しかし、少々のミスが原因で大きな失敗につながるリスクも伴われています。
そこで今回は、インフルエンサーマーケティングの失敗事例から学べることを紹介します。
そもそもインフルエンサーには2種類あります。「マイクロインフルエンサー」と「メガインフルエンサー」です。前者は10,000人程度のフォロワー数を持つユーザーで、後者は50万人〜150万人ほどのフォロワー数を持つユーザーであると定義されています。
フォロワー数が多ければ多いほど、たくさんの人の目に止まるのは事実です。しかし、『フォロワー数=ファン数』という方程式は必ずしも正解とは限りません。実際、マイクロインフルエンサーはフォロワーの4%〜8%からしか”いいね”(like)を貰っておらず、メガインフルエンサーに至っては平均2%以下となっています。
フォロワー数はそのままリーチ数となるため、一つの指標ともなりますが、多くのフォロワーがどのような人たちなのかが大きな問題となります。
過去に女性向けの商品を女性インフルエンサーにお願いし、拡散こそ伸びたもののアクセスに伸び悩んだという事例がありました。理由は、その女性インフルエンサーのフォロワーのほとんどが男性であったことです。当然、女性向け商品を男性ユーザーに発信しても、商品購入にはつながりません。フォロワーの数が多いからと期待した結果、商品に魅力を感じる真のファンへのアプローチに失敗した最たる例と言えます。
すなわち、売り出したい商品やサービスが、インフルエンサーのフォロワーに突き刺さるものであるか否かが重要な点となっており、フォロワー数の多いユーザーを起用すれば売れるというわけではないようです。
これはインフルエンサーとなる人のセンスにかけられることですが、投稿される記事や写真が面白くなければ拡散しにくく、いいねもつきません。
いくらフォロワー数が100万人を誇るようなメガインフルエンサーであっても、クリエイティブな要素に欠け魅力を感じられないものであれば、人気が出ないのは言わずもがなです。
むしろ、無名のユーザーが面白いものを投稿すれば、万単位で拡散され、一躍ホームランを打つことだってあります。
人に見せたい、誰かに共有したいと思わせるような投稿が注目されやすく、まじめで正当な写真を見てもシェアしようとは思わないでしょう。
つまり、インフルエンサーの属性や拡散力以前に、そのインフルエンサーがいかにクリエイティブで面白いか、 拡散したくなるような投稿を行っているかが、売れ行きにつながっていきます。
ステマとは、ステルスマーケティングの略であり、消費者に宣伝であると気付かれないように宣伝行為をすることです。インフルエンサーマーケティングはきちんとした”広告宣伝”なので、ステマとは違います。
しかし、ステマであると認識されてしまうと、炎上はおろかフォロワーからの信頼を失い、商品やサービスが全く売れない状況を生み出してしまいます。そのため、ステマ対策は怠らず行っておく必要があります。
ステマにならないためには、主に以下の対策が必要です。
ステマは消費者をだます行為に値するため、ユーザーの誤解を招かないように広告および宣伝であることを明らかにしておく必要があります。たとえば、インフルエンサーが投稿する際に、必ず「#PR」といったハッシュタグをつけるなど、対策を整えておくことが重要です。
数年前、ペニーオークション事件が話題となりました。多くの芸能人が広告であることを明示せず、ペニーオークションで落札したことをブログで報告したことが問題視され、ペニーオークションは消滅。サービスがなくなったことだけでなく、このステマ案件に協力した芸能人たちも表舞台から消えゆく人が続出する事態となりました。
このように、ステマ対策がなされていないと、商品やサービス、インフルエンサーなど、多くに寄せられた信頼が一気になくなり、マイナス効果となってしまうため、ステマ対策はきちんと行っておきましょう。
いかがでしたでしょうか。今回は「インフルエンサーマーケティングの失敗事例から学ぶこと」について3つほど紹介しました。
起用するインフルエンサー選びを誤ると、マーケティングに失敗する可能性が高く効果に期待できません。場合によっては炎上するリスクもあります。
インフルエンサーマーケティングを実践する際には、まずはアプローチしたいユーザーをフォロワーに持つインフルエンサーであるかどうかを慎重に選びましょう。