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クラウドファンディングで存続する日本の伝統行事

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日本には年間行なわれている伝統行事が、1月から12月まで数多く存在しており、海外と比べても長い歴史をもつ伝統行事がたくさんあります。そんな今回は「クラウドファンディングで存続する日本の伝統行事」について事例を5つ紹介していきます。

この記事はBatteryからの引用です。

伝統300年の火

https://faavo.jp/akita/project/1678/report

  • 実施サイト: FAAVO秋田
  • 支援者: 62名
  • 調達額: 242,000円

秋田県北秋田市七日市の葛黒集落で、2017年2月19日に行なわれた小正月行事「葛黒火まつりかまくら」を運営する住民の方々が、同市の補助金に代わってクラウドファンディングによる資金調達を始めました。葛黒火まつりは約300年の長い歴史を誇る日本の伝統行事ですが、近年は過疎化や運営費不足の影響から休止することもあり、今回クラウドファンディングという新たな試みで開催を実施しました。

1口1,000円からの募集を呼びかけ、目標額は20万円に設定していた本プロジェクト。起案者の佐藤俊晃さんは、「知名度が高くないので目標額に達するかどうか心配だった」と振り返っていますが、およそ2ヶ月の募集期間で秋田市、仙台市、静岡市を中心に、62名の支援者から24万円を集めることに成功。その後、現金での支援の申し出もあったようで、計30万円に達したようです。

からくり人形の源流「薪能」

https://camp-fire.jp/projects/view/29841

  • 実施サイト: CAMPFIRE
  • 支援者: 159名
  • 調達額: 1,130,000円

300年以上続く愛知県半田市の伝統祭礼「亀崎潮干祭」。2016年にはついに、日本の山・鉾・屋台行事のひとつとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。その登録1周年を記念し、からくり人形や囃子と縁深い薪能(たきぎのう)を上演および記録映像の制作を行ない、日本の伝統祭礼と伝統芸能のコラボを後世に残すべく、このプロジェクトが立ち上げられました。

今回の薪能は、潮干祭の舞台である海浜で上演され、夜間、能舞台の周囲にかがり火を焚いて演目を演じる能楽です。当演目では、若手能楽集団「能の旅人」を中心に、シテ方は「観世喜正」氏、小鼓は「後藤嘉津幸」氏、笛は「竹市学」氏に上演いただきます。本プロジェクトは、目標額をわずかに超え、113万円の資金調達に成功。2017年10月21日(土)に、雨天のため亀崎小学校体育館にて上演された薪能は、亀崎中切組の「猩々」、亀崎田中組の「傀儡師人形」、能「船弁慶」の順に演じられ、亀崎潮干祭が日本の素晴らしい伝統であることを、多くの観客に伝える形となりました。

大阪天満宮「天神祭」

https://motion-gallery.net/projects/tenjinmaturi0725

  • 実施サイト: MotionGallery
  • 支援者: 251名
  • 調達額: 2,704,000円

7月25日に開催された大阪天満宮の「天神祭奉納花火2017」は、MotionGalleryにて資金調達を行ない実施されました。毎年盛大に斎行している天神祭は、反面経理上では赤字に陥り、近年では天神祭を斎行する度に、毎年1000万円の赤字が増え、年ごとの累積赤字が膨らんでいます。このため、古くから伝わる諸神事や行事が削られているのが現状であり、 今まさに「天神祭の歴史の火」が消えようとしているのです。

こうした危機的状況を、地元民をはじめ多くの人が解消しようと考え、本プロジェクトには251名の支援者が協力し、目標金額を上回る270万円を集めることに成功。なお、「天神祭奉納花火」は過去にも Readyfor を通じて『千年続く日本三大祭の大阪天神祭で5000発の奉納花火を打上げたい』(2015年)や『【第2弾】天神祭の諸神事を復興し五千発の奉納花火を打上げたい』(2016年)などを施行しており、3年連続クラウドファンディングを活用しています。

鎌倉花火大会

http://iikuni-kamakura.jp/pj/IknV7951569

  • 実施サイト: iikuni
  • 支援者: 609名
  • 調達額: 11,326,000円

7月19日(水)に行なわれた「第69回鎌倉花火大会」は、「鎌倉の夢を叶える」ことをコンセプトにしたクラウドファンディングサイト「iikuni」にて開催費1,000万円を募りました。市からの補助金が打ち切られ、一度は中止が決まっていましたが、伝統行事である鎌倉花火を中止させまいと市民有志の呼びかけが始まり、1ヶ月という短期間で目標金額を上回る1,132万円の資金調達に成功。翌日のゴミ拾いにも100名以上が協力したため、来年の70回目にもさらなる期待が寄せられています。

京都祇園祭山鉾行事

https://www.makuake.com/project/gionmatsuri/

  • 実施サイト: Makuake
  • 支援者: 1,209名
  • 調達額: 13,793,000円

2017年5月8日(月)より、祇園祭山鉾連合会による、京都祇園祭の伝統を守るためのプロジェクト「1100年を超える伝統を守るために。『京都祇園祭山鉾行事』の応援サポーター募集」が開始しました。祇園祭がクラウドファンディングを活用して資金を集めることは1100年以上続く歴史の中で初の試みです。

祇園祭は、1100年以上の歴史を誇る日本の三大祭のひとつと言われており、毎年7月の1ヶ月間にわたって行なわれ、全国各地から約100万人に及ぶ大勢の見物客が来訪しています。 しかし、そんな多くの参加者の安全を守るため、祇園祭協賛会支援のもと、34ある山鉾町及び連合会は警備のための費用を負担しており、年々その額は増加しています。 本プロジェクトは、そうした安全を確保するための費用を調達するとともに、1100年以上続く祇園祭がこのままだと資金難で開催できなくなるかもしれないことを、出来る限り多くの方に知ってもらうことを目指しました。

このプロジェクトは募集開始初日の5月8日時点ですでに目標額の300万円に達し、最終的には1,200人のサポーターから459%達成の1,300万円以上を集めています。名高い祇園祭に協力する支援者は多く、来年以降もさらなる盛り上がりを見せそうです。

まとめ

さて、今回は「クラウドファンディングで存続する日本の伝統行事」について紹介しました。

祇園祭が1100年の歴史の中で初めてクラウドファンディングを活用したように、最近では日本の伝統行事をクラウドファンディングを用いて開催/継続する事例が増えています。今後は日本だけでなく海外でもこのような動きが見られるのでしょうか。みなさんもぜひ注目してみてください。

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