本システムでは、人工知能が文中の各単語をチェックし、文脈を読み取ったうえで、必要かつ最適な置き換え候補を出力することができる。カギを握るのが、朝日新聞社が日々の新聞編集で蓄積してきた、ベテラン記者によるデスク作業(文章を整える仕事)における校正履歴である。記事化に要した実際の校正内容を大量に人工知能に読み込ませ、パターンを機械学習させることで、新しい文についても、単語単位なら複数の置き換え候補が考えられる場合にも、文脈に応じて最適候補を絞り込むことが可能になった。本発明は、メディアラボが東北大学・乾健太郎教授、東京工業大学・岡崎直観教授との間でアドバイザリー契約を締結し、一緒に研究を進める中で生まれた。現在、プロトタイプが完成し、今後はさらに精度や使いやすさを向上させ、製品化に向けて開発を進めていく。朝日新聞社内での活用にとどまらず、将来的には社外向けに事業化を検討する。朝日新聞社は、新規事業の開発や人工知能をはじめとする最先端技術の研究にあたるメディアラボと、社内のシステム開発や技術者の育成を担う情報技術本部が中心となり、人工知能を利用した新事業開発・業務改革を進めている。■特許出願の概要出願番号:特願2017-132713発明の名称:校正支援装置、校正支援方法及び校正支援プログラム特許出願人:朝日新聞社