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ブロックチェーン技術を社会に実装する牽引者になる:ORBS日本事業責任者堀田真代氏にインタビュー!

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「ブロックチェーン技術を社会に実装する牽引者になる」
そう語るのはORBS日本事業責任者の堀田真代氏だ。
ORBSは既存のイーサリアムが持つトランザクションなどの課題を解決する「ハイブリッドブロックチェーン」を特徴としている。この技術を用いることでスケーラビリティが高まり、トランザクション手数料を低く抑えられるためDAPPSを展開しやすくなる。
ORBSの特徴、そして堀田氏が事業に関わった経緯などを伺った。

Orbs社の概要

記者:ORBSの概要をお教えいただけますか?

堀田氏:
まず弊社の歴史を説明させていただきます。
少し複雑なのですが、今まではヘキサグループと呼ばれていました。最近はオーブスグループと呼ばれています。
具体的にはヘキサファイナンス、ヘキサラボ、オーブス、ヘキサファウンデイションという4つの組織があります。それら4つの組織を束ねてオーブスといい、イスラエルで一番大きなグループとなっています。

ブロックチェーン開発に至った経緯をご説明させていただきます。
2013年に弊社のCEOダニエルペレットが世界ではじめてのICOであるマスターコインに投資しました。その後イーサリアムの創設者ビタリック氏にもお会いして、最初の15億円の投資の一部に参加しました。それからブロックチェーンの分野に投資を行うようになりました。

ICOブームが2017年にありましたが、実際はうまく行かないことが多かったです。そこで自分たちでコンサルティングを行うことを考え始め、生まれたのがヘキサラボです。
その後、ブロックチェーンの技術を用いて何ができるか、という話になりました。その話し合いの中で既存のイーサリアムなどのプラットフォームを利用する上で、トランザクションが遅いなどの課題が見えてきました。
そこで自分たちで独自にブロックチェーン技術を応用しようということになり、2017年にオーブスが発足しました。

プロダクションレイヤーとしてのオーブス

記者:独自に技術を発展させたとおっしゃいましたが、具体的にはどのようなものでしょうか。

堀田氏:
それまでに出来上がっていたブロックチェーンとしてビットコインやイーサリアムがあります。しかしそこには当然問題が発生することもあります。私達はそれらのブロックチェーンに欠点があるから悪いとは思っておらず、ただ課題があると思っています。むしろ、イーサリアム等によって作り出されているエコシステムを評価しています。
そこで課題を解決し、より動かしやすいプロダクトレイヤー、イーサリアムの上に乗るようなレイヤーを作り上げました。


歴史的に申し上げますと、インターネットは7レイヤーで動いていると言われています。様々なレイヤーがアプリケーションレイヤーとベースレイヤーの間に存在しています。
しかしアプリケーションレイヤーとベースレイヤーしかないのが今のブロックチェーンです。その間の層を作ることで、既存のプラットフォームの課題を解決し、便利にできると考えています。

ランダムPoSとインテリジェンス•シャーディング

弊社の特徴的な技術として2点上げることができます。

・ランダムPoS
・インテリジェンス・シャーディング

ランダムPoS

イーサリアムや他のブロックチェーンが抱える既存の問題点はセキュリティ、安全面とスピードだと思います。安全面に関してはノードの数が問題になってくると思いますが、私達はPoSにランダム性をつけることで改善を行いました。
イーサリアムはノードが10000強だと言われています。私達のランダムPoSは約1000個あるノードの中から22のノードをランダムに選びます。どのノードが選ばれるかは特定が数学的に不可能なため、ハッキングリスクはありません。


ノードがたくさんあると、安全性は増加しますが、スピードが落ちるというデメリットがあります。一方でノードをへらすと安全面が欠落します。そこで安全面を向上させ、スピードも向上させる方策としてランダムPOSを取り入れました。

インテリジェンス・シャーディング

シャーディング自体は既にイーサリアムでも応用されている技術です。一言で説明すると「交通整備」と言えると思います。例えば、イーサリアムではユーザーがいて、アプリケーションやプロジェクトが混ざっているのが現状です。1つのアプリケーションに不具合が発生すると、他のアプリケーションにまで影響が及んでしまいます。
一方で、私達はアプリケーションごとに「交通整備」をスマートに行います。これがインテリジェンスシャーリングです。

記者:なるほど。イーサリアムを補完しつつ、よりよいプラットフォームづくりを目指しておられるのですね。しかし、ブロックチェーンはまだ新しい技術です。堀田さんがオーブスに関わった経歴を教えていただけますか?

「投資」と「社会」を繋ぐブロックチェーン

堀田氏:

ソフトバンクに入社

2004年にソフトバンクグループ株式会社に入社しました。私は投資と投資先の管理をしており、アリババやアリババのジョイント・ベンチャーを作り、100を超える案件を取り扱ってきました。

2011年には東日本大震災があり、ソフトバンクとしてはネットワークが完全に崩壊してしまいました。仮にネットワークが崩壊しなければ、もっと救えた命があったのではないか。そのような反省から、ソフトバンク社は100億円を東北に寄付しました。
その中で10億円かけて被災地の高校生をカリフォルニア大学バークレー校につれていくリーダーシップ・プログラムを開始しました。900人以上が今まで本プロジェクトの支援のもとアメリカに行っています。私はそのプロジェクトの立ち上げから関わってきました。

イスラエルでオーブスと出会い、理念に共感

この支援プログラムを開催する中で海外の様々な分野の方とお会いする機会がありました。
そこからのご縁で、2017年にイスラエルに行くことになりました。イスラエルはセキュリティ技術が最も発達している国の一つです。そしてセキュリティの中で重要な技術は暗号化技術です。軍で一番大きな部署はセキュリティ分野であるためエンジニアがとても多く、ブロックチェーンが発展するのも不思議ではありません。

オーブスに関わり始めたのは今年の5月からです。それまではイスラエルと日本を繋ぐコンサルタントでした。
オーブスが参加するブロックチェーンカンファレンスがあり、私も参加したところ、オーブスのビジョン+技術力に惚れ込むものがありました。そこで8月から入社しました。
ブロックチェーンの市場を見たときにアジアは大切なマーケットです。特に日本と韓国は優先順位が高いです。オーブスはアジアに働きかける人材を求めており、私も興味があったので上手くマッチングした形になりますね。

ドットコムバブルとブロックチェーン

ソフトバンクで働いていた頃はドットコムバブルが弾けて、落ち着いた頃でした。当時ソフトバンクはメディアへの投資を数多く行いましたが、現在残っているのはITメディアばかりになっています。また取引所やファンドを数多く立ち上げました。それが90年代から2000年台にソフトバンクが行ってきたことです。
私は当時の状況と2018年のブロックチェーンは一緒だなと思っています。むしろスピードは当時より早いと感じます。
だからこそソフトバンクに所属していたときの経験が、ブロックチェーンの分野でも活きてくると考えております。
ソフトバンク時代に築いた「投資」の経験と、震災後に関わった「社会性」のあるプロジェクトの経験。
その2つがマッチしたのがオーブスのプロジェクトです。

ブロックチェーンを社会に導入する牽引者になりたい

記者:今後のORBSのビジョンをお聞かせください。

堀田氏:
ビジョンは設立当初から変わらず、ブロックチェーンを社会に導入する牽引者になりたいです。そのために必要なことは全てやっていきます。

コンサルタントとシステムインテグレーターが不足している

今の市場で足りないのは、基礎技術です。導入が進んだときに、意味がある使い方をしたいと考えています。
今まで大きな企業と提携していくなかで足りない人材が2つあることに気づきました。

システムインテグレーターとコンサルタントです。市場を温めていくにはこの2つのスキルを持った人が必要です。それに加えて、何をブロックチェーンに乗せるのかが大事なので、どのような人とやっていくのかが大切になっていきます。
2019年は未来を一緒に作っていける人と提携していきたいです。

記者:これからの具体的な動きを教えてください。

堀田氏:
まずこれから韓国市場の拡大を行なっていきます。先日、韓国の大手企業kakaoの初の投資先としてオーブスが決定しました。今後はテラやカカオと協力して、3月にプロダクトをローンチしていく予定です。
また春から夏にかけて取引所に上場予定となっています。

記者まとめ

既存の技術に対抗するのではなく、足りない部分を補うレイヤーとして活躍しているオーブス。注目の集まるイスラエル発のプロジェクトだ。既に韓国大手企業カカオとの連携も決定しており、1月には横浜でイベントに参加する。
取引所への上場も間近であり、さらなる発展に期待できるだろう。
今後のオーブス社の動向に注目したい。

インタビュー・記事執筆・写真
塚田愼一

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