現在、ベトナム人の間でポイント制度はかなり広まっています。人口は一億人ほどで、スマホの普及率も高いです。一般的に日本人が思っているより技術は進んでいるのではないでしょうか。ITの基盤自体や、通信環境などはとても充実しています。今の所各ポイントはバラバラで利便性が低く、市場を独占している企業はまだないです。なので、ベトナムにおける共通ポイントといえばセンポイント、という形を目指して進めています。
記者:セントークンとセンポイントについて教えていただけますか?
田中氏:
セントークンはICOによって発行され、現在はポイントサービスと分かれています。ベトナムでは仮想通貨に対してグレーな部分が多いので、法整備が整うにつれポイントサービスと統合することを考えています。
記者:センポイントとはどのようなサービスですか?
田中氏:
一番の特徴は共通ポイントです。加盟しているお店のポイントを1つにまとめようとしています。例えば、小さなお店ごとにポイントカードがありますよね。カラオケや、喫茶店などです。そういうポイントカードは無くしやすいじゃないですか。あまり使わない上に、使おうと思ったら家に置いて来たりとか。そのような小さな企業ごとのポイントをまとめてしまおうというのがセンポイントです。
提携先も着々と増えており年内に準備店舗も含めて1万店舗を目標に営業をかけています。。現在次期アプリを開発していて、来年の1月にローンチすることを目指しています。
実は、ベトナムだと今すぐ割引にしてほしい、という感覚が国民として強いです。ポイントは後から効いてくるものですよね。でもベトナム人は今、目の前で割引にしてほしいと考えるのです。現地のアプリでは、見せるだけで20%オフなんていうのも普通にあります。なので例えば10%のポイント還元はインパクトが弱いです。ポイント業者だけが競合ではないので、どのような仕様が一番広がりやすいか考えているところですね。
記者:
中小企業ごとのポイントカードが1つにまとまるとすると、とても便利ですね!先ほどポイントがメインとおっしゃっていましたが、セントークンはどのようなものなのでしょうか?
田中氏:
ICO業界の全体的な課題として、ICOしたのはいいものの、トークンがなかなか使われていない、と言うのがあります。しかし我々のセントークンは、センポイントでサービスが受けれたり、取引所の手数料が安くなるように等、ベトナムで一般層に広く利用されるユーティリティートークンを目指しています。
記者:
なるほど。トークンの実用化はこれからということですね。そのトークンですが、Stellar(ステラ)を採用したと伺いました。その理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?
田中氏:
去年ぐらいに主流だったのがEthereum(イーサリアム)ですが、当時から重くて、システム的にかなり負荷が強かったです。トランザクションの速さや手数料の安さなどが理由でEthereumではなく、Stellarにしました。また、Stellarが目指しているビションとしては「銀行口座をもってない人たちに向けて暗号通貨を提供する」というものなので、ベトナムでやる上ではマッチしているのではないか、というのもポイントです。
記者:田中さんがこの事業に携わった経緯についてお伺いします。
田中氏:
僕はずっとエンジニアやっていました。仕様書通りに書くことから始まり、ゲームを作るなどですね。ずっとIT関連の仕事をしており、結構前に会社を立ち上げました。それもITの請負開発をメインにしている会社です。去年の今頃にベトナムでやらないか、と言われました。まずは一緒にベトナムにへ行き、現地の会社の方ともお会いして、その上で参加を決定しました。
記者:それでは最後にTTJさんの今後の展望をお願いします。
田中氏:
まず2つ事業があります。1つはセンポイントです。現在はまだ普及しているとは言えないので、みんなに使ってもらえるサービスにしたいと思っています。現時点で共通ポイントを提供しているNTTグループのような強豪がいて、グループ内で使えるポイントがあります。しかし、街中のお店などで使えるポイントとしてはSENPOINT、そういうブランディングを目指しているところです。
また、開発しているアプリについてですが、現在ポイントのウォレットとしての機能と、どの店舗でポイントが使えるか見れるという機能があります。お店が独自にディスカウントする、というような機能はないので、今後のアップデートでさらに便利なアプリにし、みんなが使ってくれるアプリにしたいです。
2つ目は、セントークンです。現在取引所を開発しており、仮想通貨の規制が厳しいベトナムで、合法的に稼働する取引所を目指しています。ベトナム政府は中国の規制に習う部分もあるので、今後の規制緩和については一概に言えないところがありますが、とはいえ今年から来年にかけて取引所はリリースはできると考えています。何よりベトナム人に利用してもらえる取引所にしたい。エンジニアの理念としては、ブロックチェーンのトークンが流通するようなシステムを実現したいですね。
ベトナムは現在若者の人口が多く、携帯の普及率も高い。これからアジアの中核を担っていくことは間違いないだろう。そこでポイントをまとめてしまおう、という壮大な取り組みを行っているのがTRUONG THANH JAPAN(TTJ)だ。実際にポイントカードが全て1つのアプリにまとまったらとても便利だろう。今後のTTJの動向を見守りたい。
インタビュー・執筆
塚田愼一
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