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クラウドファンディングの出版プロジェクト成功例

  • feedy

今回は、出版に関連したクラウドファンディングのプロジェクトを紹介していきます。

これまで個人が本を出すには高額な費用がかかっていましたが、クラウドファンディングを利用することで、出版に成功した本にはどのようなものがあるのでしょうか。早速見ていきましょう。

この記事はBatteryからの引用です。

”世界初”195カ国の料理レシピ、オールカラーで書籍化

https://camp-fire.jp/projects/view/13557

  • 実施サイト: CAMPFIRE
  • 支援者: 425名
  • 調達額: 3,785,395円

2017年にクラウドファンディングサイト・CAMPFIREで、世界195カ国すべての国の料理を作ることができるレシピ本が制作されました。本の著者である本山尚義さんは、日本国内のフレンチレストランで修行したのち、世界30ヶ国(アジア、西ヨーロッパ、北アメリカ、中近東)を旅しながら、現地の料理を学んできました。帰国後、1999年に世界の味を楽しめるレストラン「世界のごちそう道厨房」をオープンしたり、世界のごちそうを楽しめるレトルトシリーズを発売したりしてきました。

今回のプロジェクトでは、そうした本山さんの活動の集大成として、全世界の料理が気軽に作れるレシピを本にフルカラー写真付きで掲載しており、なかなか出会うことのないマイナーな国の料理が身近に感じられるチャンスがあります。なお、このプロジェクトは400人以上のサポーターから目標額を大きく上回る3,785,395円を集めることに成功し、これまで料理に興味を示さなかった人までも振り向かせるほどの魅力がふんだんに詰まっています。

誰もが楽しめるゾウの専門書『ゾウの知恵』出版プロジェクト

https://www.makuake.com/project/zounochie/

  • 実施サイト: Makuake
  • 支援者: 135名
  • 調達額: 1,081,000円

誰もが楽しめるゾウの専門書『ゾウの知恵』が、Makuakeを通じて2017年に書籍化されました。世界に50万頭いると言われているゾウは、象牙を目的とした密漁により減少しており、100年後には絶滅の可能性があるとも言われています。そんなゾウを守るためにゾウの研究者たちが立ち上がり、ゾウの保護について多くの人に考えてもらうべく、読んで面白いゾウの専門書が作られました。研究者向けの専門的な内容も、一般の人に分かりやすいよう具体例を挙げて書かれているため、子どもからお年寄りまで幅広く読みやすい本となっています。

慶応大人気講師が教室では教えなかった5つのこと『超訳 コスギの言葉』

https://www.makuake.com/project/kosuginokotoba/

  • 実施サイト: Makuake
  • 支援者: 92名
  • 調達額: 360,800円

慶應義塾大学の人気講師・小杉俊哉さんの教え子たちが、43個の珠玉の言葉を選び執筆・解説した本が、Makuakeを通じて書籍化されました。慶應大の「小杉俊哉ゼミ」は、単位にならない自主ゼミであるにも関わらず、毎年倍率4倍の人気を誇るゼミであり、学生の主体性によって運営され、小杉先生が教える「リーダーシップ論」が実践される場でした。学生のやる気にあふれた空間を作り出す「ことば」が本書では解説されています。

「奇跡のゼミ」とまで言われるほど人気のあった小杉先生のゼミは、退任に伴い2016年3月に終了しましたが、現在も学生たちから支持を得ており、本プロジェクトは360%の達成と見事成功を収めました。なおリターンには、小杉ゼミの体験や、小杉先生に1対1のキャリアコンサルティングをしてもらえるといった特典がありました。

ライフスタイルを発信する雑誌『medley Labo』を出版したい

https://camp-fire.jp/projects/view/1307

  • 実施サイト: CAMPFIRE
  • 支援者: 51名
  • 調達額: 194,550円

73名のシェアメイトと大型シェアハウスに住む著者が、身の回りで見つけた素敵なヒトやモノを紹介し、ライフスタイルをシェアする雑誌が、CAMPFIREにおいて書籍化されました。田舎出身で情報収集が趣味の著者・柿内奈緒美さんがこれまでの人生で体験した、下半身不随手前の事故や父の他界、シェアハウスで出会ったユニークな人とのエピソードを通じて、ラッシュライフ(豊かな気持ちの暮らし)を考えるきっかけになる雑誌『medley Labo』の出版へと繋がりました。。

みんなで作る新しい出版のカタチ『Ribbon』

https://greenfunding.jp/lab/projects/1947

  • 実施サイト: GREEN FUNDING
  • 支援者: 203名
  • 調達額: 1,490,111円

元「ダ・ヴィンチ」編集長・横里隆さんは、女性イラストレーター利光春華(としみつはるか)さんの魅力を一冊の本にまとめ、彼女の世界観を世に届けたいという想いから、クラウドファンディングでの先行出版および発売を目指して、利光さんのビジュアルストーリーブック『Ribbon』を制作しました。

利光さんは出版の世界では無名ですが、イラストレーターとしては、TOYOTA、資生堂、ワコール、イオンなど、名だたるクライアントから指名されてきた実力派です。特に300万部発行された、2017年のTOYOTAカレンダーの美しく可愛らしい世界観は大きな反響を呼びました。『Ribbon』は、募集終了時に200を超える支援者から、およそ150万円を集めることに成功。また、2017年12月に『Ribbon』は一般発売され、初出版記念個展も開催されました。初出版ながらに成功を掴んだ利光さんの今後に期待が募るばかりです。

まとめ

さて、今回は出版物に関するクラウドファンディングのプロジェクトを紹介しました。今まで自費出版では、高額な費用や出版物の内容がなかなか買い手に届かないなどの障害がありましたが、クラウドファンディングでは10万円台の低額なプロジェクトも多くあり出版しやすい環境が整ってきているようです。これまでは出版できなかったニッチな内容の本も今後は出版しやすくなるのではないでしょうか。