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金融業界でのチャットボット活用が加速中、新たなコミュニケーションツールに

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「フィンテック」の波に乗り、銀行・証券といった金融業界でもチャットボットの活用が進んでいます。チャットボットは、お堅いイメージのある金融業界でユーザーとの新たなコミュニケーションツールとなれるのでしょうか。

■富士通のチャットボット、ソニー銀行で実証実験

(参照:ソニー銀行 MONEYKit 「チャットサポート」のトライアル開始のお知らせ)

(参照:富士通オフィシャルサイト AIを活用した金融業向けチャットボットサービス)
(参照:富士通オフィシャルサイト リーンスタートアップの実践例 ソニー銀行との「チャットボット」開発)

富士通は2017年6月、金融業界向けのエンタープライズチャットボットサービスを開発。まず、ソニー銀行でのトライアルが開始されました。

ソニー銀行はインターネット専業銀行であるため店舗を持たない効率性がありましたが、その反面、顧客とのコミュニケーションが課題でした。とくに、金融商品やサービスを案内するコンタクトセンターの利用は、ユーザーが仕事を終えた夕方から夜間が多く、需要のミスマッチが起きていたのです。サイト上にはQ&Aを設置していたものの操作性が悪く、検索に慣れないユーザーには不便となっていました。そこで着目されたのが、24時間365日対応が可能なチャットボットです。

ソニー銀行のウェブサイト内に顧客が一定時間滞在していると判断されると、チャットのウインドウが開く仕組みになっています。最初の問い合わせ対象となったのは、以下の3点です。

〇チャットボットからの問い合わせ対象3点

  • 口座開設の申し込みに関する質問
  • Sony Bank WALLETの商品概要に関する質問
  • パスワード・暗証番号に関する質問

これらの利用状況を踏まえて、今後は対応範囲を拡大する予定としています。加えて、2018年5月からは、住宅ローンの仮審査でのAIによる自動審査なども導入しています。

■チャットボットはネットバンクと親和性高く

ソニー銀行の事例でもわかるように、店舗を持たないネット銀行のコミュニケーションツールとして、チャットボットは親和性が高いようです。

ジャパンネット銀行では「LINE」のカスタマーサポートサービス「LINE カスタマーコネクト」を導入し、キャラクターを用いた親しみやすい対話型のチャットボットを提供しています。

チャットボットとして対応してくれるのは、イラストコミュニケーションサービス「pixiv」で開催したコンテストで公募したキャラクター“モネ”。表情豊かなかわいらしい女の子のキャラクターです。モネには、自然言語処理機能に加え、ディープラーニング機能も搭載しており、より自然で的確な回答が可能です。

また、住信SBIネット銀行はAIチャットボットと有人チャットを切り替えることができるハイブリッド型チャットサービスを導入しました。ユーザーからの問い合わせにまずはAIが対応し、AIで対応できない内容はシームレスにオペレーターが引き継ぐという仕組みです。さらに詳しい説明が必要な場合はコールセンターに引き継がれるので、ユーザーはコミュニケーションによるストレスを感じることがありません。

(参照:ジャパンネット銀行 LINEでの問い合わせ対応を開始、AIで24時間365日対応)

■証券業界でもチャットボットの導入進む

証券業界でもチャットボットの導入進む|人工知能を搭載した製品・サービスの比較一覧・導入活用事例・資料請求が無料でできるAIポータルメディア

ネット証券の台頭が著しい証券業界でも、チャットボットが導入されています。導入しているのは、楽天証券、カブドットコム証券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、マネックス証券、SBI証券などです。ネット証券でオンライン取引に慣れたユーザーには、ネット上で問い合わせも完結するチャットボットとの親和性が高いようです。

大和総研グループは、社内向けコールセンター業務や新人オペレーターの研修ツールとして活用するチャットボットを、ベトナム企業と共同でオフショア開発しています。 社内業務を効率化するほか、新たな顧客向けチャネルの提供で満足度の向上を目指します。
このように、金融業界でのIT化が進む中、あらゆる場面で顧客とのコミュニケーションツールとしてチャットボットが活用されるようになっています。チャットボットは新しいコミュニケーション・サービスとして、今後広く受け入れられるようになるでしょう。

(参照:ニュースイッチ 金融業の顧客満足を高めるか、AIチャットボット開発)