そこで、「暗号通貨を現実世界の決済インフラとする」という壮大なテーマに取り組んでいるプロジェクトがある。
それが「KINGS(キングスコイン)」だ。
彼らがどのような取り組みを行い、実社会に仮想通貨の利用を導入しようとしているのか、キングスコインの特徴などを見ていきたい。
公式サイト:https://www.sky-king.world/index_jn.html#service
ホワイトペーパー:https://www.sky-king.world/KINGS_white-paper.3.7ver_jn.pdf
仮想通貨が現実世界での決済に利用できない理由としてあげられるのは、トランザクションの処理速度の問題だ。例えば、ビットコインでは1秒あたり7件程度しか処理できず、10分ほどの時間がかかる。
しかし、我々がクレジットカードで利用しているVISAカードを例に取ってみよう。VISAは1秒間に5000件前後の処理が可能と言われている。これは、単純計算するとビットコインと比べて700倍以上の処理速度ということだ。
クレジットカードより遅い速度では、なかなか実社会で仮想通貨を利用するのは難しいと言えるだろう。
キングスはこの課題を解決するために、Ethereum及びオフチェーン技術で解決する予定だ。
現状Ethereumの処理速度は1秒あたり25件と決して早くはない。しかし、オフチェーン技術を導入することで、1秒あたり数万〜数億件の処理が可能になる予定である。
現実世界で決済機能が持つべき機能にオフライン環境下での使用が挙げられる。つまり、インターネットに接続していない状況、もしくは遅い状況でもスムーズな決済が行われることが今後の利便性につながる。
(ただし完璧なオフライン環境は想定していない。初期設定やトランザクション決定処理はオンラインで行われることを想定中。)
実はキングスは船の上での利用が想定されているため、ネットワークが不安定な環境でも決済できる必要がある。
(詳細な説明は特許出願後に公開予定)
仮想通貨が現実に利用されない要素の一つとして「ボラティリティリスク」が挙げられる。「ボラティリティリスク」とは価格変動性のことである。
例えば、ある日の朝9時の開店時に1円=1KINGであることに基づき、りんご1個
300KINGと値付けし販売をはじめました。18時に閉店し、KINGの価値を確認したとこ
ろ、1KING=0.5円になっていました。
お店は150円でりんごを販売したことになり、150円の損となります(もちろん得する
可能性もありますが)。これがボラティリティリスクですーキングスコインホワイトペーパーより
キングスはボラティリティリスクに対応するために、2つの方法を採用予定。
①発行上限を他の通貨に比べて大きくする。
②リンクドコイン(Linkedcoin)という概念を採用する。(この技術については特許申請後に公開予定)
ブロックチェーンの技術は多くのノードが世界中で運用されている。キングスは可能な限り安定したインフラを維持するために、すでに安定性で評価されているEthereumを基盤に設定している。
しかし、将来的にキングスの価値が十分になり、Ethereumで処理できない問題が発生したような場合には、独自のブロックチェーン技術にシフトする可能性がある。
ラカラ社(拉卡拉支付股份有限公司)は世界最大級のスマート決済・ POS 端末メーカーで、年間取引額は 65 兆円( 2017 年取扱額)におよび、利用設置個所 2,400 万か所、月間取引量は 3.3 億回以上を誇る。
中国コンビニPOSの99%、タクシーでは100%のシェアを獲得している。
また、「KINGS PAY」という名前のブロックチェーン対応アプリケーションを共同開発、その普及を図る。
ビジネススキームは以下の通りである。
2018年10月11日にBITNOAHに上場された、キングスだが、今回新たにBCEXへの上場が決定した。
上場日時は2018年12月03日である。
BCEXはカナダのバンクーバーを拠点とした大手仮想通貨取引所である。
公式サイト:https://www.bcex.top/
今後の予定としては以下のようにロードマップに挙げられている。
2019年1Q:ハードウェアウォレットリリース
2019年4Q:提携施設への決済サービスを提供
2020年2Q:世界のハイエンドリゾートホテル等に順次展開
一般の人々にとって、「仮想通貨」という言葉は浸透しても実社会で使用できるかどうかはまだまだ課題がある。しかしキングスが当初から掲げているリンクドコインという概念、ラカラ社との提携等、現在進んでいる動きを見る限り、決済手段として実社会に浸透していく可能性を大きく秘めているのではないだろうかと思わせる。
仮想通貨が「投機」から「実用」へと舵を切らなければいけない昨今の状況で、キングスの取り組みは大きな意味を持つだろう。
今後のキングスの動向に注目したい。
執筆
塚田愼一
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