コインテレグラフによると、ソフトバンクが実施した概念実証は、通信キャリアに特化したブロックチェーン開発のTBCASoftと、クラウドやメッセージングなどのプラットフォームを手掛けるシンクロノスと共同で行った。現在開発しているモバイル決済サービスは、メッセージング規格である「リッチ・コミュニケーション・サービス(RCS)」と、TBCASoftのブロックチェーン技術をベースとしたもの。このサービスは、RCSのウォレットアプリを使って、ユーザー同士がピア・ツー・ピアでグローバルに送金できるようになるという。また受信者側がSMS、eメールといった従来のメッセージングサービスを使っている場合でも、送金が可能だという。今回の概念実証では、ユーザーがモバイル端末を使い、店舗などで決済を行うことに成功した。将来的には、日本のユーザーが米国を旅行中、RCSのプラットフォームを使ってメール送信と同じような操作で、米ドルの支払いができるようになるとしている。ソフトバンクのITサービス開発本部の福泉武史本部長は次のように期待を述べている。「決済を行う店舗が、大手ブランドの決済サービスだけではなく、多様な決済手段を幅広く享受できるようになります。またユーザーにとっても、買い物や海外旅行などでの支払いがより柔軟になると考えています」ソフトバンクは昨年9月にキャリア間のブロックチェーンプラットフォームの構築を目指すコンソーシアムを立ち上げている。今年7月にはコンソーシアム内にブロックチェーンを活用した送金サービスのワーキンググループも新たに設置している。仮想通貨の世界では、今年8月にメッセージングアプリの「テレグラム」を使ったライトコイン(LTC)トランザクションが実現している。ブロックチェーンスタートアップのZulu Republicがプラットフォームを開発した。将来的には、インターネット接続が悪い地域のユーザーをサポートするためにSMS経由でもLTCをやり取りできるようにする計画だ。また同じく8月に、米ソフトウェア会社のイントゥイツが、SMSによるビットコイン決済に関する特許を取得したと発表している。