今日、AIが企業に及ぼす影響の大きさは広く認知されている。PwC(https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/tmt1801.html)によると、AIによる世界経済にもたらす経済効果が、2030年までに1700兆円に達するだろうと予測されている。しかしその利益を享受するためには、AIに関連する重要な課題を克服する必要がある。なかでもAIに必要なデータを準備することは、これまで企業のAI導入を妨げてきた要因のひとつと言える。AIの予測モデルを生成するにあたり、学習に使うデータセットの作成や、モデルデプロイ時のデータパイプラインの構築、モデル運用時におけるデータの更新などは、どれも大規模なデータを活用する際に企業が直面する大きな課題である。
今回のPaxata買収によって、データプレパレーションのプロセスを自動化できるソリューションの提供が可能となり、それらの課題が軽減され、その結果として企業はAIを利用した成果を迅速に享受できるようになる。また、企業の環境がマルチクラウドかつハイブリッドな環境へと移行しつつあるなかで、セキュリティとガバナンスを組み合わせたデータを中心とした環境がその基盤となり、エンタープライズAIのインフラストラクチャの中核を担うようになっていくのは間違いない。
今回の買収について、DataRobotの共同創業者でCEOを務めるJeremy Achinは、次のように述べている。「AIに特化したデータプレパレーションは企業にとって長年の課題でしたが、PaxataのAI特化型データプレパレーション機能とエンタープライズ向けのデータファブリックソリューションが追加されることで、DataRobotは業界において最も完成度の高いエンタープライズ向けプラットフォームとなり、またAIのライフサイクルの最初から最後までを自動化することが可能となります」
これまでベンチャーキャピタルから8600万ドルの資金を調達してきているPaxataは、スタンダードチャータード銀行、Petco、Nationwide Insuranceといった世界的大企業に数多く導入されている。またDataRobotとPaxataはどちらもハイスケールなデータ統合向けにデザインされたオープンソースのフレームワークApache Spark™を広く活用。今回の買収によって実現された実証済みのスケールとガバナンスを備えた唯一のマルチクラウド型のエンドツーエンドAIプラットフォームが業界を一気に飛躍させると期待していると言う。
また両社は本日、買収の一環としてDataRobotの提供するAIカタログ上での機能統合を発表した。この統合により、ビジネスアナリストやシチズンデータサイエンティストなどのユーザーは機械学習の活用に必要となるデータを簡単に準備できるようになる。この新機能に加え、今後両社チームは密に連携し、AI用のデータプレパレーション機能を次世代用として2020年までに改善、強化していくと言う。
現在Paxataをご利用いただいているお客様に関しては、DataRobotが引き続きサポートを行う。
■ 商標関連
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