出典:平成 27 年度我が国経済社会の 情報化・サービス化に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)|経済産業省
とりわけ日本からの購入額にフォーカスしてみると、米国は5,381億円、中国は7,956億円となっています。経済産業省による上の図を見てみると、2019年には米国市場が1兆4,193億円、中国市場は4兆8,145億円にまで成長する見通しが立てられており、その結果、米国の越境EC市場は日本の4倍以上、中国の同市場は14倍以上となる見込みです。
越境ECは商圏が制限されないため、日本企業の海外進出および新たな販路開拓として、海外の新規ユーザー獲得による売上拡大に期待できます。国境の越えて行われるため、もちろん市場規模は巨大なものとなりますが、幅広いターゲット層にアイテムを販売することが可能です。また、現地で直接実店舗を経営するよりも、ECサイト上で運営を行う方がはるかにハードルが低く、参入の手軽さも実感できるでしょう。
海外の新規ユーザーを獲得できるチャンスがある上で、やはり言語の壁が問題となります。自社のアイテムの説明をターゲットとする国の言語にしっかり翻訳する必要があるため、販売のみならず、ECサイトには欠かせないサポート対応も検討しなければなりません。また、先進国であればクレジットカードの対応可ですが、クレジットカード決済ができない国もあるため、各国に適した決済方法を導入しておく必要があります。
海外のユーザーに向けて行う越境ECでは、多言語に翻訳することでターゲットの有用性を高める必要が生じます。自社サービスや商品をECで売る際、英語はもちろんのこと、他にどの言語を対応させるべきかの判断も行わなければなりません。自社のビジネスチャンスがどこの国に存在するのかを調査し、翻訳する言語が決定したら、自社のサイトをその言語に翻訳します。
また、カスタマーサービスが必要となる場合もあり、越境ECを展開する上で販売先の国のユーザーからサービスや商品に関する連絡がくることを想定した準備も行いましょう。
越境ECを通じて海外ユーザーに向けてサービスや商品を売り出す際、きちんとニーズが含まれているのかを調査します。世界のどの地域のユーザーに興味を持ってもらえるのか調べるためのアンケート調査は必須であり、商品を翻訳する場合にもそれらが売れる見込みがある地域の使用言語に翻訳することで、高い売り上げを目指すことが可能です。
先に述べた通り、先進国であればクレジットカード決済のみで対応できることが多いですが、クレジットカード払いではなく銀行振込や現地のローカルな決済方法に対応せざるを得ない場合もあります。中国の銀聯カードは日本でいうところのデビットカードで、決済と同時に預金から引き落としが発生するサービスです。国内ではあまり馴染みのないものですが、中国では日本のクレジットカードよりも普及率が高いといわれています。
こうしたローカル決済システムにも対応する必要があるため、どの地域のユーザーにどの決済方法で対応するべきか、あらかじめ調べておきましょう。
さて、いかがでしたでしょうか。
越境ECは、国境を越えてビジネスを展開させるため、法律や言語、異文化など、各国に適した対応を行わなければならないのが壁となります。
しかし、多くの海外新規ユーザーを獲得できるチャンスも含まれており、今後もますます市場規模が拡大し続け、特に日本からの購入額が米国・中国を中心にどんどん高まっていく、今まさに注目が寄せられている市場の一つといえます。
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