景気変動、法律の改正、人口や流行の変化などを追います。ここでよく使われるフレームワークとしてPEST分析が挙げられます。
PEST分析は、「政治的要因(Politics)」、「経済的要因(Economy)」、「社会的要因(Society)」、「技術的要因(Technology)」の4つの観点から行う分析で、これらの要因の変化を明確化することができます。
PEST分析について、詳しくは下記の記事で説明しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
新規事業担当者必見!ビジネス分析フレームワーク「PEST分析」とは?事例を交えて紹介します。
ミクロ分析
業界内の構造変化に着目し、自社への影響を検討します。ここでは5フォース分析が有効になります。
5フォース分析は、下記の5つの要因に着目して行う分析です。
顧客分析
マクロ分析とミクロ分析で得た情報を元に、これらの変化が顧客の価値観やニーズにどのような変化を与えるのかを分析します。顧客の動向を分析することで、顧客の消費行動や購買行動の把握へと繋げていきます。
ここでは、アンケート調査やユーザーテストが有効なようです。
次に、市場の変化に競合がどのように対応しているかを明らかにするため、競合の分析を行います。ここでは、競合他社が出した「結果」と「要因」の2軸で考えることが鍵になります。
「結果」では、売上や、営業利益率、コストなどに着目することで、競合がビジネスでどれほどの成果をあげたのかを把握します。
「要因」では、ROE(自己資本利益率)や、社員1人当たりの売上、顧客1人当たりの売上などに着目することで、競合他社がいかに効率よく「結果」を出したのかを把握します。
また、競合が採用している高い効率を生み出す仕組みを調査します。優れていると感じた部分は継続的に調査し、自社のマーケティングに取り込んでみると良いかもしれません。
ここまで行った顧客・市場の分析、競合の分析を踏まえて、自社の分析を行います。市場の変化や、市場の変化に対する競合企業の対応と自社を比較することで、自社が取るべき行動について考えます。
経営資源、売上高、資本力、既存事業の現状など様々なポイントに着目しながら、自社の強み・弱みやKSF(成功要因)を把握してみましょう。
SWOT分析を実際に活用してみましょう。今回は、高級住宅街で喫茶店を個人経営するケースを例にして考えてみます。
全日本コーヒー協会(http://coffee.ajca.or.jp/)の調査によると、2017年の国内コーヒー消費量は昨年比1.7%減少しましたが、長期的に見るとコーヒーの消費量は増加傾向にあり、コーヒーを飲むことが習慣化していると考えられます。
また、高級住宅街の中には主婦層の方もいらっしゃるでしょう。そのような方々は、仕事の合間に喫茶店に寄るサラリーマンとは違い、気兼ねなく長居して友達と会話ができる喫茶店を求めているとも考えられます。
ルノアールやスターバックスなど、価格設定が高めのコーヒーチェーン店が競合として挙げられるでしょう。これらのお店の強みとしては、コーヒーに限らず多種多様なドリンクを楽しめたり、Wi-Fiが完備されていたりといったことが挙げられます。逆に弱みとしては、個人経営のお店と比べると店内があまり落ち着いていないことがあります。
また、コーヒーチェーン店のみならず、他の個人経営の喫茶店も競合として考えられます。個人経営の喫茶店の特徴としては、例えばオーガニック製品を扱っている、ケーキも一緒に提供している、などがあるかもしれません。
これらのお店に日頃どの程度お客さんが来店しているのか、また従業員はどれほどいるのかなども合わせて、調査を通して競合他社の特徴を把握します。
ここまでの分析結果を踏まえ、自社はどのような対応するべきかを考えていきます。
1つの案として、高級志向な主婦層をターゲットとし、居心地の良い店舗作りをすることが挙げられます。店内が落ち着いた雰囲気になるよう、BGMや雑貨などを工夫し、また雑誌や新聞などを置いてみても良いかもしれません。今回は高級志向の主婦層をターゲットとしているので、コーヒーは高めの価格設定でも問題ないでしょう。味にこだわったコーヒーを提供し、競合他社との差別化を図ります。
また、競合である個人経営の喫茶店を分析した結果、良い仕組みがあれば取り入れたり、そのお店のイメージに被らないような商品を提供したりしても良いかもしれませんね。
ここまでの分析結果をまとめた表が下記になります。
3C分析を行うと、自社だけでなく、顧客や競合の状況を把握することができます。
自社が今後どのような策を取るべきなのか迷った際には、状況整理のために3C分析を活用してみてはいかがでしょうか?
引用