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クラウドファンディングに追い風、不動産特定共同事業法の法改正とは?

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「不動産特定共同事業法の一部を改正する法律」が、平成29年(2017年)12月1日に施行されました。全国的に増加している空き家・空き店舗等を再生する取組を拡大し、観光・物流等の成長分野における良質な不動産ストックの形成を促進することが重要な政策課題となっています。また、同法改正により、クラウドファンディングの拡大や発展も視野に入れられており、クラウドファンディングに対応した法整備が求められているようです。では、不動産特定共同事業法の法改正とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。早速見ていきましょう。

不動産特定共同事業法改正とは

まず、不動産特定共同事業法とその法改正について説明します。

① 概要
不動産特定共同事業法は、平成6年(1994年)に制定された法律で、小口の資金を集めその資本から不動産投資を行ない、そこから得られた収益を投資金額に応じて配分するという仕組みです。平成29年(2017年)3月3日に、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案が閣議決定され、改正案によれば小さな共同事業が可能になったり、クラウドファンディングが盛り込まれたりと、より多くの不動産業者や投資家に参入機会が解放されるようになるといいます。

② 目的
不動産特定共同事業法改正を行なう目的は大まかに2種類あり、まず、出資を募り不動産を売買/賃貸し、そこで得た利益を分配する事業を行なう事業者に対し、許可制度を実施し、業務の適正な運営の確保および投資家の利益の保護を図ることです。そして、SPC(特定目的会社)を活用した倒産隔離を実現し、民間資金の導入による建築物の耐震化や、老朽化/遊休土地の再生の促進を指します。

③ 許容要件

  • 資本金(1号事業者: 1億円、2号事業者: 1,000万円、3号事業者: 5,000万円)
  • 宅建業の免許
  • 良好な財産的基礎、構成かつ的確に事業を遂行できる人的構成
  • 事務所ごとの業務管理者配置(不特定事業3年以上、実務講習、登録照明事業)

背景・必要性

冒頭で記した通り、不動産特定共同事業法の法改正の背景は、近年全国的に増加を遂げている空き家・空き店舗等を再生する取組を拡大し、観光・物流等の成長分野における良質な不動産ストックの形成を促進するとともに、クラウドファンディングに対応するための環境整備も行なうという理念があげられています。また、同法改正に伴い必要とされる今後の主な課題は以下の3つです。

  1. 空き家・空き店舗等が全国で増加する一方、志ある資金を活用して不動産ストックを再生し、地方創生につなげる取り組みが拡大しているが、不動産特定共同事業に該当する場合 には、許可要件が地方の事業者にとってはハードルが高いため、再度見直し。
  2. 地方創生に資する事業での資金調達方法として、クラウドファンディングが採用される中、不動産特定共同事業では書面での取引しか想定していないため、新たな電子化への対応。
  3. 観光等の成長分野を中心に質の高い不動産ストックの形成を促進するため、不動産特定共同事業制度の規制の見直し。

目標・効果

不動産特定共同事業法の改正から、地方の小規模不動産の再生により、地方創生を推進するとともに、 成長分野での良質な不動産ストックの形成を推進、さらに、都市の競争力の向上を図る見込みです。また、2022年までの向こう5年間で、地方の不動産会社等の新たな参入を800社、空き家・空き店舗等の再生による新たな投資額を約500億円にすることを目標にしています。

クラウドファンディングに向けた法改正

不動産特定共同事業法改正により、不動産投資案件に対する出資をクラウドファンディングで募集するための制度の整備が行なわれ、出資者の出資金額が100万円、出資総額が1億円を超えないといった小規模な範囲でのみ、不動産特定共同事業を行なう場合は、”許可”ではなく簡単な”登録”だけで実施が可能になります。

また、必要な最低資本金も1億円から1,000万円に引き下げられたため、これまで不動産特定共同事業に挑戦できなかった中小規模の不動産事業者も、小規模案件に関してのみ不動産特定共同事業を行なえるようになります。

不動産型クラウドファンディングとの違い

不動産特定共同事業法改正の以前より、不動産投資型クラウドファンディングのサービスは国内ですでに多く存在しています。「OwnersBook」「TAKERU FUNDING」「Lucky Bank」「maneo」「CrowdRealty」など、既存のサービスの多くは、集めた資金を不動産事業会社などに融資することで、間接的に不動産に投資するスキームを図っています。すなわち、不動産プロジェクトに直接的な投資を行なうわけではありません。

しかし、そうした貸付型のスキームの場合だと、貸金業法との関係で資金提供者にプロジェクトの対象となる不動産や貸付先などの詳細が知らされないことがあり、投資家としても個々の不動産の特徴に応じた投資判断が難しいというのが現状です。

そんな中、今回の法改正により、不動産投資型のクラウドファンディングにおいて、個々の不動産の特徴を踏まえたプロジェクトの説明を行なったうえで、投資家に対して出資を募ることが、以前と比べて容易になると予測されています。

まとめ

不動産特定共同事業法改正により、規制緩和が行なわれたとはいえ、事業者には変わらず一定の財産的基礎や人的体制が求められるため、ハードルが低くなったというわけではありません。12月1日に施行されてからまだ日が浅い不動産特定共同事業の法改正。今後の空き家・空き土地問題に加え、クラウドファンディングのさらなる促進が期待されています。

Battery(バッテリー)クラウドファンディングに追い風、不動産特定共同事業法の法改正とは?」より転載