ホンダ、AI技術の強化ホンダの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所は、ソフトバンク株式会社と協力し、ソフトバンクグループ傘下のcocoro SB株式会社が開発したAI技術『感情エンジン』(人間の感情を機械自ら擬似的に生成する機能を有するAI技術)のモビリティへの活用に向けた共同開発を、2016年よりスタートさせました[1]。この共同開発では、運転者との会話音声やモビリティが持つ各種センサー・カメラなどの情報を活用し、モビリティが運転者の感情を察知しながら、自らも感情を持って対話するような技術を搭載します。モビリティがさまざまな経験を運転者と共有していくことで、運転者はモビリティが相棒になったような感情を抱き、さらなる愛着を感じるようになることを目標としています。トヨタ、TOYOTA NEXTで募集トヨタ自動車は、2016年12月から2017年2月までの間、オープンイノベーションプログラム『TOYOTA NEXT』を実施し、今後展開予定の新たなサービス案を他企業ないし研究機関などから募集しました。TOYOTA NEXTでは、これまでこだわり続けてきた”自前主義”を捨て、大小問わずさまざまな企業や研究機関などが抱えるアイデア、テクノロジーを活用していき、新たなサービスを共同で開発していくことを目的としています[2]。同プログラムでは、自動運転、電動化などの進展により、自動車産業が100年に一度と言われる大転換期を迎える中、トヨタが提供可能なビッグデータを活用した「ONE to ONEサービス」や、快適で楽しい移動を提供する「クルマの利用促進サービス」など、全部で5つの募集テーマで選考を実施。トヨタにはない独自の技術を生かした500以上のアイデアが集まったといいます。選定企業になったのは、カウリス、ギフティ、シェアのり、ナイトレイ、エイチームの5社。カウリス社は”リスク検知サービス”を活用したコネクテッドカーを中心としたモビリティーサービスへの応用、ギフティ社は”eギフト”を提供するプラットフォームの開発を、エイチーム社は中古車ビジネス全般における利便性のきいたサービス開発を行っています。SUBARU、ファンドを設立SUBARUは2018年7月、ネット証券大手であるSBIホールディングス傘下の投資会社と共同で、国内外のベンチャー企業に投資を行うプライベートファンドを設立したと発表しました。ファンドの規模は100億円で、SUBARUがほぼ全額を提供します。運営はSBI系投資会社が手がけ、自動車分野の事業面で相乗効果が期待できる有望なベンチャー企業に対し投資を行う予定です[3]。同ファンドの運営期間は5年で、外部の知見を集めながら、革新的な商品やサービスの生産につなげていきます。SUBARU社の中村知美社長は、「オープンイノベーションの取り組みをスタートさせる。将来、スバルブランドの価値を飛躍させる可能性がある新しい技術やビジネスのシーズに投資していく。」と語っています。まとめさて、今回は自動車業界のオープンイノベーションに関する取り組みについて、ホンダ、トヨタ、SUBARUの事例を紹介しました。安全支援や無人運転など、さまざまな技術が発展している自動車業界では、これまでにない新しいサービスを融合させた新規事業が増えています。今後も自動車業界におけるオープンイノベーションを採用した取り組みは、ますます拡大していくと予想されています。引用 Honda|ソフトバンクとAI(人工知能)分野で共同研究を開始-AI技術のオープンイノベーションを強化- トヨタ、新たなサービスを共同開発する「TOYOTA NEXT」募集開始 – Car Watch… SUBARU、SBI系とベンチャー投資ファンド :日本経済新聞