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新素材LIMEX開発のTBM、ディップ、伊藤忠商事から資金調達を実施

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石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山﨑敦義)は、ディップ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:冨田英揮)、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久)に対して第三者割当増資を実施した事を発表した。

資金調達の目的

ディップとは、昨年よりLIMEX製品の販売パートナーシップを締結、LIMEX製品を専任で販売する部署を設立し営業活動を行っており、今回の第三者割当増資により、さらに強固な関係性を構築し、LIMEX製品の販売を強化する。また、アメリカにおけるLIMEXの販売、ライセンス事業を推進し、2020年を目処に工場の設立を目指す。

伊藤忠商事とは、原料の調達、海外での販売、ライセンス事業における資本業務提携を締結した。今回の資本業務提携により、海外での事業展開を加速させるための市場調査及び、LIMEXの紙・プラスチック代替分野での用途開発、製品販売を強化していく。また、海外での工場展開におけるライセンス事業を加速していく。

新素材「LIMEX(ライメックス)」とは

・LIMEXは炭酸カルシウムを50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料であり、日本発の新素材。
・2013年、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。
・2014年、国内特許を取得。現在、日中米欧を含む20か国以上で登録済。
・2015年、宮城県白石市に年産6,000トンのLIMEX を製造する第一工場を建設。
・2016年、米国シリコンバレーの「Plug and Play」で初の『世の中に最も社会的影響を与える企業ソーシャルインパクトアワード』を受賞
・2017年、「第7回日米イノベーションアワード」において『イノベーション・ショーケース』を受賞
【紙の代替として】
・通常、普通紙1トン生産する場合、樹木を約20本、水を約100トン使うが、LIMEXは原料に木や水を使用せず、石灰石0.6~0.8トンとポリオレフィン約0.2~0.4トンからLIMEXの紙代替製品(LIMEXシート)1トンを生産可能。
※国内の製紙業界においては、単に伐採するだけでなく海外で植林活動を実施。
※使用済みのLIMEXの紙代替製品を廃棄する場合は可燃ごみ扱い。(古紙回収に出さない)

プラスチックの代替として

・従来のプラスチックの原料は石油由来樹脂100%であるが、LIMEXでは主原料が石灰石であり、石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。
・LIMEXは、石灰石を主原料に石油由来樹脂と構成されているが、石油由来樹脂を100%バイオ由来、かつ生分解性の素材に置きかえた生分解性LIMEXの検討を開始。
・単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する。
・LIMEXの印刷物等のリサイクル材から、LIMEX製のプラスチック成型品(LIMEXペレットを加工)を製造することが可能。(LIMEXのアップサイクル)

資源としての石灰石の埋蔵量

・日本でも100%自給自足できる資源。世界各地の埋蔵量も豊富で、ほぼ無尽蔵。