前述の「リベラルアーツが必要な理由」と重複する箇所がありますが、リベラルアーツを理解するためには、大まかに捉えて以下の3つの軸を大切にしなければなりません。
まず、過去の経験をもとに掴んだ膨大なデータと、自分が実行したいもののビジョンを照らし合わせ、実現可能なものに作り上げていくには何をしたら良いのかと考えることが重要です。専門的知識を根拠に決断することで、しっかりとした設計図が完成されます。
また、それに向けより大きな決断を下したり形を具現化させたりするために、専門分野と共に専門外の知識も動員し、しっかりとした根拠を基に軸を持たなければなりません。
これに加え、人間の思考の軸の根本を養う教養を持つことで、抽象的なことを論理立てて証明できたり、ビジネスで起こるさまざまな事象のつながりを読み取ったりできる能力が養われます。
すなわち、これら3つの軸を持っていれば、ビジネスパーソンとして新たに開拓する領域にもチャレンジすることができ、それを実現化させられる可能性も大いに上がるということです。
リベラルアーツの根本は”一般教養”です。リベラルアーツを身につけることによって生まれることは、主に以下の3つとされています。
AIの進歩が著しい昨今。将来的には現在人間が行っている仕事の多くが、AIに代替されてしまうと予測されています。しかし、AIは物事のやり方を覚えて正確に実行できるという利点がある一方、ゼロベースから物事を形成することは不可能です。0から1を作り出すクリエイティブな力は、リベラルアーツを身につけた人間にしか勤まりません。
また、AIはあくまでロボットに等しいものであるため、仕事の効率化を図ることはできても、感受性を持った人間同士の意思疎通は図れません。ビジネスパーソンとして活躍するためには、仕事上のスキルはもちろんですが、それ以前に”人間力”が求められます。人間力は、いかほど一般教養を持ち合わせているかによって左右されることもあるため、リベラルアーツを身につけることで、コミュニケーション能力を養うことも大いに可能です。
コミュニケーション能力のほかにも、AIやロボットは他人を導いていくリーダーシップは図れません。リベラルアーツを身につけることによって、人間同士の円滑なコミュニケーション能力が向上し、ひいてはリーダーシップを養うこともできます。
近年、AIやIoT、ビッグデータなどのコンピュータサイエンスがますます進化しており、従来人間が行っていた作業を機械が網羅する時代へと突入しています。そんな時代だからこそ、人間にしか発揮できない能力や知識が必要です。リベラルアーツを身につけることで、創造力やコミュニケーション能力、リーダーシップなど、人間だからこそ手にできる力を蓄えてみてはいかがでしょうか。