米国ではSTOの先行事例がいくつかあるが、各国の法規制等の問題もあり、資金調達の手段として浸透するためには、いくつかのハードルも存在している。今回は、セキュリティトークンの入門知識に絞り、STOの全体内容の把握ができるようなイベントとなった。
日時:2019年1月25日(金)19:00〜21:15
場所:日本マイクロソフト セミナールームB(31階)
講師:中村 真人 氏 | JIN KK 代表取締役
結論:セキュリティはトークンですべて表現できる
・IPO(Initial Public Offering):株式公開
・ICO(Initial Coin Offering):仮想通貨公開
・STO(Security Token Offering):有価証券トークン公開
・この流れをみると、資金を集めたいと言うのが最初の目的
・オファリングとは募集ということ。私募は適格投資家への勧誘だけで、募集は禁止されている。
・1500年頃はSe+Curity=Without+Care(転じて安全性保証の意味を持つ)
・1700年頃には意味が変わり、Security=Get Position(権利を獲得する)
・証券=有価証券+証拠証券
・有価証券のポイントは譲渡性にある
・ICOで発行されるトークンなどのデジタル資産が有価証券だと判断される場合があるというSECの考え方は、1946年に連邦裁判所判決が示した、Howey基準に由来する。
4つの判断基準。
①資金の出資
②共同事業
③収益の期待
④収益獲得がもっぱら他社の努力によるもの
・ICOのスキャムの多発
・トークンが投機的価値を強く持っていること
・以上の二点が主な問題として挙げられており、その解決策としてSTOが生まれた
・長期的にはSTOの重要性が増大すると考えられる
・短期的には法整備が見えないので、不確実性が高くなる
・アメリカでは急速に体制が整いつつある(先日tZEROが取引所をリリース)
・1994年 ネットスケープナビゲーターブラウザー世界拡散開始
・1998年 松井証券ネット証券機能開始
・楽天証券、SBIネット証券、GMO証券、手数料の劇的低下
・自分の判断でトレードできるようになる
・2006年あたりからアローヘッドと、ゴールドマン、モルガンスタンレーのアルゴリズムに個人は刈り取られる。個人投資家にとっては証券市場は実は短期売買に関して公平ではない。
・2008年 11月ホワイトペーパー
・ビットコインはSTOではないが、少なくともゴールドの性質を達成
・2017年 ICOブーム(ICO2000件)
・2018年11月 トークン価格下落
・1994年 Netscape
・1995年 Netscape Nasdaq上場(赤字のままブラウザシェア80%とネットで情報を見れる初期の興奮のまま株価が記録的上昇)
・1998年 AOL Nasdaqを買収
・2000年 光通信ショックから始まる世界ネットバブル崩壊
・2015年 Nasdaq指数ネットバブル時をキャッチアップ
・2018年 IPO数が大幅減
・証券取引所も証券会社もいらない
・世界から投資を集められる
・コードの元の平等
・売買手数料の激減
・世界の有価証券へのアクセス可能
・それまでの証券会社業務の崩壊
・ゲーム好きの若者から億トレーダーが続出
・流動性のあり方。取引が時間拡大によって分散される
・実は流動性が上がるとは限らない
・監査コスト、上場コストの劇的低減
・コンプライアンもコードでどの程度削減できるか
・最初のブロックチェーンはビットコイン
・最初の文字は6000年前のシュメールのトークン
・楔形文字の起源「トークン」:PoW的。やり取りが残せる、価値が残せる
・それぞれのトークンは「羊一頭」などに対応しており、物品の管理や商取引のために使用。集落の規模が大きくなり都市化が進むと、記録すべき物品の種類と量が増えて、トークンを大量に保管するのが負担に。そのため、トークンに刻んでいた文様を、粘土板に刻むようになったのが楔形文字に発展したと言われる。
・仮想通貨がプログラム可能なお金なら、セキュリティートークンはプログラム可能な所有権である
・本質的に所有特性を示しトークン化される可能性のある資産(株式、不動産など)
・伝統的な証券の規制の枠組みを、ブロックチェーンの中核となる効率性(自動化、相互運用性、最終生)に置き換える
・現在の公共の金融市場のインフラの効率化を図れる
・ロングテール金融市場の実現性と民主化を行う
今回のイベントはSTO入門ということもあり、セキュリティトークンの基本、STOとはなにか、そしてSTOがどのような文脈の中にいるのかを学べる機会となった。AnyPay社がSTO関連サービスを立ち上げ、tZERO社がSTO関連の取引所を解説するなど、2019年に日本でもSTOが注目される中で、とても重要な講演会であった。今後のSTOの動向に注目したい。
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