実際に組織に導入するに当たっては、それぞれの個人が納得しないとその効果を発揮できません。そのため、OKRについての説明、現状の手法での問題点、期待される改善点などを詳しく従業員全員に説明して理解を促します。
②企業目標の設定
目標は1つではなく、3〜5個設定します。「Aを実装する」「Bをn個制作する」など、具体的で客観的に達成していることが判断可能なものにします。「Cを継続する」「Dを維持する」など現状維持的な目標は適しません。
③企業成果物の設定
目標1つごとに、成果物を3個程度設定します。「Eをする」という行動だけではなく、「Eをした結果をFする」というように行動の成果に関して設定します。
ここまでの目標と成果物の設定を合わせて「OKR」の設定と呼びます。
④チームごとのOKRの設定
企業のOKR設定のあとは、さらに細分化して企業に属するチームごとのOKR設定を行います。
各チームのOKRは、組織のOKRの少なくとも1つと関連しているようにします。
⑤個人ごとのOKRの設定
チームのOKRが設定できたら、チームに属する個人のOKRを設定します。ここまで終わると、個人に設定されたOKRが、企業の目標に自然と紐づいています。
⑥期間途中での修正
期間の途中でも、チームのメンバー等で適宜集まって進捗状況をやりとりします。
互いにコミュニケーションを取りながら改善点などを指摘し、必要に応じてその方針を修正します。
⑦達成度の評価
期間が終了した時点で、それぞれの成果指標の達成度を0.0〜1.0の間で数値化します。目標の達成度は、それらの平均値で算出します。
前述の通り60〜70%達成できる目標設定が望ましいので、ここでは目標の達成度の数値が0.6〜0.7になっているのが望ましいといえます。計算した達成度に応じて、次期のOKRの設定や難易度の修正を行います。
OKRを導入する上で注意しなければならないことがあります。それは、達成度に応じて報酬を決定してはいけないということです。OKRでは、完全には達成できないレベルの大胆な目標を設定することに意味があります。もちろん達成度を高めるために努力することは重要ですが、達成度がそのまま努力や能力に直結しているわけではありません。また、達成度に報酬を関連させると、達成度を高めるために簡単な目標を設定してしまう可能性があります。
OKRは、組織の目標達成に非常に有用な手法です。ぜひ、みなさんの組織でもOKRを導入してみてはいかがでしょうか。
●Google re:Work – ガイド: OKRを設定する
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/set-goals-with-okrs/steps/introduction/
●OKRとは? 【Google、Facebookが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い、導入・運用・目標設定方法について解説 – カオナビ人事用語集
https://www.kaonavi.jp/dictionary/okr/
●Googleも採用!目標管理手法「OKR」とは?無料で試せるツール3選
https://www.hito-link.jp/media/column/okr/okr_tool