近年、脱炭素社会やESG投資といった社会の関心の高まりを受け、企業や自治体が消費電力を再生可能エネルギーで100%賄う「RE100」を目指す動きが世界的に広がりを見せている。一方、発電所で作られた電力は、電力系統*6に集約され企業や個人などの消費者に届けられるため、従来型の電気供給サービスでは電気の由来がわからず、再生可能エネルギーの産地証明が課題となっていた。
オリックスは、太陽光や地熱、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーによる発電事業開発を積極的に展開し、全国に分散型エネルギーネットワークに資する電力供給施設を運営している。東京大学は、ブロックチェーン技術等を用いた電力流通システムの研究をもとに、再生可能エネルギー導入を促進する新たな電力流通サービス開発基盤を研究しており、今回の共同研究に至った。
両者は、今後も社会環境の変化を見据えて、バランスの取れた再生可能エネルギーの普及と、分散型エネルギーネットワーク社会の実現に貢献していくと言う。
*1 分散型ネットワーク:大規模な発電所から集中して電力を供給する「集中型」に対し、比較的小規模で地域に分散している電力を近接地で利用すること。
*2 同時同量:電気はそのまま貯めておくことが難しいため、供給量と需要量を30分間の総量で常に一致させておくこと。
*3 REマイレージ(アールイーマイレージ):Renewable Energyマイレージの略。エネルギーの輸送距離を定量的に把握すること目的としたシステム(オリックスにて商標登録手続き中)。
*4 DR(デマンドレスポンス):従来は電力需要に合わせて供給側が電力量を変動させていたのに対し、需要家側が需要量を変動させて同時同量にすること。
*5 VPP(バーチャルパワープラント):小規模な発電所をIoTで制御して束ね、一つの仮想発電所のように機能させること。
*6 電力系統:発電所から電気を消費者に届けるための、発電、変電、送電、配電までの一連のシステム。
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