地図アプリを開き、レストランの名前を入力、「経路」を押せば、何分かかるか、どうやっていくのか検索してくれる。もはや「地図サービス」は日常に不可欠である。
そのような「地図サービス」業界に改革を起こそうというプロジェクトがある。
それがハイペリオン(HYPERION)だ。
今回の記事では、現在の地図サービスの「課題」と、それに対してハイペリオンがどのような「解決策」を示すのか見ていきたい。
通貨:Hyperion Token (HYN)
ブロックチェーン:イーサリアムERC20
トークン総発行料:100億
公式サイト(英語):https://www.hyn.space/#pll_switcher
ホワイトペーパー(英語):http://www.hyn.space/wp-content/uploads/2018/08/Hyperion-WhitePaper-v-1.15.pdf
ハイペリオンは、100億人のための世界的な分散型地図経済を確立することを目指している。なお、100億人とは2050年の世界予想人口だ。
高い技術力のアピールと、2050年を目指し成長し続ける企業を目指すという意味合いを込めている。
ハイペリオンを語る上で欠かせないキーワードが2つある。
「室内地図」と「非中央集権的な地図」だ。
まず、室内地図について、ハイペリオンはアジアの数カ国で、すでにグーグルマップより詳細な地図が作成されている。その経緯は「ハイペリオンのこれまで」のチャプターで触れる。
次に、非中央集権的な地図サービスとは、まさにブロックチェーンの特徴を生かしたサービスである。「非中央集権化」によって、現在の地図サービスにある多くの課題が解決できると言われている。
非中央集権的な地図サービスの必要性について理解するためには、まず現在の地図サービスの課題について知らなければならない。
その課題とは、主に下記2点挙げられる。
1. 間違いが多い地図情報
2. 透明性・プライバシー・所有権の制限
地図アプリ表示された結果が、実際の場所と違う。
こんな経験されたことはないだろうか?
東京、香港、ニューヨークのような建物がひしめき合う都市で、特定の位置情報を正確に表示するには、高度なロケーションシステムを持ってしても難しい。
また、街の発展に伴って、地図の情報は当然変化するものだ。
中国では毎年20%以上の地図が変化している。ベトナムなど新興国では50%超えることも多々ある。
我々が生活する日本でも、カーナビの情報が古いせいで目的地にたどり着けない、といった経験をされた方は少なくないだろう。
実際、グーグルマップやゼンリンのような中央集権的な地図サービスはそのような現状に対応しきれていない。
車を走らせ定期的に情報を更新するという手段にも限界がある。
つまり、大企業といえど中央集権的なシステムでは、正確かつ最新情報のある地図の作成はコストがかかり過ぎる上、品質の担保は極めて難しい。
そしてもう一つの問題として、グーグルマップなどの中央集権的な地図は情報を独占し、収益を独り占めしているという点が挙げられる。情報提供側であるユーザーにプロフィットが還元されない。これは一方的な情報搾取のシステムであり、改善の余地がある。
また、一社による情報管理は、個人情報流出にもつながりやすい。実際、2018年10月にグーグルのSNSサービスは個人情報流出の疑いにより閉鎖されることになった。また、フェイスブックの個人情報流出事件も記憶に新しい。
以上問題の解決策として提案されるのがハイペリオンの提唱する新しいシステムだ。
ハイペリオンは「クラウド・ビルド」「クラウド・シェア」「クラウド・ガバーン」の3つの重要な革新を行う。
そして、最終的には世界の持続可能で自主的な地図エコノミーシステムを実現することを目的とする。これにより、人々は地図を構築し、経済的なインセンティブを獲得し、地図のコミュニティを管理する権限を与えられる。
Hyperion Digital Location Right(HDLR)を報酬として(すなわちマップデータ提供いただく替りトークンを貰えるマップマイニング)世界中の地図データの所有権を人々に分散させる。そしてそれが個人の資産になり、彼らに利益が還元される。
分散型マップ経済を確立するためのクラウド・シェア。地図サービスの料金は、スマートコントラクト(すなわちHDLRインセンティブ)によってHDLRオーナーに配布される。
管理代表者たちによる技術と社会経済の変化に関して合意に達するためのシステムがクラウド・ガバーンだ(すなわちHDLR投票)。
Hyperionグローバルコミュニティは、それぞれの地域のHDLR保有者代表が管理するマルチレベルの地域コミュニティで構成される。
ハイペリオンのファウンダーであるアイザックは、2016年にマップサス(Mapxus)という前身の地図サービスを設立した。マップサスはオープンマップ(すべてのユーザーが地図情報を提供できる)であり、マップ情報のアップロードをお手軽にできるシステムを作り上げた。
立上げからまだ3年しか経っていないが、マップサスはすでに世界でもっとも使用されている地図の一つになっている。グーグルマップやアップルマップにも、データを提供しているほどだ。もちろん、これらのマップ情報はすべてハイペリオンにも利用されている。
Mapxusの理想は以下の写真に表されるようなものだ。
右の写真で、子供が提供した情報は詳細な地図情報になる。
マップデータが増えていき、順調に見えたマップサスだったが、2017年ころ、マップサスの開発チームはオープンマップのシステムにも限界を感じていた。
確かに、オープンマップというシステムは、中央集権型マップの課題である「更新が追い付かない」という課題を解消した。しかし、一般ユーザーによってアップロードされた地図データの信ぴょう性は、どうしても担保することができなかった。
ちょうどその頃、ブロックチェーン技術が急激に発展を遂げていることを知った開発チームは、試験的にブロックチェーン技術の導入を試みる。こうして、2018年にハイペリオンの設立に至った。
2018年末にdMapperというマッピングサービスをリリース。
非中央集権的なマッピングサービスであるdMapperはすべての人による早いマッピングのためにピッタリのツールである。
より多くの人が地図情報を提供し、より完璧で正確な地図が作れるようになる。2018年末にリリース予定。
2019年Q1にハイペリオンとして初の「Titan」という試作アプリケーションをリリース予定。
地図情報がリアルタイムで更新され、より正確になれば、人々の利便性はさらに向上するだろう。また、室内地図が詳細になれば、室内で迷うことも少なくなる。今後のハイペリオンの動向に注目したい。
記事執筆
塚田愼一
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