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イベントレポート:アジア最大級のブロックチェーンイベント、ジャパンブロックチェーンカンファレンス(JBC)

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2018年6月に東京で開催されたジャパンブロックチェーンカンファレンス(JBC)の第2回が開催された。

カンファレンスではブロックチェーン業界のキーパーソンによるセミナーや講演会が行われる。また、展示としては国内外の有力企業・団体によるブースが設けられている。各企業や来場者が有益な情報を共有する国内最大級のカンファレンスとなった。

今回は記者が注目したいくつかの企業に焦点をあてる。また、STOについてのトークセッションの様子もお伝えする。

イベント概要


名称: Japan Blockchain Conference(JBC) – YOKOHAMA Round 2019 –
主催: 一般社団法人グローバルブロックチェーン協議会
日程: 2019年1月30日(水)・31日(木) 9時~18時
会場: パシフィコ横浜 ホールB

Orbs


ORBSは、イスラエルの実業家であるDaniel Peled、Uriel Peled、Tal Kolの3人によって2017年にイスラエルで誕生した。
イスラエルは多くの実業家や、セキュリティ分野に特化しており、ブロックチェーン分野でも多くの企業が展開している。
ORBSは既存のイーサリアムが持つトランザクションなどの課題を解決する「ハイブリッドブロックチェーン」を特徴としている。この技術を用いることでスケーラビリティが高まり、トランザクション手数料を低く抑えられるためDAPPSを展開しやすくなる。技術面ではランダムPoSとインテリジェンス•シャーディングという技術を導入。既存のブロックチェーンがもつトランザクションの重さや、安全面を大きく改善する。

ZAKZAK


ザクザク取引所はIEOプラットフォーム作成を目指している暗号通貨取引所である。「IEO」とはトークンの販売や配布を取引所に委託して資金調達する方法のことである。

今回は同社の開発した新しいセキュリティの展示が行われていた。カードとウォレット両方が組み合わさって始めて取引が可能なため、どちらかが盗難されても情報」を盗まれることはない。カード、ウォレットそれぞれが個別であっても意味がないのである。
展示ではスマホにカードをかざすことで、鍵が生成され取引が行われる様子を見ることができた。

SIRINLABS


「FINNEY」はAndroid端末となっており、独自の「SIRIN OS」が搭載されている。
「SIRIN OS」ではコールドウォレットが搭載されており、仮想通貨やブロックチェーン関連の機能が実装。世界初となるブロックチェーン活用のスマートフォンであることから、発売前から「FINNEY」に多くの注目が集まっていた。

同スマホは999ドル(約10万9000円)で販売されており、内蔵されたコールドウォレットを使用できる他にも、DAppsストアから分散型アプリをスマホ内にダウンロードして遊ぶことが可能である。
本イベントでも展示されており、購入することが可能であった。また、今年4月から6月を目処に東京での店舗販売やAmazonでの販売も予定。

【パネルディスカッション】「STO・証券 × Blockchain」

登壇者:写真左から、J・トッド・モーリー(Y2X / 共同創業者)、石黒 不二代(ネットイヤーグループ / CEO, Y2X / アドバイザー)、マンミート・シング(EMURGO / CIO)、デイヴ・シューラー(Y2X / 共同創業者)

マンミート・シング氏:
ICOで何がおきたか。それは、あまり成熟していないマーケットとホワイトペーパー、技術の裏付けもない夢と紙があっただけです。
しかしその紙を投資家に渡した時、ベンチャーキャピタルにスポットがあたった。テクノロジーからさまざまな富を手に入れられた。その方法が中産階級以下の人に夢を与えました。

今後ICOに戻ることはあり得ないと思います。STOは新しいブロックチェーンの技術であり、本来なら仲介が必要だが、それをなくすことができる。

STOによって改善可能ということは、今までの株式やサービスで実際に問題があったということです。トークンにするとき証券化できるかどうかは、金融や法律などさまざまな障壁にチャレンジしていく必要があります。

J・トッド・モーリー氏:
ブロックチェーンがどのようにスタートアップにとってブラスになりますか?

石黒 不二代氏:
日本について考える時、文化の違いをみています。例えば、アメリカと日本のIT業界は違うゆえにアメリカにおいて勝者になれる人が日本では敗者になることもある。その主な理由としては、日本における金融サポートがまだ未成熟だからです。
既存のIPOの構造は適切ではないです。その点、STOは安く機会を提供する点で優れています。

J・トッド・モーリー氏:
セキュリティトークンを規制の中で実装していく上での課題がありますか?

デイヴ・シューラー氏:
技術的には課題に対して解決策はもうあります。セキュリティトークンは規制に伴ってできている。セキュリティトークンスペースという考え方があって、アセットクラスが異なり、様々な見方がある。そこであらたなアセットクラスを作れます。

J・トッド・モーリー氏:
安倍晋三首相にブロックチェーン等ついて相談されたらどのように答えますか。

石黒 不二代氏:
今までより更にブロックチェーンに注目してください。ICOとブロックチェーンは全く違うものです。そしてSTOは資産をデジタル化し、より多くの人が電子化社会に参入できるようになります。そうすれば、より多くの人が新たな資産の形を活用することが出来るようになります。

記者まとめ

ブロックチェーンという技術に対して、さまざまな企業が独自の方法でアプローチしている。年末の市場の冷え込みはあったものの、関連企業は取り組みを続けていることがわかった。イベントは活気にあふれ、多くのブロックチェーン関係者が意見を交換した。
各国がブロックチェーンや、仮想通貨に取り組む中で、STOやIEOといった新たな仕組みも活用されている。ブロックチェーンの今後の動向に注目したい。

記事執筆:塚田愼一

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