これにより、大枠ズレのない検討を進めることが可能となる。
①自分がやりたいこと
薄っすらでもやりたいことや方向性があればしっかり考慮して欲しいのだが、この記事を見ている方の多くは現時点ではあまり明確になっていない方が多いと思われる。
ただ、現時点ではなければないで問題はない。
②自分ができること/得意なこと
自分ができること/得意なことをしっかり棚卸し/整理すると、③と重なる部分が見いだせてくるはずで、一旦はそこをスタートに検討を進めれば良い。また、自己研鑽を通じて②のできること/得意なことが増えてくると、自分がコントロールできる領域が色々と広がってきて、結果としてやりたいことも明確になってきたり、湧き出てきたりするものだ。まずはスタートラインに立つための準備として、自己分析を行い、社会や世の中における、今の自分の立ち位置を正しく認識することから始めよう。
③社会や世の中から求められていること
そもそも世の中のことを正しく知ることが必要だ。世の中の企業や事業、業種や職種、働き方などをしっかり勉強し、まず最低限の知識や見識を持たないと、今、何が世の中や社会から求められており、需要があるのか想像をすることは難しい。世の中の需要を知るには、日々ニュースなどを能動的に吸収しにいけば、自ずとできてくるはずで難しいことではない。この時、自分の興味がある分野だけを見るのではなく幅広く見る様にすると尚良いだろう。現時点で「①自分がやりたいこと」が明確ならば特定分野に絞るのも良いが、明確で無いならば、興味のある分野以外の情報から得られる気づきも多いからだ。
二つ目:
②のできること/得意なことを増やしていく際には、現状の自分ができることや、得意なことを「掛け算」した際に、その結果が最大化しそうな親和性の高い能力やスキル/経験を得ることにフォーカスしていくことだ。
人材としての希少性や市場価値は、「掛け算」によって確実に高めることができる。
例えば新規事業の企画立案を自分の武器(強み)とした場合、企画力に特化した外資系コンサルティング会社に「企画力」という単一の武器だけで勝つのは、余程の才能がない限り困難を極めるだろう。また同じ領域で同じ努力をしている人が居たら、経験年数が多い人に勝つことも難しい。その場合、新規事業の企画立案×営業力×グロース/システム/etcといった具合に、他の要素を掛け算をすることでシナジーが生まれたり、ビジネスシステム上の前後の部分を掛け算して加えることで、一気にその価値を向上させる、又はオンリーワンのものに昇華させることができる可能性が高まる。
つまり、現状の自分のできることや得意なことを正しく把握した上で、それだけに時間を費やすのではなく、相性が良い他の能力を並行し向上させることが、結果として非常に価値の高い人材になることの近道になるはずだ。
これらは俗に言う、I字型人材→T字型人材→Π字型人材へと、求められる人材のタイプが進化してきているのとほぼ同義と捉えて良いかと思われる。こういった自分の成長プランを自らで描く力、キャリアをデザインする力も大切な能力/スキルの一つで、中長期目標が決まらないという方は、まずはこの能力/スキルを養うことを目標にし、上記を参考に取り組んでみてはいかがだろうか。