新規事業のアイデアが固まっても、誰のためのモノなのかを明確にしなければ、戦略的なアプローチは不可能です。価値を提供する対象となるターゲットをきちんと定めておきましょう。
それに際して大事なのが、「5W2H」の活用となります。
もちろん、Who(誰が)を考えるのに最も時間を要するべきですが、具体的に製品やサービスを手にするターゲットが、どのような場面で活用するのかを考えることも重要です。
新規事業の基盤が固まった後に起こり得るのが、既存事業と競合する可能性を考慮し、事業化を承認してもらえないというケースです。
いくら魅力的なアイデアが詰まっていたとしても、事業化の承認が通じなければ実現させられません。既存事業を起点に、なぜこの領域で新たな事業を立ち上げる必要があるのかを周囲に納得してもらうためには、既存事業と関連させて説明しておくと合意を得やすくなります。
事業化の承認が済んだ後、いざ実現させようと思ってもお蔵入りになってしまったという事業はこれまでいくつもありました。新規事業は企画段階でビジョンがはっきりと見えていても、実現に向けて行動を起こすと、案外色んな漏れが出てくることが多くあります。
そのため、自社の強みや得意分野がきちんと活かされているか、ビジョンが反映されているかを入念にチェックし、実行に移ることが大切です。
また、やや精神論的な話にもなりますが、最終的には気合いで乗り切るしかありません。自らが考えたアイデアを最大限に叶えようという強い気持ちを持つことが、成功するか失敗するかの分岐点にもなってきます。
新規事業を実現させたところで、失敗する可能性も十分あり得ます。実際、新規事業の成功確率は30%程度であると言われており、過半数の事業が失敗に終わっています。
また、一度成功しても一過性のものにすぎず、ブームが早い段階で落ち着いてしまうといったケースも少なくないです。単に成功するだけでなく、成功し続けることは非常に難しいことでもあります。
たとえばテレビ番組などでも、ある企画が視聴者にハマり大ヒットしたとしても、その企画だけではマンネリ化し、すぐに飽きられてしまいます。それを上回る面白いコンテンツを提供することに価値があり、継続的な成功を実現させるには次から次へとヒットを打たなければなりません。
新規事業が軌道に乗せることがゴールではなく、むしろそこからがスタートです。成功を実現させるたびに、次なる課題を見出し解決していくことが重要となります。
さて、今回は新規事業立ち上げ時に立ちはだかる課題6選について解説しました。
前述の通り、新規事業の成功率は決して高いものではありません。また、新規事業を成功させるための絶対的なノウハウがあるわけでもないため、軌道に乗らせるのはかなりの労苦が伴われるかと思います。しかし、成功に近づけるための策というのは少なからず存在します。
今後みなさんの中で新規事業を立ち上げようとお考えの方は、今回の記事を参考にトライしてみてください。本記事が新規事業成功に近くきっかけになれば幸いです。