1. TOP>
  2. ブロックチェーン
  3. 仮想通貨先進国の最新トレンド:イベントレポート 

仮想通貨先進国の最新トレンド:イベントレポート

  • feedy

11月1日に渋谷においてCoinage主催で行われた「~各国の動向から読み解く仮想通貨の将来~仮想通貨先進国の最新トレンド」は多くの人で賑わっていた。本イベントは仮想通貨に精通する税理士の柳澤賢仁氏と、Twitterで仮想通貨の発信を行うロシアンOLちゃんがゲストとして登場。スイス・マルタ・ロシア・エストニア・ベラルーシ等の仮想通貨の最新トレンドに関する講演となった。仮想通貨やブロックチェーン技術のトレンドは未だ変遷しやすい中で、海外でどのような取り組みが行われているのか。お二人の講演は非常に刺激的なものであった。

世界の仮想通貨の流れを概観 柳澤賢二氏

最初に柳澤 賢仁氏(税理士)が登壇された。柳澤氏からは、「日本の海外ICOの税務上における注意点」と「仮想通貨に関する世界各国の情勢」の講演が行われた。

日本の海外ICOの税務上における注意点

最も重要視されるのは消費税であり、世界各国で税率を平均すると20%前後になる。それと比較すると日本はまだ税率が低い方になる。その上、日本は仮想通貨消費税非課税だった。これは世界でもかなり画期的で世界中の注目を浴びた。

現状日本ではICOは禁止されている。そのため税理士としては会社を海外に作り、そこでICOをやりましょう、という話になってくる。日本語でサイトを作ると日本の顧客向けになってしまい支障があるので、英語でサイトを作るというのがポイントとなる。

仮想通貨に関する世界各国の情勢

現在柳澤氏が注目している国はスイス、マルタである。各国の動向が紹介された。

スイスにはクリプトバレーというメッカがあり、特に有名なのはイーサリアムである。現在スイスは暗号通貨を3種類に分類。Finmaという金融庁にどの種類のコインかを申請してから行うことになる。

マルタはBinance(バイナンス)が本拠地を移したことで注目を集めている。分散型台帳技術をVFA/FI/EM/VT4種類に分類するDLT法が本日(2018年11月01日)施行された。

EUに関しては、各国が判例を共有する傾向にある。ビットコインと法定通貨の交換取引を免税とするという判例がすでに存在するが、「ビットコイン」と限定されてしまっている。そのため、ビットコイン以外の仮想通貨については国ごとに課税、非課税を判断することになる。今後どのような方向に進むかはわからないため、続報を待ちたい。

ロシア・エストニア・ベラルーシの動向 ロシアンOLちゃん

仮想通貨について日本と海外には情報の格差が存在している。その格差をなくすため、海外の一次資料を日本語に翻訳して公開しているアカウントがこちらのロシアンOLちゃんのアカウントだ。今回は仮想通貨界隈で特に注目されている、ロシア、エストニア、ベラルーシについて講演が行われた。

ロシア政府は近年、仮想通貨規制しているが、ブロックチェーンについては推進の方向に動いている。ロシアの特徴として元々数学やITに強いこと、国家主導型の産業振興、マイニングが盛んといったことが挙げられる。
優秀な開発者が多いので、国家、民間を超えて注目すべき取り組みが多い。また政府の規制、取引が活発になっているため、今後もロシアクリプトをキャッチアップしていきたい。

エストニアはe-Residency電子投票で有名なIT先進国である。仮想通貨についてもエストコインを発行しようとした事例があり、活発な動きを見せている。
エストニアをキャッチアップするべき理由としては、e-Residencyなど海外企業家にメリットが多いこと。そしてビザが取得しやすく、移住がしやすいことにある。またStartup Estoniaというグループが存在しており、彼らは現地でのコミュニティ作り、データ管理、トレーニング、投資家教育などを行なっている。

ベラルーシは近年、農業からITへの中心産業を変更した。ヨーロッパ最後の独裁国家であり、意思決定が早い。そのため、仮想通貨合法化&5カ年非課税が施行間近であり、仮想通貨関連で注目国家となっている。また、IT経済特区が作られ、良好な環境が整えられ、スタートアップ企業が多く集まってきている。

記者あとがき

最後の質疑応答で「海外でのブロックチェーン投入で面白い事例にどのようなのものがありますか?」という質問についてロシアンOLちゃんは以下のように答えた。

「選挙でブロックチェーンが使われ始めました。具体的には、今年の9月モスクワの市長選挙で実験としてブロックチェーンの導入が行われました。若い層の投票率は低かったですが、参加するとモノがもらえる仕組みにしたところ、若い人がたくさん参加することになり、投票率が増加しました。南アフリカではダイアモンドの生産地からお客さんのところまでブロックチェーンにデータを乗せていく取り組みが間も無く完成します。」

ブロックチェーン技術の導入は様々な分野で行われているようだ。仮想通貨やブロックチェーンというとまだ日本では馴染みが薄いかもしれない。しかし、国内外含め様々な分野で技術の導入は始まっている。今後の動向に期待したい。

免責事項

当サイトに掲載されている情報は、プロジェクトの概要をご理解いただくことを目的として、細心の注意を払って掲載しておりますが、その正確性、完全性、有用性、安全性等について、一切保証するものではありません。

当サイトに掲載されている情報のうち、法令について記載したものがありますが、当サイトは、利用者に対し、法的助言を提供するものではなく、また、弁護士資格を有する者が執筆・監修したものではありません。その正確性、完全性、有用性、安全性等について、一切保証するものではなく、法的事項については、弁護士資格を有する方に御相談ください。

当サイトに掲載されている情報は、いかなる情報も投資活動の勧誘や特定のプロジェクトへの投資の推奨等を目的としたものではありません。

投資等に関する最終ご判断は、読者様ご自身の責任において行われるようお願いいたします。

なお、本情報を参考・利用して行った投資等の一切の取引の結果につきましては、当社では一切責任を負いません。

当サイトに掲載されている情報のうち、過去または現在の事実以外のものについては、執筆時点で入手可能な情報に基づいた当社の判断による将来の見通しであり、様々なリスクや不確定要素を含んでおります。

つきましては、実際に公表される業績等はこれら様々な要因によって変動する可能性があることをご承知おきください。