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テック企業が金融を塗り替えている − 日本の金融業界は何をしている?ダニエル・エバンス氏による寄稿

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Daniel Evans

フィンテックやブロックチェーンという言葉が取り沙汰される中、誰もが金融業界の変化を感じています。銀行送金の24時間対応等、金融サービスがここ数年で大きな変化を見せています。
世界でも話題として挙げられる日本の金融サービスですが、海外の専門家はどのように見ているのでしょうか?

ダニエル・エバンス氏は、世界に先駆けてセキュリティトークンの上場を発表したジブラルタル証券取引所(GSX)の設立メンバーです。エバンス氏はジブラルタル証券取引所の幹部でありながら、ブロックチェーン技術にも精通し、生まれは東京で少しの日本語を嗜むという異色の経歴の持ち主です。

この記事は、そんなエバンス氏からの寄稿です。

日本はまだ現金が主流で紙の通帳が使われている

日本は技術革新と応用の分野において世界的に有名です。いくつかの技術は西洋よりも随分前に日本でリリースされています。しかしながら、日本の金融業界には改善の余地があります。

実のところ、日本で昔ながらの銀行サービスと支払いシステムが今でも主流となっていることには、外国人の間で評判が良くありません。現金が他の国よりも非常に多く使われており、オンラインバンキングは操作が難しく、紙の通帳がまだ使用されている驚くべき状況です。

私が1980年代に東京で生まれて以来、日本の銀行はほとんど変わっていません。日本の金融業界が生き残りを考える場合、時代に適応する必要があるでしょう。

FacebookのLibraプロジェクトは多くの熱気を引き起こしました。今週末、大阪でのG20サミットに先立って、金融ルールコーディネーターである金融安定委員会の議長(Randal Quarles)でさえも、このニュースに反応しています。
Facebookはテクノロジー企業ですが、金融会社になろうとしています。JPモルガンのCEOであるJamie Dimonは、暗号通貨会社が「我々のランチを食べよう(テリトリーに乗り込もう)」としていると言っています。

日本のテクノロジー企業は、西側の同様の企業よりも遥かに進んでいます。日本の金融会社は危機感を感じるべきではないでしょうか。日本のテクノロジー企業は、金融企業の「お弁当」を食べようとしているのです。

SoftBank楽天LineGMO、さらには JR東(Suicaカードは、非接触型の銀行デビットカードよりも店舗で簡単に使用できます。これは、ロンドンでは地下鉄のOysterカードでの支払いが難しいのとは対照的です)とSuicaでさえも高度な支払いシステムを提供しています。

金融企業はなにをしているのでしょう?最先端の金融プロジェクトがテクノロジー企業主導なのはなぜでしょうか?テクノロジー企業の方が努力をしているからですか?簡単に顧客を見つけることができるからですか?

東京証券取引所の取引スケジュールは興味深い例です。週末と祝日は休場で、週の間も5時間の営業のみで昼食時は休場となります。
インターネットは昼食時につながらなくなりますか?とんでもない!マイケル・ダグラスが演じる「ウォール街」の登場人物である悪名高いゴードン・ゲッコーは、「ランチは意気地なしのためのものだ 」と言っています。

テクノロジー企業が人々が望むことを必要な時に、もっと簡単に、もっと安価でサポートできるならば、金融企業に目を向ける人はいなくなるでしょう。この動きはおそらくすでに始まっています。

インスタントメッセージサービスであるTelegramはすでに、17億ドルのトークン売上を上げて「ユニコーン」の仲間入りをしています。7月10日には、元SoftBankの栢森加里矢(Mike Kayamori)氏が率いる金融庁認定の日本の暗号通貨取引所であるLiquid を通じて、トークンの販売を開始します。

金融会社が、大きな資金調達の機会をテクノロジー会社に奪われているのはなぜですか?
日本の金融業界が昼食時に休場している間に、テクノロジー企業はすでに金融企業の「お弁当」を食べてしまったのでしょうか?

執筆・寄稿:ダニエル・エバンス