く、流動性が低いことが特徴です。
通常の株式投資とは異なるリスクが伴うことも把握した上で、投資先を選んでいく必要があります。
このように、今国内でも注目を集めているクラウドファンディングにも様々な問題が潜んでいます。
クラウドファンディングを利用する際には、起案者と出資者の両方が、これらのリスクを把握し、正しい理解のもとで行動することが求められています。