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スポーツマーケティングの成功事例から学ぶこと

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近年、スポーツ業界においてマーケティング戦略が非常に多く活用されているようです。
今回はそんな、スポーツ業界におけるマーケティングの成功事例を紹介するとともに、実施した内容やそのマーケティング効果から何が学べたかについて詳しく解説していきたいと思います。

B.LEAGUE

バスケットボールの新たなプロリーグ「B.LEAGUE」(ビーリーグ)は、日本の男子プロバスケットボールリーグを統括するために2016年9月に設立された団体です。

現在、B.LEAGUEには北海道から沖縄まで、34都道府県45クラブが在籍しており、野球、サッカーに次ぐ第3の団体競技プロリーグでありながら、かなり大きめな規模となっています。

若者をターゲットにスマートフォンアプリを活用

B.LEAGUEは、来場する観客のターゲットを10代から30代の若年層と設定し、その層の大多数が所持している”スマートフォン”(以下スマホ)を活用したサービスを展開しました。

スマホ専用アプリから購入できる電子チケットで会場に入ることができる仕組みを採用し、アプリの利用継続やリピート観戦を促すため、画面デザインを好きなチームカラーに変更できる機能も組み込みました。また、試合の告知や結果の速報、ハイライト映像などをプッシュ通知で取得できるため、いつでも応援するチームの最新情報を入手することが可能です。

世界初の全面LEDコートのバスケットボール

B.LEAGUEが発足した2016年、NIKEがプロモーションの一環として、世界初となる全面LEDコートを使用したバスケットボールの試合が話題に。この試合はフジテレビ系列やNHK等の地上波で生中継されました。

来場者には「FreFlow」という手首に装着するLEDライトが配られ、無線でコントロールして光を制御できるものなので、会場を埋め尽くすお客さん一人一人も演出の一部となったそうです。

各選手の動きに合わせたCG演出を行ったLEDコートを導入したことで、チケットの売れ行きは好調、SNS上でもバズることに成功しました。

得られた教訓は?

B.LEAGUEは当初、データ分析の軸を来場回数の多い”コアファン”、来場回数が少ない”ライトファン”に置いていました。しかし、スマホの利用率は10代から30代の若者や、東京などの都市圏に高く、またスマホチケットの購入率が高いことなど、「エリア軸」が想定以上に影響力があるということが分かりました。

また、発足当時にLEDコートを導入した試合を実施したことで、チケットが売れたりネット上で話題を呼んだりしたことから、インターネットとテレビは補完関係にあり、両者を融合させれば新しい価値を生み出すことができるということが分かりました。

広島東洋カープ

1950年に創設されたセリーグ所属のプロ野球球団「広島東洋カープ」(以下カープ)。

2018年には球団史上初のリーグ3連覇、9度目の優勝を達成しており、今年の6月に中央調査社が実施した「一番好きなプロ野球チーム」では、12球団のうち4位となっています。

市民球場からボールパークへ

創設から半世紀以上に渡って、広島市民球場を本拠地としていたカープですが、2009年からMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島を本拠地としています。このMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島は、アメリカのMLBの球場をモチーフに”ボールパーク”として設計されています。

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島には、寝そべりながら観戦できる「寝ソベリア」というシートがあったり、バーベキューができるスペース「びっくりテラス」が設けられていたり、子どもが楽しめる遊具「ふわふわカープ坊や」「スラィリースライダー」があったりして、これまで球場では考えられなかった座席や遊具の豊富さから、老若男女問わず愛されています。

カープ女子の到来

2014年に「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに選ばれた「カープ女子」という言葉。野球はおじさんが観るスポーツといったステレオタイプを払拭し、若い女性からの支持や人気を獲得することに成功しています。

上記にある通り、カープは2009年に本拠地をMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島に移したことにより、2009年の観客動員は前年比1.5~1.7倍に増えました。これによって客層にも変化が生じ、観客の約40%を女性が占め、20%強が20代以下だという結果が出ています。また、広島カープのチームカラーが赤であったこと、応援グッズがカワイイことも、カープ女子増加の要因の1つであるそうです。

どのようなことが学べたか

かつて、野球といえばおじさんが観るスポーツで、若者や特に女性とは無縁と思われがちでした。そんななか、カープはB.LEAGUEとは異なり、観客のターゲットを定めるのではなく、球場や設備内容を変えることで、これまで見られなかった若い女性の客層を獲得することに成功しています。つまり、ターゲットに寄り添ってアクションを起こしたのではなく、新たな戦略として打ち出したマーケティングに、”若い女性”が乗っかってきたというわけです。

また、こうした客層の変化をマスメディアにうまい具合に取り上げてもらい、いわば社会現象化をもたらしたことで、さらなる来場者数の増員を促す形となっています。今やSNSが強力な時代ですが、マスメディア(とりわけテレビ)が取り上げることで、一躍マーケティングを軌道に乗らせることができるということが分かりました。

横浜F・マリノス

神奈川県横浜市および横須賀市、大和市をホームタウンとする、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するプロサッカークラブ「横浜F・マリノス」(以下マリノス)。

2018年現在、クラブ増加、さらに近年オリジナル10のチームのJ2降格が相次ぐ中、下位リーグが創設後も1度も降格経験が無いクラブとしても知られています。

フォロワー3万7千人!Instagramの活用

マリノスは現在若者から最も支持の高いSNS・Instagramの公式アカウントを保持しています。2015年5月9日の初投稿から3年半、投稿された画像は2,000枚以上で、フォロワーは3万7千人以上です。投稿されているのは主にマリノスの選手たちの写真で、試合中の何気ないショットや移動中のスーツ姿など、マリノスファンには特に嬉しい選手たちのプライベート姿が楽しめます。

さらに、2016年4月10日には、マリノスがInstagramとのコラボにより実現させた「#empty(エンプティー)プロジェクト」を実施。当日は対浦和レッズ戦が行われる日産スタジアムが空っぽの状態の時間を狙い、有名なインスタグラマーたちを招待して、自由に写真を撮影し「#emptyNissanStadium」のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてもらいました。

どのようなことが学べたか

Instagramの上手な活用をきっかけに、少なくとも公式アカウントをフォローしている3万7千人のユーザーに対し、マリノスの存在を大いにアピールすることができました。このことは他のメディアでも取り上げられ、マリノスのみならずサッカーに興味のなかった層まで虜にし、チームの存在を効果的にアピールできたマーケティングの一種です。

サッカー界ないしスポーツ界全体において、SNSを活用したマーケティングがどれだけ重要なものであるか、可能性を秘めているかということが分かった顕著な例といえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、スポーツマーケティングの成功事例とともに、そこからどのようなことが学べたかについてバスケットボール、野球、サッカーの3つの事例を紹介しました。

東京オリンピックまであと600日を切りました。今後もますますスポーツマーケティングによる成功事例が増えていくことでしょう。みなさんもぜひ注目してみてください。

Battery(バッテリー)スポーツマーケティングの成功事例から学ぶこと」より転載