コインテレグラフによると、ダイヤモンドを裏付けとした暗号資産「D1コイン」の作成者であるD1ミント・リミテッド社は、世界的に歴史のあるデビアスグループのKGKダイヤモンド社から、投資グレードのダイヤモンド1500個(2000万ドル相当)を買い付ける、初めての購入契約を締結した。ダイヤモンド原石は、世界最大のダイヤモンド採掘会社、アルロサが供給した。アルロサのアレクセイ・チェクンコフ取締役は、ブロックチェーンのイノベーションが天然ダイヤモンドを投資アセットクラスにすることで、宝石業界を変革できると話す。「さまざまな投資グループ」を広く引き付け、「需要が拡大する」と、同社は考えている。ダイヤモンド業界は、小売業者の間での需要減退に直面してきた。デビアスの調査によれば、ダイヤモンドジュエリーの年間消費額は14年以来、約800億ドルで横這いが続いている。D1社は値付けアルゴリズムを使い、仮想通貨投資家が保有するトークンを、自社の備蓄から選定したダイヤモンドと交換する可能性がある価格を、任意のタイミングで決定する。これには、シェイプ・カラット・カット・クラリティなど、業界の伝統的な価値の要素を評価データに置き換える、新たな技術が使われている。投資家に対する魅力を広げるだけでなく、ダイヤモンド業界はブロックチェーンを使って、宝石のサプライチェーン全体に透明性を確保しようとしている。今月これまでに、世界的なダイヤモンド大手のデビアスは、ブロックチェーンを使って100個のダイヤモンドを、鉱山から小売業者まで追跡することに成功した。同社は、ブロックチェーンを利用することで、自社のサプライチェーンがいわゆる「紛争ダイヤモンド」とは無関係であることを、一般に信頼してもらうことができると話す。紛争ダイヤモンドとは、戦闘地帯で採掘され、戦闘のための資金源として違法に取引される、未加工ダイヤモンドのことである。また、IBMは今春、ゴールド及びダイヤモンド業界の大手企業と提携し、貴金属の流通起源を追跡するための、同様のブロックチェーン ネットワークを開発することを発表した。