背景昨今、学位や職歴、研究データ管理などに対するブロックチェーン技術の適用可能性の検討が様々な機関や企業によって行われているが、具体的かつ有用なサービスとして社会実装できている事例は乏しいというのが現状である。そこにはブロックチェーン固有のユーザビリティやコスト、スケーラビリティなどの課題がありブロックチェーンを活用したサービスの普及を妨げている要因の一つとして存在している。実施内容今回構築するコンソーシアムモデルのブロックチェーンは、特定の事業領域に関係する限定された数の企業のみが検証者(バリデーター)のノードとなってブロックチェーンを運用することで、コストの削減やスケーラビリティの課題を軽減することができるプラットフォームとなっている。本ブロックチェーンでは、HR分野で取り扱われる情報領域にフォーカスし、職歴情報や学歴情報など人材に関する様々なデータの証明情報を記録し、ユーザーがデータの所有権とその内容について自分自身で証明情報を確認できるチェーンを運用していく。本プロジェクトでは、エン・ジャパンおよびSKILLが分散してノードを運営し、SKILLと日本マイクロソフトが共同研究で構成の検討や検証を行い、コンソーシアムチェーンに関するインフラ面およびビジネスサポートの実サービス化を行う。また、日本マイクロソフトはAzureにおけるブロックチェーンの技術支援を提供し、3社は連携してコンソーシアムの運営におけるブロックチェーンの技術的な課題や運営課題の整備などを行うと言う。今後の計画最初のコンソーシアムチェーン活用計画として、SKILLから職歴情報の証明に関するサービスをリリース予定である。また、エン・ジャパンは人材の採用、教育、評価事業とブロックチェーンを連携させることで、さらなる「入社後活躍」の実現に寄与できる事業の検討を進めていく。日本マイクロソフトは、パブリッククラウドサービス Microsoft Azure をベースとしたブロックチェーン技術の社会実装拡大に向け、引き続きHR分野を含む各事業領域におけるコンソーシアムチェーン運営の技術支援を行っていく。コンソーシアムチェーンはどこか一社が権限を持つプラットフォームではなく、複数社によって共同で運営されるものと考えており、今後HRの分野でブロックチェーンを活用したいと考える企業にプラットフォームを開放しご利用いただくことを想定していると言う。