両社は、2016年から共同で進めてきた個人向けローン審査手法に関する実証実験において大幅な審査精度の向上を実現し、これらの成果を活用して、AIによる審査サービスの設計・構築のほか、地域金融機関へのサービス提供などに向けた取り組みを開始する*1。金融機関の根幹業務の一つであるローン審査は、利用者の収入や資産の状況などを適切に把握することを通じて、将来を予測する高度なノウハウが求められる。特に住宅ローンは取引期間が長期にわたるため、予測が非常に難しいとされており、複雑なデータの相関を見いだす高度なアルゴリズムの構築が、課題となっていた。両社は、2016年10月より、住宅ローンをはじめとするローンの審査においてAI活用の実証実験を開始し、日立の新アルゴリズムを搭載したAI*2と住信SBIネット銀行のデータ取扱ノウハウを組み合わせ、大幅な審査精度の向上を実現した。これにより、大量のデータからより精緻な審査が可能となり、従来以上に多くのお客さまへの貸出が期待できる。今後、両社は、2018年度中に、住信SBIネット銀行の住宅ローン審査への適用を図るほか、地域創生への貢献に取り組む地域金融機関などへのサービスの提供に向けた検討を進め、審査精度の向上と効率的・省力的な業務運営を両立させた、持続可能な競争力の実現をサポートすることをめざす。また、日立は、今回の取り組みをIoTプラットフォーム「Lumada」*3のユースケースとして広げ、今後もさまざまなステークホルダーとの協創を通じて、革新的なITサービスの開発・提供を推進していく。*1同サービスの提供にあたっては、サービス提供先の地域金融機関とともに、個人情報保護法制の遵守やプライバシー配慮のための適切な対策を検討し、講じていく。*2日立ニュースリリース(2017年12月26日)「稀な事象の発生を予測する人工知能を用いて、融資データを活用した貸し倒れ予測の精度向上を確認」http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/12/1226a.html*3日立の幅広い事業領域で蓄積してきたOT(Operational Technology)とITとの融合により、IoT関連ソリューションの開発と容易なカスタマイズを可能とするIoTプラットフォーム。