観光庁「テーマ別観光による地方誘客事業」にも選ばれた全国ご当地マラソン。中身はとてもシンプルで、マラソン大会を開催し、コースに沿ってランナーに地方の特産や名産品などを提供するというものです。
たとえば、山形県で開催された”さがえ”さくらんぼマラソン大会では、アンケートに答えると抽選でさくらんぼがもらえたり、石川県で開催された”金沢マラソン”では、給食所に和菓子や練り物、金沢カレーなどの名産が並んだりします。
今や開催場所は全国津々浦で、さらに観光庁の助成事業にも認定されるほどにまでなっているご当地マラソンが成功した理由とは何なのでしょうか。
日本生命本部が発表している「レジャー白書2017」曰く、ジョギング・マラソンを余暇活動に当てている人口は2,020万人とかなりの人数が参加しています。マラソンをする理由に、一人で出来る、お金がかからないなどが挙げられています。他のスポーツだと道具やウェアなどの出費が重なるなか、マラソンはシューズとウェアだけで気軽に楽しむことができます。
ご当地マラソンという名前のため、もちろんマラソンがメインですが、その土地ならではの名産品を手にできることから、ちょっとした旅行気分を味わうことができます。
実際にそこへ行かないと体験することのできない、味わえない空気というのがあります。走りながら地域の空気を手軽に体験できるというのは、非常に魅力的なものです。
国内で暮らす外国人向けにさまざまな仕事を紹介するサービス「YOLO JAPAN」。内容は多岐に渡るもので、製品モニターから正社員の仕事まで、あらゆる業種が存在しています。
従来であれば、各国に人を派遣して、コストをかけて集めていた情報が、すべて国内で収まるという新しいビジネスとなっています。
YOLO JAPANに登録している外国人の数は、すでに200ヵ国を超えているそうですが、なぜうまく機能しているのでしょうか。そこには大きく2つの理由が潜んでいます。
今や256万人以上の在留外国人がいる国内において、これまで”外国人だからできること”は英会話教室の講師など限られたもので、日本人でもできる仕事が主でした。しかし、外国人のみを対象にしたこのサービスでは、これまで以上に日本に住む外国人の働き方が充実したものとなり、これまであるようでなかった魅力的なものとして認識されています。
YOLO JAPANは他の求人サービスと同じく、カテゴリーに該当する人を集め、集めた人を母体に企業などから案件を受けることから、サービスの仕組み自体は0ベースのものではありません。
ただし、それらを集める人(対象)は、ビジネスマンや家庭の主婦、就活学生といったものであり、一般的なサービスの仕組みの対象を変える発展性から、事業としての話題性は拡がり、活用する人の増加にもつながったといえます。
美容室並みに時間のかかるネイルサロン。ついているネイルを外し、甘皮を剥がし、ネイルの表面を整え消毒、クリアジェルを塗るなど、色々なプロセスを費やすのに約2時間かかるようです。
その中でも最も時間のかかる作業はネイルアートを描く時間であるといい、その時間を”プリンター”を用いて短縮する新しいサービスとして誕生したのが「INAIL」(アイネイル)です。タッチパネル方式で使用でき、ネイルの経験があまりない人でもすぐに利用可能。人手不足を逆手に取ったニュータイプのものとなっています。
成功したどんなビジネスモデルにおいても共通していることですが、絶対的な需要があるという点がまず大きなポイントです。女性にとってネイルはおしゃれアイテムの一つであり、実際にネイルサロンに通う女性の数も多いため、絶対的な需要があります。ネイル市場の競争が激しく、なかなか儲からないと言われている昨今において、少しアプローチ方法を変えただけで、急激な売上と利益を誇っています。
先に述べた通り、人手不足を逆手に取ったINAILでは、ネイル作業を行うものが人から機械に置き換えられたものです。今や経理処理の代行をクラウドに任せ、人件費削減に打ち込んでいる企業はかなり多いことでしょう。それと同様に、機械に置き換えることでコストとタイムを減らすことができ、また自動化を搭載したことにより、回転率アップ、顧客増員にもつながっています。
自己負担たったの5万円で結婚式が挙げられるという新しいビジネスモデル。結婚式と聞くと、お金がかかるイメージを持ちがちです。出席者の人数にもよりますが、結婚式の平均費用は150万円〜300万円ほどなので、結婚式を挙げないというカップルも少なくありません。
会費婚では、こうした結婚式にまつわる常識を覆した仕組みを提供しています。たとえば、結婚式の費用はすべて後払いであったり、自己負担の5万円以外はすべて出席者からの会費(ご祝儀)として回収できたりします。
結婚式を挙げないまま夫婦生活をスタートさせるカップルは少なくありません。実際、3〜4組の既婚カップルのうち1組は結婚式を挙げていないようで、その多くは金銭的な理由をもとに挙げていないようです。とはいえ、結婚という文化や儀式そのものに抵抗があるという意味ではなく、低価格で済むのであれば結婚式を挙げたいと答える人も多くいます。そのため、「結婚式は挙げたいけどお金がない」という方のニーズに対応したサービスとなっています。
テレビや新聞などでも紹介されたことのある「変なホテル」。その名の通り、普通のホテルとは違った”変な”特徴があります。
ホテルのフロントには、多言語対応のロボットがチェックイン・チェックアウトの対応を、クロークではロボットアームが荷物を預り、部屋まで届けるというサービス内容となっています。
ロボットを活用することは、単なる物珍しさだけでなく、なんといっても人件費削減および人手不足の解消につながります。政府が積極的に進める「同一労働同一賃金」を背景に、今後ますます人件費負担は上がっていきます。2025年には年金保険料など社会保険料も国民負担率が56%になると言われており、人を雇うコストは右肩上がりとなる一方です。
そんな中、ロボットの導入は安定して仕事が回せるように業務の見直しが行われ、結果として効率的なビジネスとして働き、さらなるコスト削減が見込めます。
さて、今回は「新規事業立案の参考になるビジネスモデル集」と題して、過去の事例から5つのビジネスモデルを紹介しました。
成功する新規事業にはいくつかパターンが存在します。対象となるサービスや製品において絶対的な需要が含まれていたり、あったらいいなと思える未開拓なモノであったり、人件費削減につながったりとさまざまです。
みなさんも今後、新規事業を立ち上げる際には、今回紹介した5つのビジネスモデルを参考に取り組んでみてはいかがでしょうか。