タレントや文化人など、著名人が関わったクラウドファンディングのプロジェクト事例4選

先日、女優の真木よう子さん(34)が、クラウドファンディングにて「フォトマガジン出版プロジェクト」を立ち上げ、コミケで頒布すると発表した後、批判が殺到し、コミケ出展の意向を取り下げ、謝罪メッセージを掲載したことが話題になりました。
タレントや文化人がクラウドファンディングを活用する機会が増えている一方、炎上を招きかねないケースも少なくはありません。今回は「著名人が関わったクラウドファンディングのプロジェクト事例4選」について紹介していきます。
元サッカー日本代表キャプテン、宮本恒靖のチャレンジ
https://greenfunding.jp/lab/projects/1338
- 実施サイト: GREEN FUNDING
- 起案者: 宮本恒靖(サッカー指導者)
- 達成額: 3,102,000円
元サッカー日本代表キャプテンの宮本恒靖さん(40)は、「Mali Most(マリモスト)」という名のプロジェクトで、ボスニア・ヘルツェゴビナの民族融和を目的としてスポーツアカデミー設立を目指し、クラウドファンディングを活用しました。
ボスニア・ヘルツェゴビナでは、1990年代前半に第二次世界大戦後のヨーロッパでは最悪とも言われる紛争が起こり、死者は20万人以上、避難者も200万人以上と言われる内戦です。紛争終結後20年がたった今でも建物の壁に銃弾や砲弾の跡が生々しく残り、また、同じ学校に通っているのにもかかわらず、カリキュラムが異なるなど、教育の場でも民族対立の影響が残っています。
しかし、宮本さんが現地の子どもたちとフィールドに立って一緒にプレーすると、ボールを追いかける子どもたちは民族の違いや差別といった暗い感情は一切出すことなく、それこそがスポーツの持つチカラだと宮本さん自身が確信しました。本プロジェクトは目標額150万円を倍となる310万円を集めることに成功し、2016年10月からMali Mostは本格的に開校しています。
堀江貴文『ゼロ』全国無料講演ツアー
https://camp-fire.jp/projects/view/859
- 実施サイト: CAMPFIRE
- 起案者: 堀江貴文(実業家)
- 達成額: 5,228,300円
発売からわずか2カ月で30万部を突破した大ベストセラー『ゼロ』のキャンペーンとして、ホリエモンこと堀江貴文さん(44)が、全国5都市(東京・仙台・札幌・大阪・福岡)の会場を貸し切って、無料で講演してまわる「『ゼロ』全国無料講演ツアー」が行なわれました。
2年半の刑期を経て、文字通り”ゼロ”になった堀江貴文が、丸裸の自分の姿と「人はなぜ働くのか?」ということを初めて語り、その一冊に込めた思いをさらに多くの人に伝えるべく、全国をまわっています。会場はいずれも1000人規模で、入場料を無料にする代わり、資金は全てCAMPFIREにて調達。317人のサポーターから523万円を集めました。
2014年1月19日の夜、東京の「目黒パーシモンホール」からスタートしたツアーは、5都市すべての会場でほぼ満席状態となり、好評だったことから、さらに名古屋、広島、松山での講演が追加され、そちらも大盛況となりました。
えんとつ町のプペル展
https://camp-fire.jp/projects/view/10837
- 実施サイト: CAMPFIRE
- 起案者: 西野亮廣(お笑い芸人)
- 達成額: 46,373,152円
お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さん(37)は、自身の個展『えんとつ町のプペル展』を入場無料で開催しようと考え、CAMPFIREにて開催費の調達を行ないました。同作は制作に4年半の歳月をかけた西野氏の最新作で、16年10月に行なわれた個展では、本の中にある一枚一枚の絵画を壁に飾って、暗い照明の中一つ一つをライトで照らすといった演出を実施し、今まで誰も見たことのない”全ての絵が光り輝いている個展”を実践しました。
芸人としての実力および人気が高かったことも相まって、本プロジェクトは6,000人以上の支援者からサポートを受け、また目標金額の180万円を遥かに上回り、最終的に4,600万円の資金調達に成功を収めました。達成率2576%という過去類を見ないほどの記録を誇った結果、個展も見事に大盛況を呼び、西野氏は今後新しいプロジェクトを行なうと語っています。
The Veronica Mars Movie Project
https://www.kickstarter.com/projects/
- 実施サイト: Kickstarter
- 起案者: ロブ・トーマス(映画監督)、クリスティン・ベル(ハリウッド女優)
- 達成額: $5,702,153(約6.39億円)
アメリカの映画監督であるロブ・トーマス(52)は、自身が手がけた人気テレビドラマ『Veronica Mars(ヴェロニカ・マーズ)』のシリーズ打ち切り後、続編となる長編映画の脚本を書いていましたが、ワーナー・ブラザースが資金提供をしないと表明。そんな中、トーマスは同作で主演を務めた女優・クリスティン・ベルと共に、Kickstarterを通して映画製作のための資金調達運動を開始しました。
キャンペーンのプロモーションビデオに起案者のトーマスとベルに加え、エンリコ・コラントーニ、ライアン・ハンセン、ジェイソン・ドーリングなどが登場。募集開始からわずか10時間以内で目標額の200万ドルに達し、初日のうちに200万ドルに達したのはKickstarter史上最速のプロジェクトとなりました。また、同サイトで最も成功した映画プロジェクトでもあり、ハリウッド発のクラウドファンディング企画第一弾として大成功を収めました。
まとめ
さて、今回は「著名人が関わったクラウドファンディングのプロジェクト事例{5}選」について紹介しました。先述の通り、著名人がクラウドファンディングを活用すると、通常と比べて批判を受けやすく炎上するケースが多いです。しかし、その一方で既存のファンが支援してくれる可能性は高く、大成功を収める結果となる場合も当然あります。今後も著名人が活用するクラウドファンディングは、良くも悪くも話題となり、どちらの意味でも批判の対象になることかと思われます。