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日本製紙、新素材CNF石巻工場で量産へ

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日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:馬城文雄)は、木材パルプから取り出す新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」の生産設備が宮城県石巻市の日本製紙石巻工場に完成し、4月25日に稼働を始めたことを発表した。

CNFは、木を構成する繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで生まれる最先端のバイオマス素材であり、植物繊維由来であることから、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることが特徴で、弾性率は高強度繊維で知られるアラミド繊維並に高く、温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好、酸素などのガスバリア性が高いなど、優れた特性を発現を持ち合わせている。

日本製紙は2013年11月、岩国工場(山口県岩国市)においてCNF実証生産設備の運転を開始し、化学処理によるCNFを生産する本格的な設備としては国内初となる。
4月25日、石巻工場(宮城県石巻市)において年間500トンを生産できるCNF量産設備の稼働を開始するに至った。
9月には江津事業所(島根県江津市)で食品・化粧品等向けCNF量産設備が動き出す予定となる。

施設概要

国内最大の年500トンの生産能力があり、本年度は年100トンを目標に生産ラインを軌道に乗せ、2019年度を目処にフル稼働させる計画。であり、新聞古紙パルプを製造していた4階の建屋(延べ床面積4700平方メートル)の既存施設を再利用し、CNFを製造するタンクや電気設備などを配置した。整備費は約16億円である。

CNFは木材パルプに特殊な化学処理を施して製造する繊維。髪の毛の1万分の1の細さで、軽量ながら鉄のような強度があり、熱による変形が少ないのが特長とされている。
石巻工場生産のCNFは当面、銀イオンを付着させて消臭効果を高めた紙おむつなどの日用品に利用される。将来は大量生産につながる自動車部材やゴム製品、家電、包装材料などへの用途拡大を目指しており、石巻工場で25日、竣工式があり、約80人が出席。
日本製紙の馬城文雄社長は「世界最大規模のCNFの量産設備を稼働させることができた。一日も早くフル稼働させ、さらなる増設へとつなげたい」と述べた。