太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー等の普及により、現在の電力供給システムは、従来の大規模集約型から自立分散型のシステムへ変化してきており、将来的には、プロシューマーと電力消費者との間で、専用のプラットフォームを介し、電力が直接取引されるようになる可能性がある。一方、金融をはじめ各業界においてブロックチェーン技術※2の普及が進むことが予想され、この電力直接取引においても、ブロックチェーン技術を活用した電力会社を介さない取引などが考えられることから、今回、オーストラリアなどにおいてブロックチェーン技術を活用した電力直接取引(電力P2P取引※3)の実証研究の実績があるパワーレッジャー社と共同で実証研究を行うことした。本実証研究の具体的な内容としては、同社の巽実験センター※4において、太陽光発電設備が設置されたプロシューマー宅で発生した余剰電力を、同実験センター内の複数電力消費者宅へ送電し、各住宅に設置したスマートメーターを通じて得られた電力量やそれに伴う料金について、パワーレッジャー社の電力P2P取引システムにより、プロシューマーと電力消費者の間で、仮想通貨を用いて模擬的に取引を行うものとなる。※1:自身で発電した電気を消費し、余剰分は売電する生産消費者のことであり、生産者(Producer)と消費者(Consumer)とを組み合わせた造語。※2:分散型台帳と呼ばれており、取引データを分散し、顧客同士で管理し合う技術のこと。※3:Peer to Peerの略称。中央サーバを経由せずに、個々の端末(Peer)が直接、互いにやり取りを行える仕組みのこと。※4:エネルギー利用研究を対象とする当社の実験施設(大阪市生野区)。